プチ・プラ
四人は、主にラインで連絡を取り合ったが、予定が合うときは、駅ビルのカフェ・チェーンやドーナツ・チェーンに集まった。おしゃべりの話題は、魔法に関するものが多かったが、それ以外にも、恋愛の話などもした。
四人の中で、彼氏がいるのは由香理だけで、しかも同棲中とのことだった。
「同棲ってどんな感じなんですか?」
と聞く香織。
「別に普通だよー。慣れちゃえばね」
と由香理。
そんなガールズ・トーク。話の流れは、はたから見れば、まったく読めない。そういうもんだって思いません?
そんなわけで、何故か、胸の話にもなった。
由香理が、
「香織ちゃんって、結構胸、あるんだね」
「そういう由香理さんだってー」
「ほんと羨ましいよ、二人とも」
とは典子。
「そうですよねー」
と茉莉奈も同意する。
茉莉奈は、胸は平均的なJKくらいという感じで、典子もJDにしては控えめな方だ。
というように、彼女たちのトークは、脈絡がない。そんな気分だ。
ファッションの話にもなった。
「茉莉奈ちゃんって、プチ・プラ好きなの?」
と、由香理が茉莉奈に顔を寄せてくる。
茉莉奈はそれに反応したのか、ちょっと顔を赤くして、
「あ、はい。そうなんです。ジー・ユーとかキャン・メイク、大好きで」
「何ですか、プチ・プラって」
と香織が疑問をぶつける。
「プチ・プラは…そうね、安くてもお洒落で可愛い、洋服や雑貨などのことね」
由香理が答える。
「あ、プチ・プライスの略なんだって、ネットで見ました」
と、茉莉奈もそれに続ける。
「茉莉奈ちゃん、コスメ、キャン・メイク使ってるんだ。あたしも未だに使ってるよ」
「そうなんですか!私たち、プチ・プラ仲間ですね」
と、茉莉奈がちょっと照れくさそうに微笑んだ。
茉莉奈と由香理は、こうして、特に、仲良くなっていった。