第18話 潜伏者。
「ちょっと!!離して!!やめて!!」
あれ。
これって結構異常事態?
流石に俺も焦り始め、幼兵供の悲鳴が響き渡る風呂場へと走って向かう。
「大丈夫か!?」
「エイト!」
「エイトさんっ!」
そしてそのままの勢いで風呂場の扉を開ける。
幼兵供が何者かによって掴み上げられている。
後ろを向いているので侵入者の顔を見る事は出来なかったが、侵入者の脇に抱えられているリースと目が合った。
ここで俺は勇敢にも、侵入者に警告を発しようとしたのだが...
「この不審者!!そいつらを離s」
「入ってくるんじゃないわよッッッ!!」
「ぐわぁ!?」
すぽこーんっと、リースの投げた洗面器に顔面を持っていかれ、脱衣所にうずくまる結果となった。
そっかー。
風呂場だから裸だもんね。
でも俺未発達の子供に興味はないよー。
「......エイト?」
俺の声を聞いた侵入者は、幼兵供を抱えたままゆっくりとこちらを振り返ってくる。
徐々に見えてくる侵入者の顔。
徐々に見えてくる幼兵供の尻。
「ちょっ!アンタ離しなさいよ!!」
「エイトさんっ...!見ないでぇ...!」
「..........」
うーわコレどうすりゃいいの。
目を背けるような場面じゃないしなぁ...
かと言ってこのまま見続けるのもどうかと...
「....エイト....さん?」
そんな事考えてる間に露わになる侵入者の顔。
目の下のクマ、死んだ魚のような目、吸い込まれるような長い黒髪、細くしなやかな手足....
「お前........フォーナか?」
「はい....エイトさん」
俺の顔を見るなり、フォーナは笑顔になり、両脇に抱えている幼兵供をパッと離した。
「わっ!?」
「あうぅ...」
「......」
フォーナ・テラスモンド。
俺がこの世界に来たばかりの頃、モンスターに襲われそうになっていたフォーナを助けてやった。
それから何かと俺の手助けをしてくれていたのだが....
「久しぶりだな....ってかなにしてんの?」
「エイトさんの家に不審な3人組がいたので....とっ捕まえてぶっ殺してやろうかと...」
「.....ハァ」
こいつ、重過ぎる。
出会ったばっかの時は、クマは無かったし目の輝きもあったというのに、何が彼女を変えたんだろうか...
....というか、不審なのはお前だよ。
「なんで俺の家にいるんだ」
「エイトさん長い間居なかったので....掃除や整理整頓をしていました...」
あぁ...道理で部屋が綺麗なワケだ...
「いいか、こいつらは不審者じゃない。どっちかというとお前だ」
「あら....そうなんですか?...........へぇ?」
「うっ」
マズイ。
フォーナの暗い瞳から、さらに光が失われていく。
彼女は全裸のまま、ゆっくりと俺に向かって歩を進めてくる。
「私を差し置いて....こんなクソガキ供を...ねぇ?」
「待て待て待て待て!!こいつらはそういうのじゃなくてだな...!!」
大量の負の感情を纏って歩み寄ってくるフォーナに、久しい恐怖感を覚える。
なんとかして誤解を解かないと....死ぬ。
いや殺される事はないだろうけどヤバイ。
俺はフォーナの脇から、風呂場の中が見える位置に移動した。
「お...お前ら!俺たちは変な関係じゃない!仕事仲間!そうだよn」
「見るなッッッッ!!!」
「あべしっっ!!」
セカンド洗面器、頂きました。
先日、PVが1000越えしていることに気がつきました。
皆様のお陰です、ありがとうございました。
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