第26話 遭遇。
〈ダンジョンゲート〉に入ると同時に、手元にあったチケットから白い光が漏れる。
一瞬輝いたチケットは、すぐに光の塵となって空中に消えていってしまった。
........うん?
「使い捨てなの....コレ?」
「そうよ」
さも同然のように答えるリース。
いや、だってこれ一枚3万ゴールドだぞ?
えーと四枚使ったから.....
「....ノルマ20万以上」
「結構ハードル高いですね...」
それ以上にチケットが高すぎるわ...
「これぐらい儲けなきゃやってらんねぇぜ...」
ま、モンスターの素材がどれくらいで売れるかにもよるけどな。
〈ダンジョンゲート〉を少し進むと、床や壁の石英が無くなり、岩がむき出しの状態になってきた。
あたりも少しずつ薄暗くなっていき、今や5メートル先も見えない程だ。
「それっぽくなってきたな....お?」
4人で薄暗い通路を歩いて行くと、下へと続く階段が見えてきた。
「フロア1への階段ね。...アンタちゃんとマニュアル読んでるんでしょうね?」
マニュアルというのは[探求者心得]の事だろう。
そういや詳しく読んでないな....えーとなになに?
ダンジョンは深さの度合いでフロアという区切れがなされており、フロア間は階段で繋がっている。
フロアを下がって行くごとにモンスターの強さは上がっていき、最下層は確認されていない....か。
「ってことはこの下がフロア1、最もイージーな階層ってことか」
「そうよ」
「ほぅ....そんじゃま、行こうぜ」
マニュアルをポケットにしまい、階段に向かって歩き出す。
「アルトちゃんっ!壁なんて見てないで行きますよっ、置いてかれちゃうっ...」
「ん.....」
「ちょっと遅いわよ!!早くしなさぁい!!」
「壁っ!壁がどうしたんですかっ...!幽霊!?幽霊でも見えてるんですかアルトちゃん!?」
......なんなんだお前ら。
*****
結構降りたな....ビル3階分ぐらいか。
階段を下りきると、また新たな通路が現れた。
縦横8メートルほど、随分小さくなったもんだ。
床や壁は石レンガで出来ており、割とキレイな印象を受ける。
「あれ....ここ明るいな?」
ダンジョン内には松明などは存在しないが、妙に明るく感じられる。
「空気中に特殊な魔力が溶け込んでいるらしいです。ダンジョン内でしか確認されてないものらしいです...」
「ほえー...凄えなぁ」
「ほら、さっさと行くわよ」
「んだよ....そそっかしいなぁ...」
のしのしとダンジョンを突き進んで行く幼兵供に着いて行く。
これ....立ち位置逆じゃね?
「.....お、その帽子、付けてきたんだな」
「ん.....?」
前を歩くアルトの頭に、昨日譲ったニット帽が被せられていた。
アルトの長い銀髪とよく馴染んでいる。
「似合ってんよ。俺よりアルトが持ってた方が良かったな」
まあ、この世界にこういう帽子は流通してないんだがね。
「.....ありがと」
「ねえーっ!!モンスターいたわよーっ!!」
「おっ?」
いつの間にか結構先を歩いていたリースからドでかい声が飛んでくる。
アルトとアイコンタクトを交わし、リースのもとに走って行く。
ついに戦闘か....腕がなる。
ダンジョンには新種が出るって聞いたし....どんな強いモンスターが出るんだろうな....?
久しぶりだ、存分に戦ってやるぜ!!!!
「さあ行くわよ!!この凶悪なモンスター!!」
「あわわ....エ、エイトさぁん....」
剣を抜き、今にも目の前のモンスターに飛びかからんばかりのリース。
その横で、ソアラはおろおろしながら俺とリースを交互に見ていた。
「待てリース!!どんな危険なモンス....ター?」
『ぷるん』
.......そうか。
まだフロア1だし、そんな強いヤツはいないか...
期待した俺がバカだったな....
「ほら!行くわよエイト!」
「ああ....頑張ってくれ〜」
『ぷるるん』
半透明、緑色の体を震わせる1メートル弱のモンスター。
全モンスターにおいて最有名にて最弱。
[グリーンジェル]とのエンカウントだった....
すみません日越しました...




