第22話 鎧。
プラスチックケースをフローリングの上に勢いよく置く。
やべ、傷付いてないかな?
「だぁぁ...疲れた....」
「.....おかえり」
一足先に帰っていたアルトが、心配そうな顔で俺の元に駆け寄ってくる。
そんな顔すんなら手伝ってくれよ...
「ほら、鎧だ。お前らもこい」
「遅いわよ、全く...」
「鎧までいいんですか?」
「どうせ使ってないしな....オープンセサミっと」
ソファの上で遊んでいたリースとソアラを呼び、ケースを開ける。
ちょうど三つ、鎧が入っていた。
「んあ.....どれがいい?」
幼兵供に自分たちで決めさせてやる。
「私は.....うーん....ソアラは?」
「えっと....これがいいです....お、重いです...!!」
「それね...アルトは?」
「......どっちでも」
「じゃあ私はこれにするわ。はいアルト」
「ん....」
リースは機動性を重視した紅い〔疾風の鎧〕、ソアラは魔力供給補助能力を持った蒼い〔幻零鎧〕、アルトは防御力重視の〔ヴァウアーマー〕をそれぞれ選択した。
うん、いい組み合わせだ。
〔疾風の鎧)はサポーターのような鎧で、必要最低限の部分しか防護されていないので素早さに長けている。
〔幻零鎧〕は精霊の加護がかかっており、魔法を発動する際の魔力消費が抑えられる。
〔ヴァウアーマー〕は厚い金属でできた鎧で、軽い攻撃ならある程度弾けるという強力な鎧だが、反面、重いという欠点がある。
リースが前衛、ソアラが中衛、アルトが後衛だな...アルトが敵を牽制しつつリースが....
「エ...エイトさんッッ!!!」
「あっハイ!?」
ソアラの声で我に帰る。
しまった...一回考え出すと止まらないんだよなぁ...
「アルトちゃんが大変ですっ!!」
「アルトがどうし....ハッッ!?」
ソアラが指差す方向を見ると、鎧を着ようとしてその重さに耐えられなくなり倒れそうになっているアルトと、それを懸命に支えるリースの姿があった。
「アル....ト....早く....立て直して...っ」
「お、お、お、おと...と」
「バカ!!あぶねぇだろ!!」
急いで2人の元に駆け寄り、アルトの体を支え起こし、鎧を脱がす。
ったく...あのまま倒れてたらリースが伸されてたぞ?
「はぁ....はぁ...アルト、大丈夫?」
「ん.....」
「いいか?お前らにまだこの鎧は着れない」
まあ説明しなかった俺も悪いんだが、大人サイズの鎧を着ようとするのも大概だろう。
「お前らにこの鎧はデカすぎる。明日には着れんが、その次までにこの鎧を調整してもらう」
「どこでよ?」
「知り合いだ」
鎧、武器、家、材料さえあれば何でも作れるようなヤツを、俺は知っている。
サイズが合わないこの鎧を、そいつのとこで幼兵サイズにしてもらうつもりだ。
明日には着れないだろうが、なんせ契約期間は一ヶ月もある、気長に行こうぜ。
「いいな?だからまだ鎧は着ちゃ...」
「あっ、重っ、倒、れ、ますっ!エイトさぁぁん!」
「ソアラちゃん聞いてましたかぁッッ!?」
なんか中二病っぽくなってしまった....




