第34話 真打。
「よし...終わりか」
[ジャイアントスパイダー]に突き刺さった剣を抜く。
全部で23体....大したことなかったな。
素材は〔クモの目〕13個。
一つ3000ゴールドと割と儲けることができた。
.....見た目は最悪だけどな。
「アイツらももう終わらせたかな...?」
幼兵供が戦っているであろう方向を見る。
手を取り合い歩くリースとアルトに、その後ろで振り上げられる巨大な脚。
「......はッッ!?」
ヤベェアイツら気付いてねぇ!
どうする、魔法でも撃つか!?
でもここからで間に合うか?
待て、落ち着け俺、いや落ち着くな急げ俺。
「だああクソッッ!!《エアウィン.....」
「《フレア》ッッ!!」
『ギシャァッッッッ!?』
俺が魔法を撃つ寸前に、火の玉が[ジャイアントスパイダー]に炸裂する。
アルトの撃った《フレア》が、振り上げられた脚を吹き飛ばしながら飛んでいったのだった。
「わっ!?」
「っ....!!」
驚き飛び上がるリースと、すかさず倒れた[ジャイアントスパイダー]に魔法弾を連射するアルト。
「はいはい、オーバーキルオーバーキル」
「ん....」
射撃を止めることのないアルトに駆け寄り、肩に手を置いて落ち着かせる。
.....派手にやったなぁ...
「エイト!アンタどこいって....ってその体...」
「ん、ああ。ちょっとな」
うわぁ....よく見たら全身紫の血まみれじゃねぇか....
あとで拭いとかないとな....
「それとソアラ、よくやった」
「がんばりました!」
あそこで魔法を撃てたソアラはもう称賛ものだな。
実際ソアラがいなかったら二人とも危なかっただろうし。
「....で、素材は?」
塵となって消えていく[ジャイアントスパイダー]を見ながら聞く。
「ん....と、多分アレね。うわ...気持ち悪い」
「目玉だからな」
「......はい」
「待て待てアルト持ってくんなッッ!!」
ったく....袋の中が目玉でいっぱいだぜ...
「....にしても、フロアキーパーって結構いるんだな」
「は?フロアキーパーは一体ずつしか湧かないわよ?」
「....................うん?」
ということは、さっき幼兵供が必死に倒してたのはフロアキーパーではなかったというわけで.....
「....後ろか」
「な...なによアレ!?」
キーパーエリアの奥、階段付近より起き上がる巨大な影が一つ。
...真打登場ってか?
「お前ら...こっからが本番だぞ、気ぃ引きしめろ!」
「何いってるのよ!?」
「フ...フロアキーパーは倒したんじゃないんですかぁ?」
「いや...アイツが本当のフロアキーパーだ」
[アイアンゴーレム]、ランクE、レベル25。
見たことないな....噂の新種か....
さて、どう戦ってやろうかね?
重くて一回消えて発狂寸前でした((汗