第17話 悲鳴。
すいません遅くなりました。
「いてて....」
痛む額を押さえて立ち上がる。
「エイト!私たちお腹減ったの!」
目を輝かせながら缶詰に群がる幼兵供。
一言でいいから心配の言葉でも欲しいもんだぜ。
「はぁ...手ェ洗って待ってろ」
「2人とも行くわよ!」
「あぁっ、待って下さい〜」
「.......」
ドアを開け、元気に走り去って行く幼兵供を見送る。
....洗面所反対なんだけどな。
俺は夕飯の準備に勤しみますよーっと。
あいつらは勝手に彷徨っていればいいさ。
俺は何にも助言はせん。
「エイトーっ!なんだか洗面所がトイレみたいなんだけどーっ!」
「反対だ反対のドアだッッッッ!!!!!」
前言撤回。
流石にトイレで手洗いするヤツとは関わり合いになりたくないんでね。
*****
「ごちそうさまっ」
「ごちそうさまでした」
「.......」
食後。
テーブルには空き缶の山が出来上がっていた。
「食い過ぎだ.....お前ら」
プラスチックケース一杯分だぜ?
ほとんど食い尽くされちまった....
あぁ、大切にとっておいたカニ缶まで....
「残ったのは....10缶か...」
「あれ?まだあるの?」
「やらんぞ」
ふざけろ。
俺はしばらくこの10個の缶詰で生きていかなきゃいけないんだ。
ダンジョンで稼ぐって言っても、こいつらがいたらそう多くは期待できないからな...
「けちー」
「はいはい。ケチでいいですよケチで。もう帰った帰った」
「お風呂頂いてもいいですか?」
「アラ大胆ッッ!?」
ソアラも結構ガツガツくるな....
こいつらマジで半端ネェっすよ...
「あー.....あー.....分かったよ....洗面所のもう一個奥のドアだ」
「ありがとうございます、エイトさんっ」
....このソアラの優しい笑顔の裏にはなにがあるんだろうな...
怖くてしょうがねぇよ。
「ソアラやるわね!早く行きましょ!」
「リースちゃんっ!鎧は外さなきゃダメですよぉっ!」
修学旅行か、こいつらは。
鎧を脱いだ3人は、争うようにして風呂場に走って行った。
あぁ、そういや鎧渡すの忘れてたな...
「はぁ....疲れる....」
あとやんなきゃいけない事は....
テーブルに散らばった缶詰の片付け、廊下に散らばった装備の整理、あとはあいつらに鎧を.....あ、あいつら着替えあるのか?
全くやることが多くて困る...
「「きゃああああああああっっ!!」」
「はっ!?」
風呂場から幼兵供の悲鳴が聞こえてきた。
やること増やしやがって...これが子持ち主婦ってヤツか...
転んで頭打って死んでいても困るので、風呂場に急ぐ俺だった...




