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親子?

 君は死んだ後のことを考えたことがあるだろうか?

大概の人は一度は考えるだろう。


 天国のようなものがあるのだろうか?

はたまた次の世界が待っているのかと、それを不思議に思うのは当然だ。


だが、君は生まれる前の記憶があるだろうか?

また、いつの事まで鮮明に記憶しているだろうか?


 少なくとも俺は四歳より前の記憶は無い。その記憶も御漏らしをした俺を笑うおやじの顔が記憶にあるだけだ。


 それまでの意識などはどこにあるか考えてみると分からなくなるが、たまに確実に生まれて初めてやったことを前にやった気がしたりすることは無いだろうか?


 だから俺は死についての結論を出すならループ説を唱える。


 どうして急にこんなことを言い出したのかと言うと、先日見た魔物達のことを考えていた訳であって俺は決してキチガイや中二病などでは無い……筈だ!


 今日はその先日の事件のことで各訓院、合同で集会が行われている。

それにあたって報酬も出るのだがレイスは貰わないと言って俺の家にこもっていた。

報酬が欲しくないとゆうより魔物が復活することを真剣に悩んでいるように見えた。


 俺も悪魔の力を使ってやったことだから流石に報酬は貰わないが街中の様子が気になったのとおやじと話すのは気が引けるがおやじに魔物の復活のことを知らせるためにこうしてこの集会に来た訳である。


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※


 闘技場を催した建物の最上に二人の王が座っている。魔術師王の方が立ち上がり辺りが段々静寂に包まれていく。


「先日の原因不明の魔物の出現、多くの死者を出した……大変悲しいことだが、後ろを振り返ってばかりもいられん またいつ魔物が襲って来るか分からない 常に警戒を怠らぬように!」


 「おぉー!」と歓声が上がり盛り上がっている。その後も王の話が続く。


(さてと、王の元まで行くには、騎士団を当たればいいか……お!いた。昨日の女の子じゃん!凄かったなー、昨日の動き……ちょっと話してみるか)


 声をかけようと近づくと顔をマフラーのようなものにうずくめて向こうからこちらを見ていた。


「昨日魔物の腕を斬った子だよね?凄かったね」


 少女は話しかけられたことに戸惑って顔を赤くしながら「うん……」と頷く。


(人見知りなのか?戦ってるときと全然雰囲気が違うな……)


「君名前は?騎士団の一員だよね?」


「そう……騎士団のシュヴァート……」


「シュヴァートだね。よし!覚えた!早速だけど騎士王に会いに行きたいんだけど着いてきてくれる?警備が凄くてさぁ」


 半ば強引にシュヴァートを引っ張り王の元まで向かう。


「あっ……あの……私そんな権限な……あっ」


「いいのいいの!騎士団の一人が入れば皆道開けるから」


 道が開けてきてアドレはシュヴァートの手を離しそれぞれで歩き始める。


「昨日……あなた……魔物に止めさしてた……かっこよかった!」


「ああ、そうだよ。けど君みたいに凄いことでは無いから」


 シュヴァートは首を傾げたが、昨日のアドレのパンチを真似して目を光らせていた。


(強いのが好きなのかな?悪魔の力だし、あんまり勘違いされないようにしなきゃな……)


「シュヴァートはいつから騎士やってるの?」


「気がついたときから……剣持ってた……」


「生まれつき!?そんな親もいるんだな……」


「親は……いない……いるか分からない……」


「捨て子……まずいこと聞いちゃったよな……ごめん」


「ううん……悲しくは無い……」


「それで生まれつき剣を持ってたってことは剣訓院で引き取られたのか?」


「騎士王のとこでずっと訓練してた……」


「ずっと剣だけ習ってきたのか?」


「そう……」


 王の座っている間の横の扉まで辿り着く。


「ごめんな。シュヴァート。強引に連れてきて……」


「ううん……別にいい……」


 シュヴァートは事情も聞かずに扉まで来て引き返して行った。


(シュヴァート……生活は保証する代わりに生まれてからずっと剣を持たされてるんだ……それもおやじに抗議しないと)


 剣と杖の交差した絵がかかれ、朱色をベースにして金の装飾が所々にある如何にも豪華な扉に手を掛ける


 扉を開けると騎士王が一度こちらを向き、何も無かったかのように前を向く。


「おやじ!言いたいことと伝えたいことがあるんだ」


「剣を捨てたお前が今更何を言うかと思えばその年になってまだ俺に文句を言う気か?」


「ああ、一つは文句だ!騎士団のシュヴァートって女の子を奴隷みたいに扱ってんだろ?今すぐ止めさせろ!」


「シュヴァートか……あいつはいい剣を振る お前とは違ってな そんな優秀な人材を落ちこぼれの意見で無に返せと?馬鹿馬鹿しい」


「俺の意見でなくともシュヴァートの気持ちを考えたことあんのかよ?」


「あいつは斬ることが生きる意味だと言っていたぞ。生きる意味をくれた王には服従しますと言ってな」


(シュヴァート……剣を振ってしかこなかったから……やっぱりそんなの絶対ダメだ!こんな奴に言っても仕方ない。次会ったら楽しいことをいっぱい教えてやろう)


「言う気を無くしたんだがこれだけは伝えといてやる。……魔物を霧の力で討伐しても復活する。」


 少し大声で言ったせいか下までざわついているがすぐに騎士王は笑う。


 「遂には今までの我々の行動を愚弄するか?とっとと出ていけ!」


 騎士王が言った直後に他の騎士達につまみ出された。

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