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試合なのだ!

「では、お二人とも準備はよろしいかのう?」


「はい!」


「おう!」


「では、はじめ!」


爺やにいいところが奪われた……我がやりたかったのだ!


「んじゃ、まあいっちょ行きますか! っと!」


カキンっ


「いきなりですねえ~」


「お、これを防ぐのか」


「少し手を抜いた攻撃なんて怖くないですよー」


「あちゃーばれちまったか」


ん? そうなのか? 我にはいつもの犬千代に見えたのだが……


「それにしても槍って重いですね」


「その槍を刀で受ける嬢ちゃんも嬢ちゃんだな」


「力を受け流せないと男の人には勝てませんよー」


「殿の言っていたことはどうやら本当みたいだな」


我の目の前で我が入れない世界ができている……


「いつまでの鍔迫り合いをしていても面白くないな、嬢ちゃん来な!」


「行きます! はああ!」


カンっ


「なかなかいい太刀筋だ……」


「二の太刀!」


カンっ


「くっ」


「三の太刀!」


ガキンっ


ザクっ


「槍が折れちまったな……俺の負けだ」


「折れた訳じゃないですよ」


「何! ……これは」


「すみません、切っちゃったみたいで……」


「はははははは! こりゃすごい! 殿! こいつなんて言うんだ!」


「かおるだ!」


漸く発言できたのだ……


「水無瀬薫と申します、殿様の部下になるみたいなので今後ともよろしくお願いします」


「俺は前田犬千代っていう、前田家の四男坊だ、基本的に暇してるからいつでも手合せならやってやるぜ」


「そんな事言ったら毎日いっちゃいますよー」


「それは勘弁してほしいな」


「「ははははは」」


すごく孤独感を感じる……


「儂の居た意味がなかったのう……」


「爺や!」


本当によけいなお世話なのだ!


「殿様、もしかしてまだ来ますか?」


「後一人だ!」


「部下全員じゃあ……」


「犬千代に勝ってしまったから結果は見えているのだ」


「殿、ってことは相手は勝三郎か?」


「そうだ」


「あいつ、家に帰ったぞ」


「え?」


「俺が勝ったら呼びに来いって」


なんということなのだ!


これでお終い……


我がちっとも楽しめなかった!

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