第82話 カマかけ。
村を出て、元来た道を戻る。
「なあ、これどんぐらい掛かるの?」
「来た時と同じぐらいだな」
俺の休日は......?
もうお日様出ちゃってるんですけど。
「ハァ....ところで、お前ら何であんな事してるんだ?」
前を歩くマウェクに尋ねる。
ルシーナともう二人は、俺たちより少し先を歩いていた。
「俺らな、出身の村が貧しかったんだ」
マウェクは少し俯き、静かに話し始めた。
「四人同じ村に住んでてな。大人になったら村を出て稼ごうって親分が言ったんだ。そんな訳で今盗賊をやってる訳だが」
両肩を上げ、おどけてみせるマウェクだったが、進んでしたい話ではないのだろう。
「初めて盗賊を襲って、目の前にある大量の宝を見てな。俺たち、こんなんでいいのかって思い始めたんだ」
一拍。
「だったら、自分たちみたいな子供を増やさない為にも、奪った宝は寄付していこう、自分たちが貰うのは必要最低限って決めたんだ。そのせいで、ゴミ漁りなんかしょっちゅうだが」
「なるほどな....悪いな、少し踏み込んじまって」
「構わねえよ。アンタにはデッカい借りがあるからな。いつか返させてくれよ」
マウェクは組んだ腕を後頭部に回し、俺に意味ありげな視線を送ってきた。
借りねぇ....特にして欲しいこととか......
「....あ、じゃあ俺の休日どうにかなる?」
「....別の形で頼む」
「....そうか」
あと数時間歩き続け、俺の休日は台無しになる事であろう....
*****
エイトの自宅前。
ソアラとアルトは買い物に行ってしまったし、ぶらぶら散歩してたらいつのまにかこんな所まで来てしまったようだ。
「アイツ...いるのかな....」
いんたーほん、というものに手を伸ばす...が、思いとどまって腕を引っ込めた。
会って何をしようというのか、私は怒っているんじゃなかったか、と。
「どちら様〜?」
「ひゃあっ!?」
「あら、リースちゃんじゃない。どうしたの?」
突然玄関が開き、中からフォーナが顔を覗かせた。
びっくりしたぁ...心臓が飛び出るかと思ったわよ....
「べ....別になにも....」
「.....エイトさんと何かあった?」
「な、なんでそれを...?」
「あ、ホントにそうだったのね〜」
「カ...カマかけたわね!?」
「ほら、入って入って〜、話なら聞いてあげるから」
こうして、何故かエイトの自宅に、フォーナに半ば強引に連れてかれる私であった...
遅くなってしまって申し訳ありません....
今日は2話投稿できそうです。




