第35話 新種。
『シュゥゥゥ....』
結構レベル高いな....消耗した幼兵供で勝てるか...?
「ソアラ、アルト、いけるか?」
「もう5、6発なら撃てると思います....」
「まだ....いける」
「うし」
一歩進むごとに大きな足音を立て、こちらに向かってくる[アイアンゴーレム]と対峙する。
デカイな....5メートルは超えてる。
全身が鉄クズで作られた、どっしりとした見た目。
鋭い光が二つ、目の部分から覗いていた。
「ちょっと...私への心配は無し?」
「お前は丈夫だから大丈夫だ」
「それどういう事ッ!?」
「よそ見すんなよ....来るぞ」
相手との差は、既に10メートルを切っている。
「平気よ、どうせああいうのは遅いんだから」
リースのセリフを待っていたかのように、[アイアンゴーレム]は腰を屈め、なにかの体制を作り始めた。
「やっべ......」
「嘘でしょ....?」
ヒビが入るほどの勢いで床を蹴った[アイアンゴーレム]は、軽く天井に届くほどジャンプし、こちらに向かって落下してきた。
「避けろぉぉッッ!!!!」
「聞いてないわよッッ!?」
「ひゃああっ!!」
「っ.....」
四人散り散りになり、相手の攻撃を回避する。
あんな巨体で軽々とジャンプするとはな....
そのくせ重さもある。
床に2メートルはめり込んじまってるぜ?
「......あチャンスだ」
「バカね!!自分で動けなくなるなんて!!」
「《フレア》!!《フレア》!!《フレア》っ!!」
「くらえ......」
身動き取れなくなった[アイアンゴーレム]、幼兵供にリンチである。
リースが剣で薙まくり、ソアラが《フレア》を連発、アルトが魔法弾を連射と。
かなりレベル差があったが、流石にこの攻撃じゃ向こうも耐えられないだろう。
「はぁ....はぁ....や、やった?」
「もう魔力無いですぅ.....」
「タマ.....切れ」
「おつかれさん、また派手にやったな....」
三人が猛攻を終えた後には、大量に散らばる鉄クズが残るばかりだった。
新種ってのも大した事ないな....
「.........お?」
塵となって消えていくと思われた鉄クズたちは、まるで意思を持ったかのように動き出した。
破壊された場所にそれぞれの鉄クズが集まっていき、[アイアンゴーレム)を再形成していく。
「なんなのよ....!?」
「も、もう魔法撃てないですよぅ....!」
「......転換器」
ソアラにヒーリングポーション、アルトに新品の転換期を渡す。
「ほれ....どっちもこれで最後だ」
「わ....わかりました」
「む.....」
「ちょっとぉ....私にはなんかないワケ?」
「ったくうるさいヤツだな.....ほれ、《メガヒール》」
図々しいリースに、通常魔法《ヒール》シリーズ、《メガヒール》をかけてやる。
ちなみに《ヒール》はキズを治すモノなので、転換力回復には使えない。
「うわっ....すごい....」
「さて....復活するモンスターか」
[アイアンゴーレム]が完全に再構成される。
目の前に立つ俺たちを見回した後、自身の体を床から引っこ抜いた。
『シュゥゥゥ.....!』
さっき見た感じ、普通に攻撃するだけでは倒せないだろう。
無駄に体力を減らすだけだ。
うーん.......新種モンスターか....
「.....おもしれぇじゃんか」
絶対倒して、素材落とさせてやるぜ。




