第37話 油断。
「洒落にならんぜ....全く」
「また復活してるわよ....!どうすんのよ!?」
「もう魔力も少ないです....」
「タマ....切れる....」
[アイアンゴーレム]が復活している間に集合し、打開策を練る。
ソアラとアルトはもう戦えないか....
「よし、リースは俺と一緒に戦うぞ。ソアラとアルトは下がってサポートだ」
「はい!」
「.......りょーかい」
『シュゥゥゥ.......』
「.....復活したようね、いくわよ!」
剣を抜き、リースと共に[アイアンゴーレム]の下に駆けていく。
ソアラとアルトは左右に散開し、俺たちをサポートする陣形を取った。
「....アンタ、偉そうな事言っといて、策でもあるんでしょうね?」
隣を走るリースに話しかけられる。
「ない」
「はぁ....私、まだ死にたくないのよ?」
「心配すんな」
死なせるようなことはしねぇよ、絶対。
倒置法でカッコつけようかと思ったが、気持ち悪がられそうなのでやめとこう。
かといって、ヤツを倒す手段があるわけでもない。
とりあえず、攻撃しなければ何も分からないだろう。
「リース!硬いとこは狙うな!関節だ関節!クモと一緒だ!」
「わかってるわよ!」
『シュゥゥゥ....!』
二人で同時に[アイアンゴーレム]に斬りかかる。
ヤツは身体中様々な鉄クズで出来ており、関節部には小さなパーツで組み上げられている。
そこが狙い目だ。
「お....っっらあぁ!!」
「たああッ!!」
『....ッッ!』
俺が右足、リースが左足を切り落とした。
身長差もあり、俺が膝部分を、リースはスネあたりを攻撃する形となった。
切り落とされた両足はバラバラと崩れ落ち、[アイアンゴーレム]はバランスを失い、仰向けに勢いよく倒れた。
「足は.....クソ、復活してやがる.....」
「......待って!見て、右足は復活してないわよ!」
「なに?」
リースの指差した、[アイアンゴーレム]の右足を見る。
左足には鉄クズが集まり始め、復活を始めているのに比べ、右足は切り落とされたままだ。
なんでだ....?
「よく分からんが....とにかく斬ってれば倒せるんだな...?」
「そうみたいね...次!いくわよ!」
「おい無理すんな!一旦下がれ!!」
リースの額には汗が滲み始め、呼吸もかなり荒くなってきている。
とにかく斬っていれば倒せる事が分かった以上、こいつらに無理をさせる必要はない。
「うっさいわね!ほら早くしないとアイツ起き上がるわよ!!」
「チッ....大変な事になんなきゃいいが....」
床を蹴り、再び攻撃を仕掛ける。
『シュゥゥゥ.....!!』
[アイアンゴーレム]は既に立ち直っており、こちらに向かって攻撃態勢を整えている。
正面からは危険....いや、いけるか。
「ソアラ!アルト!横からブチ込め!!」
「《フレア》っ!!」
「りょーかい」
指示を出すと、すぐに二人からの攻撃が開始され、《フレア》と魔法弾で[アイアンゴーレム]の頭がサンドイッチにされる。
「ナイス!!」
元々片足で立っていた[アイアンゴーレム]は簡単によろめき、隙ができた。
「俺は左腕だ!リース、右腕を!」
「了解!!」
倒れた為、低い位置にある右腕をリースに任せ、俺は左腕に向かって走る。
と、[アイアンゴーレム]が左腕を高く振り上げたかと思うと、右腕に向かっていくリースを睨みつけた。
クソ....俺じゃなくてリースかよ....
倒しやすいやつから狙う程の知能があるのだろうか?
まあ、そんな事はさせないがね。
「《エアウィンド》!」
「うわっ!?」
左腕は吹き飛ばしてしまったので予定変更。
俺は頭部に目標を変え、高く飛び上がった。
リースは右腕への攻撃のため、剣を大きく振りかぶっていた。
「流石に頭なら....どうだッッ!!」
首の付け根から頭を切り離す。
リースの腕への攻撃も命中したようだ。
「硬ッ!?...っく!」
しかし、腕に半分ほど剣を斬り入れたところでリースの様子が変わる。
慌てて剣を抜き、相手との距離を取るリース。
「どうした!?」
「肘の辺りで斬ったんだけど....なんか硬くて...ってあれ?」
「おお.....?」
右腕、復活してねぇぞ!?
あ、左腕と頭はもう復活してるか。
それにしても、「なんか硬かった」....か。
「....なんとなく分かったぞ」
「何がわかったの!?」
「アイツの倒し方だ」
復活しなくなった右足と右腕。
どちらも膝と肘、部位の中心を攻撃したものだ。
恐らくアイツを破壊するには、部位の中心部を攻撃すればいい....
「多分それでいける」
「ふふ....やっと希望が出てきたわね.....」
隣で調子よく笑い始めるリース。
その通り、やっと余裕が持てるようになってきた。
「倒し方さえ分かればコッチのもんだ。あとは気楽にー」
俺が気を抜いた瞬間だった。
倒し方が分かったからと、余裕ぶっこいていたのが間違いだったんだ。
「あぐっっ!?」
[アイアンゴーレム]が自身の巨大な破片を投擲し、リースはその直撃を食らってしまった。
今日は午後にもう1話いけそうです...




