第49話 採寸。
「おかしいッスねぇ....性能は格段にアップしたハズなんスけど...」
「ま、俺だって強くなったからな」
「じゃあ、次は蜂の巣にしてやるッス!」
「やめい」
「ああ、暗いまんまッした。今電気つけるッス」
レシュアが暗闇でガサゴソすると、天井の裸電球が灯り、部屋を照らした。
巨大な作業台に、壁一面に掛かった工具、バカでかい装置。
むせ返りそうな機械油の匂いが充満するここはレシュアの研究施設。
ここで日夜いろんなものを作っているだとか。
もっぱら武器だけどな。
「あ....あの」
騒動が収まったと判断したんだろう、幼兵供が扉の横からひょこっと顔を出してきた。
「あれッッ!?エイトさんのお子さんッスか!?」
「研究所吹き飛ばしてやろうか?」
「嘘ッス嘘ッス!!やだなぁ冗談ッスよ.....」
ふひひ....と自分の頭をかくレシュア。
研究に熱中しすぎて自分の管理ができていない事は、常に首にぶら下がったゴーグルと、ボサボサになった紺色の髪などから容易に想像できる。
ただ、パーカーとショートパンツでどんな作業でもこなしてしまう辺り、コイツには確実な技術がある事は確かだ。
「で、今日は久しぶりの挨拶ってワケッスか?」
「あ、いや。こいつを調整してもらいたくてな」
手に持ったデカイ袋をレシュアに投げつける。
「ちょちょ!投げるなんてヒドイッスよ....あれ、これ随分古い装備っすね。どうするんスか?」
「ああ...アイツらのサイズに合わせて欲しいんだが....出来るか?」
俺の後ろに並ぶ幼兵供を指差す。
さて、鎧のサイズとこいつらのサイズの差は中々なもんだが....
「ふひひ...このレシュア様に出来ない事は無いッスよ!任せて欲しいッス!」
流石、やっぱりすげぇヤツだわコイツ。
こんなの普通の鍛冶屋じゃすぐ追い出されるもんな。
「じゃあ採寸しまスんで、ちょっとこっち来て貰えるッスか?」
「あ....私たち?」
「そうッス」
俺の足元を離れ、レシュアと共に部屋の奥に行ってしまう幼兵供。
採寸ってああやんのか....まず服を脱い........
「ハッッッ!?」
「ちょっ!?見んなッッッ!!!」
「何やってんスか!!!そんぐらい察して出てって欲しいッス!!」
「だああああ分かったから撃つなマジでえええ!!!」
*****
ーえーと....ここがこんぐらいっすね....で、こっちがこのぐらいと....
ーね...ねえ、恥ずかしいんだけど....
ー何言ってんスか、女同士じゃないッスか
ーそうだけど.....ちょっ!?どこ触ってんのよ!
ーあたたっ!ちょ、ここまで測んないとダメッスよ!!
ー二人ともやめてくださいー!
ーんー.....
「.....はぁ」
研究所の外、一人時間を持て余す俺だった。
ああ、空が青いな今日は。
ーあっ!ちょ....そこはダメよ!
ーだーかーらー!そこも必要なんスよ!!
ーあわわ....もしかして、私たちもアレやるんですか?
ーん.....
ーあ、だ、だめだってばぁぁぁぁ!!!!!
あーあ。
すっごく寂しいよ、俺。




