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ああ勇者、君の苦しむ顔が見たいんだ  作者: ユウシャ・アイウエオン
第一章 夢と希望の始まり(勇者マジ殺す)
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9話 予想外を受け入れるのが度量

「おーい、イノスちゃん?」


「………………………………」


「イノスー?」


「………………………………」


………………………………だめだ。


何の反応もない。


結局イノスが声を出したのはあの一回きりだった。


その後は何度声をかけても返事をしてくれない。


これはあれだな……


ツンデレだな、うん。


デレ期を待とう。


『きゅう…… イノスはご主人たまが大好きなんだからね!』


見たいなデレ期がいつか来るはずだ、うん。


格好はロリ美少女がいいな…… CVは諸星すみれでお願いします。


うん……


なんか僕、終わってるな。



さて…… アホな事言ってないで特訓の続きしよう。


あとの特訓は、補足補正と弾道補正か。


まあ、弾道補正の方はこの前のダーツ遊びの時に大体特訓がすんでるからなぁ……


後は調整だけでいいはずだ。


よし…… じゃあ補足補正の特訓をしよう。



補足補正の特訓に関しては、実は今さっき思いついた特訓方法があるのだ。


それは「スキルありきの特訓」だ。


さっきは遠視補正の特訓で、結果、僕は『万里眼ばんりがん(直視)』を得た。


特訓の結果がスキルの到達なのであれば、むしろ初めから目標とすべきスキルを決めて、それを意識しながら特訓をした方が効果的なのではないかと思うのだ。


多分だけど、完成のイメージをおぼろげにでも意識していた方がより特訓がはかどると思う。


そんな訳で、僕がこの補足補正の特訓を始めるにあたって、目標とすべきスキルを決めておこうと思う。


そのスキルの名は、ずばり『ロックオン(Ⅳ)』だ。


このスキルはまぁ、言うまでもなく対象をロックオンするスキルだ。


これは調べたところ、ロックオン系のスキルの四段階目に位置するスキルで、その中でもこのバージョン4はロックオン対象の行動予測をして、先回りで補足する優れものだ。


スキルのランク的には『万里眼ばんりがん(直視)』と同じだし、習得に必要な〔命〕の数値も満たしているから問題ないだろう。


よし…… 


そうと決まればさっそく特訓開始だ。


ええと…… 『ロックオン(Ⅳ)』の能力は、対象の振る舞いを観測して、その所作を把握して、その行動の先を予測して、その全てを補足する。


そこらへんを意識しながら、獲物を補足し続けよう。


さて…… 


じゃあ何を観察対象にしようかなぁ、


えーと……


お?


……あの娘。


あの清楚な感じで、三つ編みおさげの眼鏡の娘…… 可愛くていいな、うん。


真面目そうでかわいい。


よし……


あの娘の行動を補足し続けよう。


よし…… じゃあ補足開始と。


ええと…… 補足補正を意識して……


えっと……


こんな感じか?


ん…………?


お!


よし、いい感じ。


なんか、対象に意識が注ぎ込まれていくみたいな感覚だ。


うん…… 


たぶんこれが補足補正だと思う。


よし、じゃあ補足開始っと。


くふふ…… 


まさかあの女の子もこんな遠くの展望台から補足されてるとは思うまい。


さて、あの娘は………… あれは何をしてるのかな?


ん~と……… 


待ち合わせ?


多分…… 待ち合わせかな?


ん?


誰か走ってくるな。


どうやら彼女の待ち人みたいだ。


彼女も手を振っている。


誰だろうか?


……………………………………む?


男か。


「ちっ…… ビッチめ。」


くそ…… 眼鏡っ娘め。


純朴そうな顔をしておきながら、男を知った雌豚だったとは。


たんたる不貞。


可愛いと思った僕の純情を返して欲しい。


まったく。


がっかりだよ。


…………………………ん?


なんだ?


あの二人………… 森の茂みに………


え?


服ぬいで…………


え!?


そ、外で!?


マジで?


え…… えぇ……


お、おおぅ。


す、すげぇ……


ぅお!


そんな体位で!?





――――





「ふぅ…………」


なんだかアンニュイな気分の僕である。


ちょっとした賢者タイムだ。


いやぁ…… まさか…… なんと言うか……


大変結構なお手前でした。


結局僕は、事が終わるまで2時間もそのカップルを補足してしまった。


なんと言うか…… あのカップルはもう…… けしからん。


本当にけしかありがとうございました。


まぁでも…… 色々と収穫の多い時間だったかな。


本当は、この特訓は一時間くらいで終わる予定だったんだけど…… まぁ、結局スキルも獲得できたし良しとしよう。


なんか、補足を続けてた最後の方は、すさまじく対象に入り込んだ感じがしたし。


多分アレはスキルの感覚なのだろう。


あの、対象の全てを感覚的に把握した感じ。


恐らく、あの普通じゃない感じはスキル効果だ。


よし、これで『ロックオン(Ⅳ)』は獲得だな。


一応確認しておこう……



【スキル】


悦覧者アーカイブス』 『万里眼ばんりがん(直視)』  『ストーカー(Ⅹ)』



…………………………ん?


あれ?


え………………………… 『ストーカー(Ⅹ)』?


「あ………『悦覧者アーカイブス』…… 」


え、ええと……



『ストーカー(Ⅹ)』


ストーカー系のスキルの最高値。


対象に定めた者の全てを把握、網羅し、掌握する。


これにより補足された対象は、最早その監視から逃れることが叶わない。


ストーカー系の最終形態である『ストーカー(Ⅹ)』には、複数同時に対象を補足する『無差別モード』と、対象を殺す勢いで補足する『狂気モード』が存在する。


スキル習得の条件は、「心に深い闇を抱えていること」「補足対象を性的な目線で長時間補足し続けること」「こじれた性癖を所有していること」「狂気的な恋愛感情の持ち主であること」「命中500以上」



「……………………………………………………うん」


まぁ、結果オーライ?


御宮星屑 Lv153


【種族】 人間


【装備】 なし


〔HP〕 45/50

〔MP〕 10/10


〔力〕 765

〔魔〕 0

〔速〕 0

〔命〕 765

〔対魔〕0

〔対物〕0

〔対精〕0

〔対呪〕0


【使い魔】


イノセントスライム ミッドナイトスライム


【称号】


なし


【スキル】


悦覧者アーカイブス』 『万里眼ばんりがん(直視)』  『ストーカー(Ⅹ)』

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