第40話 遭難。
「で、これからどうするのよ?」
隣を歩くリースが口を開いた。
「ん?絶賛帰還中だが」
「.....なんでよ」
「そりゃあ疲れたし、これ以上素材も持てないし。見ろ、この目玉の量」
「キモいから近づけないでよッッ!!」
これ以上危険な目に遭わせたくないから、なんて言ったら怒るんだろうな、コイツは。
まあ、実際これ以上戦うメリットは無いし、帰還一択だろ。
「そんじゃ、行きますか」
「...そうね」
「エイトさん、あの.....」
リースの隣から、ソアラがひょっこりと顔を出してきた。
「ん?どうした?」
「い.....いつか、いろんな魔法を教えてくれませんか?私、《フレア》しか使えないので....」
「なんだそんな事か、いつでもいいぜ」
「あっ、ありがとうございます!」
ソアラでも使える魔法かぁ.....
メガは撃てないだろうし、ほかの通常魔法を教えてやるか。
「.........ん」
後ろから服の裾を引っ張られる。
振り返ると、俺に見せつけるようにシューターを振り回すアルトの姿があった。
「......あぁ、お前も教えて欲しいのか」
「ん......」
パァーッと表情を明るくするアルト。
今回の件で、幼兵供からの俺の評価は随分上がったみたいだな....
「うし、いいぞ。特訓するか!」
「はい!」
「.......リースはいいのか?」
隣で心なしか膨れている様子のリース。
「わっ....私は良いわよ....勝手にやってれば...?」
「ふふーん....?」
プイッとよそを向いてしまうリースを見て、怪しい笑みを浮かべるソアラ。
おい、何企んでる?
「じゃあ、私たちは特訓に行ってきます。ねーっ、エイトさん?」
「うお....ちょ....なんだ?」
「!?」
わざとらしいセリフを言い、俺に飛びついてくるソアラ。
らしくねぇな.....?
「えへへ〜、エイトさんと一緒に特訓です〜。嬉しいです〜。何を教えてもらおうかなぁ〜」
......ああ、そういう事か。
素直じゃないリースを連れてくために、一芝居打つって事だな?
状況が飲み込めたところで、ソアラとアイコンタクトを交わす。
「よ....よっしゃー。とってもつ、強い技を教えてやるぜー。これに来ないやつはホ、ホホホントに損だよなー」
よっしゃ、完璧だな。
ハリソン・フォードもビックリの出来だぜ。
「............下手ですね」
「なッッ....!?」
う、嘘だッッ!!
めっちゃ上手かったしぃ!
映画デビューできる完成度だったろ!?
そうかソアラ、貴様嫉妬しておるな、我の演技力に。
「クッッ......!!」
両拳をギリギリと握り、こちらを睨んでくるリース。
「.........でも効いてるみたいだぞ?」
「もう一押しですね....」
ソアラは「ごほんっ」と軽く咳払いをし、
「あっ!そうだ![アイアンゴーレム]みたいな強いモンスターでも倒せる魔法を教えてもらいましょう!」
「わっ.....私も行く!!行くわよ!!!」
お....[アイアンゴーレム]が効いたみたいだな。
顔を真っ赤にして怒鳴ってきやがった。
相手の弱いところを突いていく....こやつ中々やりおる...
「えへへ....どうでした?」
「ああ、上手かったよ。俺の膝位には届グッファッッ!?」
グリグリと、かかとでつま先を思いっ切り踏まれた。
ソアラ、怒らせちゃならんな....
「う...うし、んじゃ帰るか....」
痛む足をさすりつつ、通路を歩いていく俺と幼兵供だった....
*****
「................ねぇ」
そして目の前に広がる巨大な空間。
あれから1時間弱歩き続け、俺たちは見事....
「なんで戻ってきたのよ?」
キーパーエリアに逆戻りする事が出来たワケだ。
「これはあれだな.....」
「あれ....?」
「完全にッ!!!迷ったッッッ!!!」
「偉そうに言うなァァァッッ!!」
ついに40話...
10000話まで、あとたったの9960話ですね!




