同棲
和田大学のスクールバス。
由香理と典子は、一緒に、子志駅まで帰っていた。
「明日、魔法文化のレポート提出日じゃなかった?」
「そうだった!ヤバイね、まだできてない」
そんな話をしながら、二人は駅に着いたバスを降りた。
「じゃあ、また明日ー」
典子は電車に乗り、由香理は歩いて家に向かう。
由香理は、家に着くと、鍵を開けた。
「ただいまー」
家には、先に帰っている者がいた。そう、由香理の同棲相手だ。
「宏海、もう帰ってたの。仕事は?」
「ああ?休みだよ」
「そう…」
彼氏の名は、大竹宏海。現在、二十二歳のフリーター。まあ、この所、本当にまともに仕事をしているかも怪しいものだが。
最近では、由香理が、親の仕送りとバイトの金を、ほとんど、家賃含めた生活費に当てているのが、現状だ。
由香理は、遠方の県に住む親に内緒で、宏海と同棲をしている。由香理が、今の大学二年になってからのことだ。
宏海とは、前のバイト先で出会った。宏海から迫られ、なんとなく付き合って、なんとなく同棲に至っているのが、本当のところだ。
由香理の割と童顔な顔つき(と、結構ある胸)を、宏海は気に入っているようなのだが…。