第19話 風呂。
あの後、なんとかフォーナさんを落ち着かせ、何故か4人でお風呂に入る事になった。
そういえばエイトいつの間にか消えてたわね...
「リースちゃん?」
「ひゃいっ!?」
ああ、フォーナさんか....
いきなり声を掛けられたからびっくりしてしまった。
「どうしたの?何か考え事?」
「う、ううん...なんでもないわ....」
少し声が震えてしまった...
さっき見たのが強烈だったからかな....
この人、少し苦手かも...
「リースちゃん、ちょっと詰められます?」
「あ、ごめん」
「.........おぅふ....」
後から体を洗ったソアラとアルトが湯船に入ってくる。
この家の風呂、無駄に広いので4人が向かい合って座っても十分な広さがある。
「さっきはごめんね?少し取り乱しちゃって」
フォーナさんがにこやかに笑いながら言うが、目に光が灯っていないので少し怖い。
「大丈夫...」
「私、こんな風貌だからなぁ....みんな怖がっちゃうんだよね...」
さっきの行動を見過ごせば、フォーナさんはただの女の人にしか見えない。
ただ、随分とエイトに執着してるようだったが。
「フォーナ...さん。エイトさんとはどういった関係なんですか...?」
左側に座るソアラが口を開く。
「命の、恩人。私に生きる意味を教えてくれた人なの」
浴室で少し反響して聞こえるその答えは、少し切なく、力強く聞こえた。
やっぱり、そんなに悪い人じゃないのかも....
「そうなんですか...」
「うん。だからかな...エイトさんの事になると少し自分を抑えられない時があって....」
それがさっき起きたような状況...
本人だってあの状態を望んでいる訳じゃないんだろう。
この人、本当にエイトのことが好きなんだろう。
そう思ったら、自分の中によく分からない感情が生まれている事に気が付いた。
なんだろ、この気持ち.....
「あ、でも大丈夫。あなたたちの事は信用してるし、仕事仲間ってちゃんとエイトさんから聞いた」
にこやかに言うフォーナさんだったが、次の瞬間、少し瞳が濁って。
「ただ、エイトさんに変な事したら、臓物撒き散らして地に倒れ伏す事になるかもよ...?」
「......」
やっぱり、この人ちょっと苦手だ。




