第60話 石。
ビル数回分の階段を降り、フロア2に到着する。
「.....フロア2?」
「なんか....変わり映えしないわね.....」
フロア2の通路は、フロア1と同じ石レンガで作られており、道幅なども一切変わっていない。
一体どんな所に辿り着くのか楽しみにしてたってのに、がっかりだぜ....
「あ....あそこ、コケ生えてますよ」
「コケかよ......」
強いて言えば床にコケが少し生えてるぐらいか。
じゃ、モンスターに期待しますかねっと。
*****
「..............」
『..............』
「...............エイトー」
「ん?どうした?」
しばらく進むと、先を歩き、道端の石をじっと見つめていたリースが俺を呼んだ。
「これ、何?」
リースが指差す、人の頭ほどの石。
えーと.....どっかで見たことある気がする気がしなくもないんだよな............
「..........分からん。石じゃね?」
『..............』
「石ね」
「石だ」
さて、先を急ぐとしよう。
俺たちは石に背を向け、ダンジョンの奥へと進んでいった。
「あ、あの石目印にしとこうぜ。また道に迷わないようにさ」
「いい案ね」
『.........』
*****
「......なあ、俺は結構歩いた気がするんだが」
「私もよ...」
「同じくです...」
「ん......」
「....まだ後ろに石がある....」
あの石、転がって俺たちに付いてきてるんだが。
しかも律儀にこっちが止まった向こうも止まるし。
一定の距離を保ったまま、石は俺たちのことを追跡してくる。
なんだよコイツ....モンスターか....?
「まあいいや、行こうぜ」
「そ...そうね」
『............コロコロ』
*****
「いやー、なんか全然モンスター出ないなぁ」
「そうね、平和ね」
『コロコロ....』
*****
「ソアラ、レベル上がった感想は?」
「うーん....よ、よく分かんないです....」
『『コロコロ.......』』
*****
「...........」
「...........」
『『『コロコロ.......』』』
*****
「.....なあ、リース」
「.........増えてるわね」
『『『『『コロコロ.......』』』』』
えっと...【観察】しとくか....?
[ストーキングストーン]ランクE
レベルの平均は大体25前後ってとこか....
それにしても多いな....全部で9...いや、今一個追加されたな。
「.....あ、思い出した」
「あの石?」
「ああ、実はアイツらモンスターでな。獲物にずっと付きまといながら仲間を呼んで、10体以上集まったら襲いかかってくるんだ。こう、後ろから一気にドバーッと」
「.....今何体?」
「10体」
『『『『『ゴゴゴゴゴゴゴゴ』』』』』
後ろから鳴り響いてくる地響き。
脳や体を震わせ、気を抜けば倒れるほどの揺れだ。
これは....マズイ。
「走れええええええええッッッッ!!!」
「「わあああああああっっ!?」」
『『『『『ゴロゴロゴロゴロッッ!!』』』』』
俺氏、石から逃走中なう。




