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57話 その②


その②ってなんだよって?


ほら…… FF10-2とかFF13-2とかあるじゃん。


そう言うの…… あるじゃん!!(更新頻度重視の結果)

王権紋を展開し、敵意が無い事をアピールしながら降下した僕とエル―。


着陸後、しばしの沈黙と緊迫を経た後に僕らを待ち構えていたのは………



「この龍はエルヴィス殿下が従えているのですか!?」


「す…… 凄い!! 龍が人間の前でこんなに大人しくしているなんて……!!」


「な…… 何か特殊な術を使っておられるのですか!!」


「今まで、ほとんどお姿が見られなかったのは、このような隠し玉があったからなのですか、エルヴィス殿下!!」


「お答えください!!」



国政関係者、及び報道関係者からの、おびただしい質問攻めであった。


「いいですか皆さん…………」


報道陣達の激しい質問が飛び交う中、クズ子な僕が質問に答えようと口を開く。


しかし……


「お答えください!! エルヴィス殿下!!」


「ほ…… 本当にこの龍は従えておられるのですか!? 本当に危険は無いのですか!?」


「これはやはり、三か月後に控える竜王祭への下準備なのでしょうか!?」


「どうなのですか!! エルヴィス殿下……っ エルヴィス殿下ッ!!」


報道陣は僕の話など聞こうとはしていない。


全員がエル―に対し、喰らいつくように質問をしている。


ちなみに、質問をされているエル―はと言うと……


「…………………………?」


完全に状況を理解できていないようであり、小さく首を傾げながら隣にいる僕の事を見上げ、不思議そうな顔をしている。


質問の事などガン無視して、「次は何をすればいいですか?」といった風の顔をしている。


うん…… 


まぁ、そうだよね。


復讐の事しか頭にない君に、気の利いた質問の対応とか出来るわけ無いよね?


知ってた。


「さて…………」


僕は、僕の事を見上げて待機しているエル―に、微笑みで返事をすると、ゆっくりと前に向き直り報道陣を見やる。


「…………皆さん、注目してください」


僕は気迫を込めた声でそう言い、報道陣の注目を集め、その視線を誘導するようにして手を空へ掲げる。


そして……


「龍よ………… 飛べ」


手と言葉で龍を誘導し、飛翔させ……


「回れ、昇れ、降りろ、右、左…… 空に向かって火を噴け」


そのまま龍を思うように操って見せたのだった。


「す……… 凄い……」


「龍を本当に…… 操ってる」


「こんな能力………… ぜ、前代未聞だ」


「これは…… 歴史が変わるぞ!!」


龍を操る僕を見て、呆然とし、戦慄し、そして羨望の眼差しを向ける報道陣。


僕は、そんな報道陣の注目を十分に集めてから……


「…………この通り、私は龍を操る事が出来ます」


ニコリと微笑んで、穏やかにそう言う。


「そして、私はエルヴィス殿下の忠実な僕…… それをまず大前提として覚えておいて下さいね?」


気高き悪魔の矜持ノブレス・オブリージュ』を併用して威圧感も演出した、飛び切りドスの効いた笑顔をみまってやる。


「さぁ………… 皆さん、色々聞きたい事もおありでしょう」


僕はそうして、「場」の空気を支配し……


「全て私がお答えします…… では順番にどうぞ」


笑顔のまま、僕のペースで質疑に応対するのだった。


――――


「…………もう質問はございませんね?」


小一時間ほどの質疑応対を終え、僕はそう締めくくる。


僕はこの質疑応対で、国民の疑問に答え、一応は疑惑の解消した。


龍を従えると言う、国民からすれば余りに途方もない力に対し、取りあえずの納得をさせたのだ。


そう…… 「龍」と言う強大な力を保有している以上、なにも説明せず悪戯に不安を煽るのは得策ではない。


なので、あらかじめ用意しておいた「適当だけど、それっぽい返答」でその場を収めたのだった。


因みに、その返答をザックリとまとめると……


まず、僕の正体は巷で噂になっている「影龍殺し」であると言う事。


僕はエル―の竹馬の友であり、幼い頃からの家臣であった事。


そして、あの「ユエルル・アーデンテイル」とも親しく、最近話題になっている「ユエの新事業」に一枚噛んでいる為、竜王祭が迫っている事と宣伝をかねて、このタイミングで姿を現したと言う事。


おおよそ三つの内容を返答をしたのだった。


まぁ、これが十分な回答で無い事は承知しているが、不足分は想像と勘繰りで補ってもらおう。


「それでは、これにて質疑応対を終了させて頂きますね」


そして僕は『気高き悪魔の矜持ノブレス・オブリージュ』で報道陣を威圧し、力技でこの場を強制的に終了させたのであった。


「どうか皆様、今後とも我が主をお引き立て下しますよう、宜しくお願い致します」


変に長引かせれば、良からぬボロが出るかもしれない。


報道陣には「龍を従える王族が現れた」と言う事実だけ持って帰ってもらえれば良いのだ。


「最後に………… 一週間後、我が主の領地、ギリアン地区は生まれ変わります」


そして……


ついでに僕らの商売の情報も持って帰ってもらいたい。


宣伝をしてもらい、是非話題にしてもらいたいのだ。


「どうか皆様…… 新たなるギリアン地区を、『新事業』を楽しみにして頂けたらと思います」


こうして僕は、再び威圧ある微笑みを添えて……


「本日はありがとうございました」


報道陣たちを無理やり返すのであった。



さて……



「ふふ………… どうやら帰られない方がおられるようですね」


僕の威圧におされ、ほとんどの人間が戻る中…… その場から動かない者がいた。


じっとして動かない者がいた。


僕はその方向に目を向ける。


エル―もそこに目を向けている。


僕らの視線の先には一人の人間と…… 一体の醜い怪物が立っていた。


「何かまだ…………」


その怪物はこちらを見やり、無言で立っている。


こちらを睨み、無言で立っている。


「質問がおありですか?」


その顔は凄まじく悍ましい顔をしている。


動揺と、衝撃と、不安と………… そして怖気がする程の怒りで彩られた顔をしている。


「でしたら、特別にお答えしてあげますよ………?」


それは…… その怪物の名は…………


「さぁ、質問をどうぞ…… エリザベート様?」


エリザベート・マーキュリーと言い……


「良ければ勇者様もどうぞ」


その側近を鳳崎と言うのであった。


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