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ライン
それから四人は、しばらく話した。
由香理と紀子は、和田大学の二年生の同級生で、魔法科学部を専攻しているが、魔法を使えないこと。魔法を使える女子に、憧れを抱いていること。
茉莉奈が使った魔法は、時間退行魔法で、小さいものにしか使えず、人間を若返らせたり、時間そのものを元に戻すことはできないこと。
いろいろ語り合うと、由香理が茉莉奈に、
「ねえ、ライン交換してよ」
「あ、はい」
「私も、私も」
香織と、
「じゃあ私も」
典子も乗ってきた。
四人は、お互いにラインを交換し、グループを作った。
典子が、
「ねえ、そろそろ」
「そうね。じゃあ、私たち、用事があるから。勉強頑張ってね」
と由香理に声をかけられた茉莉奈は、前髪をピンで留めて分けているロング・ヘアーをハッとして搔き上げ、頷く。
「あ、はい」
由香理は赤いショート・ダッフル・コート、典子は黒いピー・コートを着ると、カフェの出口の自動ドアに向かっていった。