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ああ勇者、君の苦しむ顔が見たいんだ  作者: ユウシャ・アイウエオン
第一章 夢と希望の始まり(勇者マジ殺す)
8/78

8話 先を見据えて努力を積む。

さて、とりあえず次のレベルアップの段階に移行する準備は整った。


ではいよいよ始めようか…… 次のステップ、魔物退治を。


……っとまぁ、その前にまだ少しだけやることがあるんだが。


それは…… 


今のこの体に慣れることだ。


はっきり行って、僕はまだ急激にスペックの上がったこの体に僕の感覚がついていけてない。


つまりは、もてあましてるのだ。


これから、魔物退治を始めるにあたってこれでは少し心もとない。


なので、この急激に強くなった僕の体を僕自身が使いこなす必要がある。


まぁ、つまりは特訓をしなくてはならないのだ。


力の方は、とりあえず全力でぶっ放せばいいだけだけど……


命中の方はそうは行かない。


何かに攻撃を命中させるという作業には、感覚的な緻密作業が必要になるからだ。


だから僕はこれから、命中の感覚を体に馴染ませなくてはならないのだ。


「よし、イノス…… 頑張ろうな」


「…………………………」


僕がそう言うと、肩に乗っているイノスはぷるぷるとするだけで、何も言わなかった。


そりゃ、そうだ。


――――


「うぉぉ…… 高ぁ」


僕は今、王国内にある展望台にいる。


この展望台は、王国絶景百選にも選ばれる王国内有数の観光名所である。


展望台は数あれど、この展望台は他と一線を画しており、なんと言ってもその高さが尋常では無い。


広い王国内において、この展望台より高い建造物は王の住むセイグリット城しかない。


つまり、一般人が見ることが出来る最も高い風景が…… このへブラスカ展望台なのである!!


…………って「王国ガイドブック~彼女と二人で楽しむ小旅行編~」に書いてあったのを『悦覧者アーカイブス』で見ました。


彼女か……


いいよ、僕にはイノスがいるから。


ね? イノス?


「…………………………………」


イノスはぷるぷるとしているだけだ。


うん、だよね。


まぁ、それはそれとして、僕がこんな高いところに来たのにはもちろん理由がある。


それは僕の765もある命中のステータスを使いこなす為だ。


同じく高ステータスを誇る、力の方はただ振るうだけである程度は効果を発揮するけど、命中のステータスに関してはそうは行かない。


もちろん感性だけで使用したとしても、かなりの命中補正が働くのだが、命中のステータスとはその内包している補正効果を意識して使えばより高いパフォーマンスを発揮することができるのだ!


………って「命中補正と私」と言うエッセイ交じりのちょっとアレな書物に書いてあった。


ちなみにその本を書いた人は、王国一の弓の名手で内容自体は優れたものだ。


そしてその、「命中補正と私」曰く、命中補正とは大きく分けて三つに分類できるらしい。


それは、遠視補正、補足補正、弾道補正の三つ。


遠視補正とは、遠くのターゲットを正確に見据えるための視力強化。


補足補正とは、動くターゲットを視界に納め続けるための反応強化。


そして、その弓の名手さん曰く一番大事な補正効果が弾道補正。


弾道補正はなんと、「命中した」と言う結果を作り出すための補正効果であり、つまりは発射した攻撃がターゲットに「当る」よう弾道が補正されると言う超常的補正効果なのだとか。


まぁ、弾道補正に関してはそこまで強い補正効果はないみたいだが…… 普通ならだけど・・・・・・



よし、それじゃあまず、手始めに遠視補正の特訓をしよう。


さて、頑張ろうな、イノス?


「…………………………」


うん、ありがとうイノス。


僕は頑張るよ。


「よし、始めるか」


僕は展望台から身を乗り出し、そしてこの高い展望台から眼下の風景を見つめる。


そして、遠くを…… より遠くを見ることを意識し目を凝らす……


そして………


そのままぼーっとしながら風景を見続ける。


ざっと、五時間ほど。


――――


ん…… ん?


うん、


よし…… 大分遠くまで見えるようになったな。


何となくコツがわかってきた。


なんというか、目の奥に力を入れるような感じで、視線を遠くに飛ばすような感覚で遠くを見ると……


視界がズズって感じで奥に広がっていく。


うん…… 多分これが遠視補正を意識するって事なんだろうな。


「よし、もうかなり遠くまで見れるぞ………………………… ん?」


ん?


あれ……?


これ、なんか…… あれ?


なんかさっきより簡単に、色んなところにピントあわせられるようになってるな。


なぜだ?


今までは見ようと思った地点に「進んで行く」感じでピント調整してたけど……


今は見たいと思った地点に「飛ぶ」感じて、すぐにピントが合わさる。


あ、なんかこれ面白い。


色んな所がすぐに見れる。


なんか凄いな。


「……………………………………………あ、まさかこれ」


僕は目を瞑って、頭の中でステータス画面を思い浮かべる。


すると、頭の中に僕のステータスが表示された。



【スキル】


悦覧者アーカイブス』 『万里眼ばんりがん(直視)』



あ………… やっぱりだ。


スキルが増えてる。


えっと『万里眼ばんりがん(直視)』か……


悦覧者アーカイブス』 で調べてみよう。


えーと…… ふむふむ。


千里眼(直視)系のスキルで遠くの情景を瞬時に捉える事ができるようになる。


万里眼は千里眼(直視)の上位スキルで視界がより広く遠く深くなっている。


千里眼(心眼)系とは違って透視は出来ない。


ただし(直視)タイプは(心眼)タイプと違って目を瞑らずとも発動できるため、使いこなせは近場を見ながら遠くを見るという芸当も可能…………… か。


……………なるほどなぁ。


つまり、高ステータスで遠視を行った結果、そう言う系の遠視スキルの熟練度が急激にあがったってことかな?


うんまぁあれだ…… 計画どおり…… だな?



よし…… まぁ、この調子で補足補正と弾道補正の特訓もさらっとこなすか。


今日中に全部、とりあえずは終わらせよう。


よし、頑張るぞ。


一緒に頑張ろうな、イノス?


「………………………………………………………………きゅ…」


イノスは相変わらず僕の肩で…………………













「え!? 喋った…………ッ!!??」


御宮星屑 Lv153


【種族】 人間


【装備】 なし


〔HP〕 45/50

〔MP〕 10/10


〔力〕 765

〔魔〕 0

〔速〕 0

〔命〕 765

〔対魔〕0

〔対物〕0

〔対精〕0

〔対呪〕0


【使い魔】


イノセントスライム ミッドナイトスライム


【称号】


なし


【スキル】


悦覧者アーカイブス』 『万里眼(直視)』

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