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57話 強さの証明

※ ああ勇者、エリュシオンライトノベル大賞、応援コメント促進運動


・星屑先輩に応援コメントのおねだりをしてもらいました。


クズ先輩「…………わかっている、あれだろう? ロリ画像が欲しいんだろう?」

なんちゃってサキュバス「…………星屑?」

クズ先輩「人が無償で動かないのは当たり前だ…… 貴様等、僕秘蔵のロリ画像がほしんだろう?」

なんちゃってサキュバス「……星屑? え? なに言ってるの?」

クズ先輩「いいだろう、くれてやる。 ただしその代り、ちゃんと応援コメントにかき込めよ? 約束を破ったら…… わかるな?」

なんちゃってサキュバス「ちょ……! なに脅してるの!? まずいって!!」

クズ先輩「何……? マリア達のロリ画像もつけろだって? …………貴様等そんないやらしい目で、僕の天使達を見ているのか?」

なんちゃってサキュバス「え…!? え!? なに喧嘩腰になってるの!? 星屑!?」

クズ先輩「いいだろう、表に出ろ。 戦争だ」

なんちゃってサキュバス「ちょ……!? 星屑ぅ!! 誰か止めてぇぇっ!!」




…………応援コメント宜しくお願い致します。

「な…… 本当に…… 竜がいる」


「なっ……!? なんでこんな王国近くに竜がいるんだよ!!」


「りゅ…… 竜なんて洒落にならねぇ!!」


「嘘でしょ…… どうなっちゃうの!?」


超大型都市国家マーキュリー王国。


その上空に今、一体のドラゴンが接近している。


一体の巨大な黒龍が飛来して来ているのだ。


ドラゴン…… 


それは、血と恐怖に彩られた数多くの逸話を持ち、数多の命を奪い破壊の限りを尽くしてきた存在。


最悪の災厄をまき散らす、恐怖の象徴。


この世界の人間にとってのドラゴン、それは…… すなわち絶望を意味している。


「くふふ…… いい眺めだ」


そんな、誰もが恐怖する存在であるドラゴン。


人という存在の遥か上を行くドラゴン。


そのドラゴンの更に上に立ち、僕はそこから人間を見下ろす。


恐れおののく人間共を見下している。


「素敵な景色だと、思わないかい? エルー?」


そして、そんな僕の隣には…………


「よく………… わからないです」


綺麗な衣装を身にまとった、幼女と見まごう美少年…… エル―の姿があった。


「ふふ…… まぁ、君にこういう愉悦はわからないか」


そう……


エル―には分からないのだろう。


こう言った、「悦に入る」と言う気持は。


まぁ、そもそも、ほとんどの感情を理解できないのだろうが。


なにせ彼の場合、人としてのおおよその感情は、もう、すでに擦り切れているのだから。


擦れて千切れてすり潰されている…… そう、欠落しているのだから。


だが……


「エルー…… いいんだよそれで」


だがその代りに、彼にはたった一つの本物が残っている。


「君はそれでいい」


千切れ擦り切れた数多の感情とは一線を画す…… 決して壊れなかった強い強い想いがある。


「なぁ、エル―」


「…………何でしょう?」


それが何かは…………


「いい、復讐おもいでにしような」


最早言うまでもない。


僕は………


「……………………はい」


ゆっくりと返す、彼の甘い笑顔を見てそう思うのだった。


――――


「さて…… そろそろか」


滞空する黒龍の上に立ち、眼下の風景を見下しながら、僕は小さくそう呟く。


黒龍のいる上空から、遥か下にある王国前の平原には、今、数多の兵力が集結している。


国軍を始め、戦闘系ギルド、魔道系ギルドなど…… 実に多様な戦力が集結している。


戦力はそれだけにとどまらず、各種魔道兵器も集結しているようだ。


それに加え、「皇天十聖」や「青銀の大魔導士」、「武神カラブルエル」そして……………


「ふふ…… 元気そうだね鳳崎君」


伝説の「勇者」鳳崎遼生も来ている。


これは最早、マーキュリー王国の「全戦力」の集結と言って過言ではない。


「くふふ…… 壮観だね、よほど龍が怖いと見える」


いくら相手が龍だからと言って、たかが一体の魔物相手にここまで必要なのかとは思う。


だが、これこそがこの世界の住民における、正しい龍への対応なのだ。


それ程までにこの世界の人間は、過去、龍に酷い目に会わされていると言う事なのだ。


国民たちが持つ、龍に対する恐怖感は歴史を紐解いて鑑みるに、どうやらかなりの物らしい。


龍と言う存在が持つ危機感を、前の世界の危険度に当てはめて考えるとすれば……


それは恐らく「核兵器」と同等の危険認識であろう。


それほどまでに龍と言う存在は危険視されているのだ。


従って、龍がすぐ近くまで迫って来ているこの状況は、国民からしてみれば「核ミサイルを向けられている」状況に等しいのである。


であれは、この「全戦力の集結」と言う大袈裟な反応も頷ける。


そう…… 


龍と言う存在は、この世界においてそれだけの影響力を持つのだ。


「そう…… だからこその竜王祭だ」


そして、だからこそ「王族」が行う「竜王祭」が強い意味を持つのだ。


竜王祭とは「火竜」を倒した…… 災いの象徴たる「龍」を倒した初代国王に敬意を表し、次代国王と目される者が初代と同じ様に「火竜」の元へと赴く式典である。


とは言っても、近年の王国勢には「火竜」を余裕を持って討伐出来る者がいなかった為、戦力保有の観点から「火竜の巣の近郊にまで行って参拝し帰ってくるだけ」と言う、火竜討伐を形骸化しただけの行事に成り下がっているのだが。


だが、まぁ…… それでも王の即位に関しては、意味を持つのが「竜王祭」である。


そして、その「竜王祭」が持つ意味とは即ち「強さの証明」を意味している。


詳しく言えば「最強の存在たる龍にさえ怯まない屈強な王」である事を国民にアピールする意味を持つのである。


つまり、「立派な王」である事を証明する為の度胸試し…… それこそがこの「竜王祭」なのだ。


そして……


そして僕とエル―はこれから、その証明を行う。


そう…… 


エル―が「立派な王」である事を証明する為に、「竜王祭」に参加をするのだ。


勿論、ただ参加をするだけじゃない。


近年の王族の様に、ただ「参拝」するだけの形骸化した「竜王祭」では無い。


僕らがやるのは初代国王の権威の焼き直し。


そう…… 当然のごとく僕は、火竜を倒す。


ぶっ殺すのだ。


他の王族とは違い、初代の王と同じ様に「火竜討伐」と言う偉業を成し遂げるのだ。


そして…… エルーを王にする。


絶対唯一の王とするのだ。


まぁ…… 


確かに今、この国は「王権分割制」何ていう訳のわからん制度がまかり通っている。


だがしかし、それが正常な状態で無い事は国民も王族も分かっているのだ。


しかし、一度分割してしまった手前、王族達が互いの力で牽制しあっているため、上手くまとまる事も出来ないでいる。


それが今の国の現状である。


しかし、そこで初代国王と同じだけの偉業を…… つまり建国の祖と同じだけの「強さ」を示せる王がいれば話が違う。


それだけの力を持った王が…… 


絶対的な「強さ」を持つ王がいるのであれば、最強の存在たる「龍」ですらもしのぐ強さを持つ王がいるのであれば……


他の王族も、何より国民が「次代の王」であると認めざるをえない。


王とならざるをえない。


要するに…… 


僕らが「竜王祭」でぶっちぎり、誰にも文句を言わせないだけの力を示す。


そうすれば王になれるのだ。


だが…… 


それは他の奴らも同じである。


エリザベートやマスタングも同じなのだ。


奴らもまた、近年の王族等とは違い、「龍を倒せるだけの武力」を持った王なのである。


エリザベートの保有する「勇者」や、マスタングが従えている「青銀の大魔導士」などは、十分に龍を倒しうる戦力であるのだ。


故に、ただ普通に「竜王祭」に参加するだけではいけない。


必勝の策を練らねばならないのだ。


「さて…… それじゃあ、先手をうっておこうか」


僕はそう言って、自らの姿を変化させる。


束縛無き体躯(フリーダム)』で設定しておいた、別の姿へと自分を変身させる。


これから、エル―が「竜王祭」に参加するにあたり、その主戦力として彼に付き従う配下。


そう言った役割を演じるための姿に、僕は化ける。


そして、その姿とは……


「我ながら良い出来だ…… どっからどう見ても絶世の美女、ふつくしい」


そう、この美女の姿である。


男であるエル―に付き従い…… そして、同じく「竜王祭」に参加するであろう鳳崎から姿を欺くための姿。


それがこの美女形態。


美麗なる、御宮星屑女形態。


通称クズ子である。


「よし、それじゃあエル―、王権紋を展開してくれ」


「はい…… 我がマイマスター


僕がエル―にそう言うと、エル―は前方に向かって手をかざし、そして輝く魔導紋章を展開する。


先王が定めた「王権分離制」により、王と認められたものが持つ、王権の証明…… 


それこそがこの紋章、即ち「王権紋」である。


この「王権紋」は、先王が偶然見つけた古代文明の産物らしく、非常に高性能な証明紋章であるらしい。


なんでも、特殊な古代文明の暗号により構築されているため複製が出来ず、対象の魂に融合するタイプの紋章の為、他人に渡したりする事は出来ない様になっている。


さらには紋章保有者の死後に、紋章自体が継承条件に適した者を自動で選択し乗り移る、後継選別機能を持ち、加えて紋章を持つものが他の紋章保有者を殺害した場合に、殺した側の人間の紋章が自動的に時代継承者に継承されてしまう、継承者同士の殺し合いを抑制する機能もあるらしい。


つまり「複製不可」、「譲渡不可」、「継承者自己判断機能」、「暗殺防止機能」を保有していると言う…… 正にこの「王権分離制」を行う為にあるような、あつらえた様に高性能な古代紋章である。


しかし、「暗殺防止機能」があるのにエル―をあそこまで痛ぶるとは…… エリザベートが愚か過ぎて、最早何も言えんな。


まぁ、とにかく…… 


この紋章があれば、どんな状況であろうと王族として認めて貰えるのだ。


先王が定めた法律により、全12種の紋章の記憶は全国民に義務付けられている為、その認知度は極めて高いのだ。


従って、この龍に乗ったまま「王権紋」を展開し降下すれば、「龍を従えた王」として国民の目に移る事だろう。


そう、つまり「最強の王」として国民の目には映る事だろう。


「さぁ、そろそろ降下しよう…… 主役の舞い降りる時間だ」


そして…… これこそが一つ目の策。


僕のうつ「竜王祭」への先手だ。


最強の存在たる龍を従えて、その上に乗り、地上に降り立つ。


この「龍を従えて降り立つ」と言う衝撃的な光景は、国民のエル―に対する認識を、「強い王」であると強く刷り込む事になるだろう。


そしてこの刷り込みにより、僕らは他の王族よりも、「強さの証明」で一歩抜きんでる事が出来る。


更にこの「強さの証明」は、僕らがこれから始める「商売」に対しても良い宣伝となる。


何より…… 


万が一「龍を討ち漏らした」時の保険にもなるのだ。


間違いが起こり、鳳崎が僕より先に龍を討伐してしまった際の、言い訳のネタになるのだ。


そう…… 


これにより「既に龍を従えているから、討伐は譲ってあげたのだ」と言う、説得力のある弁解が成立するのだ。


つまりこの時点で……



「ぉ…… おい!! あれ見てみろよ!!」


「あれ…… 『王権紋』じゃない!?」


「あ…… あの紋章はギリアン地区の…… エルビス様の紋章だぞ!!」


「す…… 凄い!! 凄いわ!! 龍の上に乗って平気なんて……!! 龍を乗りこなしてるの!?」


「凄い!! 龍を従えてるなんて!! 龍を…… 神よ!!」



国民が、龍とエル―の組み合わせを認識した時点で、僕等の「負け」は無くなったのだ。


「くふふふ…… さぁ」


とは言え、これはあくまで策の一つで、所詮は保険に過ぎない。


そして僕の策は、当然一つでは無い。


「エル―にひれ伏せ…… 愚民共」


僕が用意する数多の策で…… 僕は必ずエル―を勝たせて見せる。


そう…… 絶対に勝つのだ。


負けはあり得ない。


何せエル―には…… この僕がついているのだから。


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