変わらない想い
最後に君とあったのはもう随分と前のこと。
どうせ無理だと諦めたはずなのに、どうしてかずっと君のことが頭から離れない。
なつかしくてパラパラと捲る卒業アルバム。君の笑顔が忘れられない。
最後のページにあった住所録から君の名前を探し、封筒に書き写すと、机のなかからそっと便箋を取り出した。
何度も何度も書き直した、自分の想い。
大好きな君への強い想い。
それを正直な気持ちで書き記した手紙を出す。
返事なんかこない。
僕のことなんか覚えてすらいないだろう。そう思っていた。
でもある朝。
ふと郵便受けを見たら、可愛らしい字で僕の宛名が書いてある手紙。
裏面には、ずっと待ち続けていた君の名前が。
恐る恐る手紙を読む。
そこには、手紙をくれたことへのお礼と挨拶、君の近況と懐かしい想いでが書いてあった。
しかし、それだけだった。
そう思っていたら、もう一枚、便箋が入っていた。
そこにはたった一言、
『私も好き』
と書いてあった。
それから僕たちは文通とデートを重ね、今では新しい家族と共に、幸せに暮らしている。