第7話 総合ギルドの男。
どうもアマガサ。です。
2話目、本日ラストとなりやす。
「あー、あー、すいませんすいません」
人波に流されながらも、総合ギルド前に到着する。
確かこの近くだって言ってたけど...
「どこにもねぇな....」
仕方ない。
誠に不本意ではあるが、総合ギルドで道を聞くか。
アイツが居なけりゃいいが...
気乗りせずも、総合ギルドへ足を運ぶ俺だった。
*****
石英で作られた綺麗な床と壁。
天井には大きなシャンデリアがあり、よくわからんツボも何個か置いてある。
「またここに来るとはな....」
数十に区切られた受付と、無数に置かれた椅子。
要するに超豪華な銀行っぽい作りだ。
とりあえず、受付口へと向かう。
「もうしわけありません、そちらの整理券をお取りになってお待ちください」
「デスヨネー」
まあそうなるだろうよ。
ここはいっつも人で溢れてるからな。
俺は受付の、赤い髪の男性に一礼して席に......赤い髪の男性?
「あれ...お前もしかして」
「はい?私がどうか致し......ああああああああお前!!!!!」
「相変わらずうるせぇな」
ジグル・トルニファー。
俺がこの世界で初めて知り合った男だが、いかんせん気に食わないヤツでな。
プライドが高いのか何なのか、やたら俺を見下して来る男で、昔っから喧嘩ばかりしていた。
「いつ帰って来たんだ!?」
「さっきだよ、さっき。あと、声がでかい」
「おぅ...」
自分に向けられた多くの視線に気がつき、口を紡ぐジグル。
「まあいいや、ほら、こっち来い」
カウンターを飛び越したジグルは、俺の隣に着地した。
変わんねぇな、その無駄な運動神経。
俺のが全然上だけどね。
「...仕事中だろ?」
「ダイジョーブ。さ、ついて来い」
「....はぁ」
*****
客間みたいな部屋に通された俺は、ジグルから出されたお茶を啜っていた。
「いやー、懐かしいなぁ...いつ振りだ?」
テーブルを挟んで、向かい合わせになるように座ったジグルは、どうも落ち着かない様子だった。
「2年ちょっとだな。あと、お前ちょっと落ち着け」
「お、おう。久しぶりだからつい、な」
その後、少し思い出話をした後で、本命の情報を聞き出す事にした。
「んじゃ、俺もう行くから、ダンジョンの場所教えてくれ」
「何だもう行くのか?全く...勇者様は大変ですねぇ~」
この野郎。
わざわざ勇者様を強調しやがって...
「ほら、地図だ。持ってけ」
「....どうも」
丸められた地図を受け取り、席を立つ。
できればもうココには来たくねぇな....
「じゃーなー、また来いよー」
「やだ」
来たくねぇって思ってるとこで言うかそれ。
早くこの部屋から立ち去ろう....
部屋を出る時、ガタイの良いサングラスを掛けた男と入れ違いになった。
...えっ?俺がサボってる?あはは...そんな訳ないじゃないすかギャアアアアアアアアア!!耳はヤメて耳わ!!!
廊下を歩く途中、なんか聞こえた気がするが、知らん。
目指すはダンジョン。
亡き友がくれた地図を手に、そこに向かおう。
...死んでねーーよッッ!!
キコエナイキコエナイ、アーアーアー。
いかがだったでしょうか。
....うん。
焦らしすぎってのは分かってる。
もう2、3話でメインヒロイン出しますから...