第78話 発見。
マウェクと共に、警報が鳴り響く通路内をひた走る。
時々出てくる盗賊は俺がワンパンですわ。
「俺ついて来る必要あったか....?」
「戦闘は俺に任せとけ....というか全然牢屋見つかんないんだけど!?ホントに道分かんないの!?」
「だから知らねぇって!!前来た時は親分について行っただけだ!!」
「ダメ男か!!!」
「うるせえ!!!」
ここで周囲の安全を確認し、一度立ち止まる。
マウェクの体力的にも、時間的にも、もっと効率がいい方法で探った方がいいな....
「よし、手分けして探そう。.....魔法は使えるか?」
「まあ...メガほどじゃないがフレアなら....」
「じゃあ牢屋を見つけたら派手な魔法かまして俺に知らせろ、いくぞ!!」
「お..おう!!」
2つに枝分かれした通路の、俺が左、マウェクが右へと二人散らばる。
レベル20越えって言ってたし、アイツは一人でも大丈夫だろ。
「侵入者め!!ここは通さー」
「はいはいお疲れ様」
「グハッ!?」
某戦闘民族漫画風に、通路に立ちふさがった男の後ろに回り、肩を手刀で叩く。
これ、一回やってみたかったんだよねー。
さて....なんか重厚な扉が見えてきたが....
「お邪魔するぜー」
重そうな木製の扉を蹴破り、中に突入する。
「お前が侵入者か...」
通路からの雰囲気は一変、フローリングの綺麗な部屋の奥には、ラスボス感満載のサングラスをかけた男が座っていた。
なんだよそのポーズ、エ◯ァの人かよ。
「アンタがここのボスか?」
「悪いな、支部長だ」
「じゃ、ここの事よく知ってるな」
支部長の男は以前同じポーズで、机に肘をついて静かに話続ける。
「オレに情報を吐かせようってか?....まあ構わんが....お前、オレの部下にならんか?腕も効くようだし、いい成績出せるぞ」
「盗賊にも成績とかあんのかよ....そんなのゴメンだな、早く牢屋の場所言えよ」
「そうか....残念だ」
男はゆっくりと立ち上がり、俺の目の前まで歩いてきた。
サングラスの下には鋭い眼光。
意外とキチッとした服装してるんだな....
「死んで、貰おうか」
「やってみな」
お前が魔王の数倍強いんなら、勝率あるぜ。
*****
「ハァ....ハァ.....親分!!!」
「「リーダー!!」」
「は!?アンタ...戻ってきたのかい!?」
エイトと別れて数分走り続け、ついに牢屋に辿り着いた。
薄暗く、広い空間には大量の牢屋が並んでいる。
一番手前の牢屋に、親分と部下を見つけることができた。
「親分!もう大丈夫です!今開けますから.....カギ....どこだ!?」
最近は、全ての牢屋に対物理、魔法の強化魔法がかけられており、カギがなければ開けられない。
看守机の上を見るが、カギ束の影は見当たらなかった。
「クソ....どこだ!?」
「探してるのは....コレ?」
「ッ!!」
突如聞こえた声に、急いで後ろを振り向く。
暗闇の中から響く、足音とカギの擦れ合う音。
「ダメよぉ....?勝手に逃がしたりしちゃぁ....」
コツコツとハイヒールを鳴らし、姿を現したソイツは。
「このワタシが...許さないわよぉっ?」
「お前.....!?」
どうみても男の体つきだが、服や言葉遣いはかなり女じみている。
全く似合わない化粧をした、坊主頭のソイツは。
「あら.....いい男じゃなぁい....」
「ひいいい....」
完全にオカマだった。




