喪主
掲載日:2016/04/30
「御愁傷様です」
香典を持ってくる人、みんなが口ごもりつつもそう挨拶をしてきた。
いい葬儀日和だ、ということはない。
雲が空を覆っているが、雨は降りそうにない。
少し湿っている空気は、不必要なほど、空間を重く演出している。
わざとではない。
だが、そうとられてもおかしくない。
俺は喪主として、ずっと葬儀にたずさわっていた。
それも、今日でひと段落つく。
墓の相談や、遺産相続やは、まだまだ話し合わないといけない。
それも火葬してからだ。
喪主は大変だ、香典を受け取りながら、俺はそうぼんやりと考えていた。




