第8話 世界は金で回ってる。
コレいちいち自己紹介する必要無いですよね...?
さて、友の亡骸を踏み越えいざダンジョンへ。
ジグルにもらった地図を開く。
「えーと...ああ、こっちか」
地図を見るとよく分かるなぁ。
総合ギルドの横に結構大きい通りがあった。
人だかりで見えなかったんだ仕方ないだろ?
地図をたたんでポケットに仕舞い、通りの雑踏に紛れる。
「おー...結構長いんだな...」
何百メートルかはありそうな長い通りには、鎧やらローブやら身につけたヤツらが歩き回っている。
ダンジョンに行く道なんだからそりゃそーか。
そして、通りの脇には色々な店が立ち並んでいる。
飲食店やら、武器屋、防具屋、アイテム屋、etc...
「.....あー、なんか食いたいー」
けど金がねー。
早くダンジョンで稼がなきゃ餓死するぜマジで。
自然と歩くスピードも速くなっていった。
*****
「あー....ついたー」
目の前にそびえ立つ、神殿の様な建物。
今まで歩いて来た大通りを塞ぐ様にして建てられており、通りを歩いていればそのまま中に入れる様に入り口が開いている。
すれ違った人達の会話を聞きながら来たが、このダンジョンの入り口は、ゲートと呼ばれているらしい。
「よっし、早速荒稼ぎしますかっと」
意気揚々とゲートをくぐって行く俺であった。
*****
「うわ、ひっろいな...ココ」
ゲートを通過すると、すぐに馬鹿でかい空間に出た。
壁と天井は石英で固められ、光を放つ鉱石によって、空間は薄暗くも照らされている。
ゲートから見て右側には、〈素材換金所〉という看板がデカデカと貼られた通路がある。
「あそこで素材を売るのか....うへへ」
いかんいかん、変な笑い方しちまった。
そして空間の左側にも、ゲートや換金所への道と同じ様な通路があり、〈傭兵雇用所〉と書かれた看板が貼られている。
....ふーむ、あそこに用はないな。
目指すは奥、ダンジョンに繋がる、一際大きな通路だ。
「じゃ、早速行きましょうか」
この、三つの通路への分岐地点となる巨大な空間は、〈エントランス〉と呼ばれており、傭兵の売り込みや、掲示板によるクエスト受注が行われている。
「あ、兄さん1人?イイ戦士揃ってるけど、どう?」
「あ、や、いらないっす」
ダンジョンに繋がる通路、通称〈ダンジョンゲート〉に辿り着くまでにこんな勧誘を何回も受けた。
みんな必死だのう...世知辛いね。
「まあ俺は、これから億万長者だけどねーー((ドヤァ」
そして俺は、ダンジョンゲートに大いなる一歩を踏み出...
「ぐっはぁぁッッ!?」
すことが出来なかった。
何やらよく分からない力に吹き飛ばされたみたいだ....
いってぇ...なんなんだよコレ...
「申し訳ありません、【探求者】の方ですか?」
異変を察したダンジョンの係員が、俺に駆け寄ってくる。
「そうだよ...なんだよ、コレ。吹き飛ばされたんだけど」
「失礼ですが、チケットはお持ちですか?」
......What?
いかがだったでしょうか。
....コレもいいですかね?