第100話 ホール。
「ま、あの後色々調べてみたんだが...」
階段を下りながら、前を歩く幼兵供に話す。
「どうやら5の倍数のフロアはちょいと特殊らしくてな。馬鹿デカイ空間が広がる、〈ホール〉っつー場所になってるらしい」
「ふーん...階段はどこにあるの?」
「そこが問題だ」
ビシッと人差し指を突き立て、話を紡ぐ。
「階段はランダム生成でな。簡単に言うと、一定時間で階段が消えちまうらしい」
「え...階段、消えちゃうんですか...?」
「んあ、心配すんな。必ずどこか一箇所に常に階段が出現してるらしいから」
それに、ホールに出てくるモンスターはかなり強い。
いざとなったら俺が出るしかないな...
*****
「うわぁ....広いですね....」
「ん....」
フロア5に到着。
ホールの広さに感動する二人と、俺の後ろにいるリース。
「.....何やってんの?」
「は!?こ...こここ怖くないし!?なんてった2回目なんだからねっ!!」
.......トラウマか。
あのリースに恐怖心を植え付けるぐらいだから、この場所の恐ろしさがよく分かる。
まあ、まだモンスターの姿は見当たらないけどな....
「あ、そうだ。お前アレ使えるじゃん」
「んえ.....アレ?」
「そう、この前使ってたアレ」
「アレ.....ああ、アレね」
「そうそう。アレがあればあいつらなんて楽勝だろ?」
「.....た、たしかに!!」
単純だなコイツ.....
《フレア》一発で倒せなかったのを忘れてるんじゃないだろうか...
どっちにしろ、やる気を出してくれるのは助かるんだが。
「そうとわかればどうって事ないわ!!さあ、みんな、私について来なさい!!」
「「??」」
「はぁ....やれやれ...」
急に元気を出し、ソアラとアルトの腕を掴んでズンズン進んでいくリース。
ちなみに言っておくと、たった今俺の真横で階段の入り口が閉じ始めた所だ。
すげーな、イ◯ディージョーンズみたいに閉じるんだな、コレ。
*****
「ついに現れたわね!!私が木っ端微塵にしてあげるわ!!」
『.........』
俺とソアラとアルトの数メートル先で、一本の木に向かって宣戦布告するリースを見やる。
この二人は知らないだろうが、実はアレモンスターなんだよなぁ....
「あ...あの、リースちゃん大丈夫なんですか?」
「んん.....」
「ま、見ててみな」
心配そうにリースを見つめるソアラとアルトを宥め、俺も先の光景に視線を移す。
「ふっふっふ.....喰らいなさい....」
静かに佇む木に向かって、両手を突き出すリース。
おお、早速撃つつもりか....
「あ....あれ?あの構えって....」
「フレアッッッ!!!」
「「!?」」
ぽすんっ。
と、ホール内に響き渡る間抜けな音。
リースの手先からは、一筋の煙が立ち上っていた。
アレだ、駄菓子屋に売ってる煙のオモチャみたいなショボイヤツ。
『........?』
「......................あれ?」
あれ?じゃねえよ。
なんかもう木が可哀想になってくるレベルだわ。
この始末、どうつけてもらおうか....?
「よかったぁ....私の存在意義が守られて.....」
なんかソアラは変な心配しちゃってるし。
.....今度新しい魔法教えてやるからな.....
本編100話達成!!
ここまで続けられたことはありませんでした....
皆様のお陰です、ありがとうございます!




