第43話 濃いヤツ。
んん、いい手応え。
確かにいいスピードだったけど、魔王には到底及ばないぜ。
「........うっ」
俺にビンタを食らった瞬間硬直し、ナイフを離して膝から崩れ落ちる女....ルシーナだったっけ?
ここからじゃよく会話が聞こえなかったけど、多分そんなもんだろ。
「くっ........」
「あ...すまん、頬骨イったか?」
いつまでも立ち上がろうとしないルシーナに近づく。
手加減したつもりだったが、もしかしたらってこともあるs
「うえぇぇ〜ん....」
「ッッッッ!?!?!?」
子供の様に涙を流し、情けなく泣き出すルシーナ。
ワッツハプン!?
あのプライド高そうな姿はどこに!?
「テメェこの野郎!!」
「っは!なんだ、お前らか....」
突然後ろから怒鳴られ、振り返ると部下の男たちが駆け寄ってくるのが見えた。
「おいコレ....どうなってんだよ....」
「親分は痛みに弱いんだ!!普段滅多にダメージなんか受けねぇからな!!」
「ひっぐ....ぐす...もう....おうちかえりゅぅ....」
なんてこったい。
こいつクセ強すぎるだろ....
ゲームで序盤素早さに全振りして後半積むヤツみたいだな。
「あーはいはい、大丈夫ですか親分。ほら、立ち上がって、ゆっくり.....さあ、帰りましょう」
「うん.....」
うーん.....なんだこの状況。
てか男ども優しいなオイ。
チンピラみたいな見た目からは予想できない甲斐甲斐しさだぜ....
「オラテメェ!!名前を聞かせてもらおうカァ!」
「あ、えーと...エイトです、エイト」
何故か敬語になってしまう俺。
「そうかエイト!!テメェ今度こそぶっ倒してやるからな!!待ってろよ!!」
「もうたたかいたくないぃ.....かえりたいよぉぉ....ぐすん...」
「あーわかりましたわかりました、さ、早く帰りましょうね」
「うん.....ありがと」
「うっ....と、当然の事ですよ。さあ、今日はカレーですからね。お肉たっぷりの」
「やったぁ!」
...........親子か。
いつの間にか戻ってきた幼兵供と共に、ほのぼのとした雰囲気で帰っていく四人を見守っていくしかない俺であった。
「......アンタ、なんか変なことしたの?」
「滅相もございません」
さっきビンタしたの見てたろっての....
というかお前無表情でどんな質問してんだ。
「.......あ」
「どうしたの?」
「道聞くの忘れた」
「......いいわよ。あそこに首突っ込めって言う方が酷だし」
「......俺らも帰るか」
「そうね」
試合に勝って勝負に負けた。
そんなのどごしの悪さを感じつつ、何故かトボトボと別の道から帰還する俺たちであった....
ネ
タ
回




