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ああ勇者、君の苦しむ顔が見たいんだ  作者: ユウシャ・アイウエオン
第二章 新たなる自分への転生(人間やめよう)
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29話 混ざり合う友情

前話でツッコミが沢山あったので、ここで返信します。



ツッコミ1


Q ベルゼバブって漫画で、本当はベルゼブブでは?


A ベルゼバブでも間違いではないのですよ。


ちなみに英語表記するとBeelzebub となり、そのまま読むとベルゼブブと読めるのですが、これの発音記号は……


biélzɪb`ʌb となり、実際に聞くと ビィルジバァブ 見たいに聞こえるのです。


なので自分はベルゼバブの方が正しいと思ってます。


加えて、この作品におけるベルゼバブは「魔界の王」と言うよりは「ラストダンジョンの雑魚キャラ」的な位置づけなので、その区別の意味もあります。



ツッコミ2 


Q ベルゼバブでスライムとか「スライムに転生した件」とかぶってる。


A ごめんなさい、その小説の存在をしりませんでした。


くそう、二番煎じであったか。


ですが、うちの主人公はそのうちベルゼバブでもなくなるのでこのまま行きます。


まぁ、向こうのはスキル名で、自分のは種族としてだから問題ないでしょう。



ツッコミ3


Q カーニバル、百人以下だと弱くなるじゃん。


A 説明不足でした。


カーニバルは100人以下だと発動しないのです。


少ない人数では出来ない祭りなのです。


ちなみに一般的なグールは20人くらい食べた段階で討伐されるので、このスキルは実質発動しません。



いつもご愛読いただいてありがとうございます。

「スライムの生態について」 アドールド・シュワルサー


………スライムには序列あがある。


その序列とは、生命の危機に瀕した最、どのスライムを生かし、どのスライムを殺すかと言う生殺の序列である。


そして、その序列における頂点に位置するスライムとは「分裂の大元」にあたるスライムとなる。


スライムという生物は、あらゆる環境に進出し、それに時間をかけて適応し、そして繁殖してゆく生物である。


しかしスライムは、その進出した先の環境に適応できない際に、すでに適応できる環境を有する親スライムを守り、生かすという行動を取る。


それは全滅を防ぐためのスライムの生存本能といえよう。


つまりスライムと言う生物は、本能的に親スライムを上位とし、守ろうとする生物なのである。


それゆえ、分裂を何度も繰り替えし、分布を広範囲に広げたスライム群の一番大元のスライムは、必然的に無数のスライムに守られる存在……


つまりはスライムの王と呼べる存在となるのだ。


――――


「さて…… ここからが本番だ」


僕は抱きしめていたマリアを地面に下ろす。


「え?」


そんな僕を見上げるマリア。


「マリアは今、きっとこう思っているだろう…… 星屑さんってば、ついに上級悪魔になったのね、ステキ! 抱いて! ………と」


「……………………うん?」


そう…… 僕は予定どおり上級高位の悪魔になった。


この世界でもかなりの強さを誇る存在へと成り上がった。


「だが…… 実はその上級悪魔ですら僕の進化の過程でしかないのだよ」


そう、今回の僕の強化プロジェクトの終着点はベルゼバブではない。


いや…… ベルゼバブであることには変わらないのだが、ただのベルゼバブではないのだ。


ここにもう一味…… 僕は加える。


そして、それこそが今回の僕の進化の終着点。


ひとまずの完成。


そう……


そしてそれは、このベルゼバブの固有スキル……


暴食の名を冠する、この悪魔の力…… 『魔喰合(まぐあい)』によって完成するのだ。



「そんな訳でイノス……」


「……………………………」


僕はイノスをポケットから取り出す。


イノスは相変わらず何も言わずにぷるぷるとしている。


「僕は今から君を……」


「…………………………」


僕はイノスを見つめて言葉を続ける。


イノスは静かにぷるぷるとしていた。


「君の事を………… 僕は食べるよ」


「…………………………」


イノスは……


何も言わなかった。


――――


「え? イノス食べちゃうの?」


マリアが、意外そうな顔で僕にそう言う。


「星屑…… イノスの事、凄く大事にしてたのに」


そう……


僕はイノスの事をすごく大事にしていた。


何せ、僕がこっちの世界に来てから出合った、初めての心が許せる相手だ。


思い入れがないはずがない。


ぶっちゃけ、僕の脳内で練成した萌えキャラ「イノスたん」で一人ハッスルしてしまった事も一度や二度ではないのだ。


そのくらいに僕はイノスを大事にしていた……


だが……


「ああ… 僕はイノスを食べるよ」


そう。


だって、僕がイノスを使い魔にしたのはその為なんだから。



ベルゼバブの固有スキル…… 『魔喰合(まぐあい)


そのスキルを一言で言うと、それは「融合」である。


それは食べた相手を自身に取り込む力。


この力で喰らった相手を、消化しそして自分自身と魂レベルで融合して支配下に置く能力なのである。



僕は、この力を使い、イノスと交わる。


既にスライムで構成されているこの肉体に、イノスを交わらせるのだ。



そして…… それにより、僕の体はより高次元のものへと変わる。


更に強く、そして汎用性に富んだ肉体へと変わるのだ。



「さぁ…… イノス」


「…………………………」


僕は大きく口を開ける。


そして『魔喰合(まぐあい)』のスキルを起動させる。


「僕と一つになろう」


僕はイノスを……


「…………………………きゅ」


ちゅるんと飲み込んだのだった。






「……………………………む」


イノスを飲み込んだ瞬間。


僕の体の奥に、何かが染み渡って行く。


そしてそれと同時に、僕の体が根本的に変化したのを感じた。



「ああ…… これがスライムの感覚なんだな」


体が水の固まりになったような…… ぬるま湯の中で常にたゆたっているような…… そんな感覚。


これがスライムの感覚なんだ。


「え………… なにか、変わったの?」


自分の手をしげしげと眺める僕を見上げ、不思議そうにそう言うマリア。


「ああ、凄く変わったったよ」


確かに、見た目は全く変わっていない。


しかし、中身が全然違う。


大違いだ。


確かに、スライムの体にスライムを取り込んだところで何が違うのかと思うかも知れない。


だが、違うのだ。


生物としての幅が違うのだ。



さっきまでの僕はあくまで、「体組織がスライムで構成されている悪魔」に過ぎなかった。


素材がスライムと言うだけで、実際にスライムとしての能力が使えたりするわけではなかったのだ。


しかし、今の僕は違う。


今の僕は、スライムと魂レベルで交わっている。


つまり、今の僕は悪魔でありながらスライムなのだ。


しかもその取り込んだスライムは僕の使い魔。


その親和性は極めて高く、まだ取り込んで間もないのに完全に混じりあっている。


そして………… ここからが大事なところ。


僕のこの体。


悪魔の形をしているこの体の素材は、全てスライムであると言う事だ。


今までと違い、魂にスライムを宿す僕は、スライムで作られたこの体を完全にスライムとして扱う事ができるのだ。


つまり僕は「体組織がスライムで構成されている悪魔」から「悪魔の力が使えるスライム」へと進化したのだ。



それが具体的にどういう事なのかと言うと……


「え? ええっ!? ほ、星屑が二人に!?」


この様に分裂したり。


「ぅえ!? あっ ん、ぅあ!? しょ、触手!?」


この様に体の一部をデロデロにしたり姿形を変えたりできるのだ。


「んぁ! だめ!! か、かたいぃ!!」


しかも悪魔でもあるから、柔らかいだけでなく硬くもできる。


うむ…… なんと言う万能性。


これは夜のレパートリーも凄く増えそうだな。



「よし…… じゃあスライム達…… 全員おいで」


僕は、触手にねっとりされて、ビクンビクンしてるマリアを一旦放置して全スライムを呼び出す。


すると僕の元に、「きゅぅ」だの「ぎゅぅ」だの「ぎゃむ」だの…… 多種多様な泣き声のスライム達が一同に群がった。


そして僕はそれらをぐるりと見回し……


「それじゃ……


『ミッドナイトスライム』『マッスルスライム』『ホーリースライム』『グリーンスライム』『フィールドスライム』『ポイズンスライム』『マッドスライム』『ブラウンスライム』『ウッドエキススライム』『メタルスライム』『ゴールドスライム』『ウィードスライム』『アッシュスライム』『アーススライム』『ファイヤスライム』『レッドスライム』『バーニングスライム』『ボルケーノスライム』『インフェルノスライム』『フレアスライム』『ウォータースライム』『シーソルトスライム』『オーシャンスライム』『ブルースライム』『コバルトスライム』『シアンスライム』『サンダースライム』『スパークスライム』『イエロースライム』『オレンジスライム』『ウィンドスライム』『スカイスライム』『エアースライム』『クリアスライム』『ピンクスライム』『エロススライム』『ソードスライム』『ダークスライム』『シャドースライム』『バーサクスライム』『シャインスライム』『ライトスライム』『ホワイトスライム』『ブラックスライム』『スピリットスライム』『ネビュラスライム』『ラブスライム』『ムーンスライム』『サンスライム』『クラウドスライム』『レイニースライム』『ブラッドスライム』『クールスライム』『ヒートスライム』『ミートソーススライム』『デミグラススライム』『ホワイトシチュースライム』『ソイソーススライム』『ジャスティススライム』『ギルティスライム』『ポーションスライム』『スタースライム』『マジックスライム』『アクセルスライム』『スロウスライム』『ハイヤードスライム』『レイクスライム』『リバースライム』『ロックスライム』『スライムスライム』『サイエンススライム』『アンバースライム』『ボンドスライム』『ヘルシースライム』『オイルスライム』『オーブスライム』『デビルスライム』『エンジェルスライム』『ネガティブスライム』『サイコスライム』『ワインスライム』『スパイシースライム』『メイプルスライム』『キルスライム』『ファンシースライム』『アクティブスライム』『バーストスライム』『レインボースライム』『カクテルスライム』『エメラルドスライム』『ルビースライム』『サファイアスライム』『ダイヤスライム』………


……………全ていただきます」


僕はその全部をわんこそばのように食べていく。


勿論『魔喰合(まぐあい)』を発動しながら食べていく。


元来…… 


魔喰合(まぐあい)』は複数に使うべきではない。


何故なら、色んなものが混ざりすぎた魂は、統率が取れなくなり拒絶反応を起こすからだ。


そうなると、逆に弱くなってしまう。


しかも、一度交わったものはもう二度と戻れないので絶望的だ。



しかし……


このスライムは全て間接的とは言え、僕の使い魔。


その親和性はとても高い。


その上、僕は彼らスライム達の序列のトップにあるイノスを一番最初に取り込んでいる。


「げふ…… ご馳走さま」


つまりその融和性と統率性は完璧であり、尚且つ「親を守る」と言うスライムの生存本能が拒絶反応を完全に殺している。


「…………………………うん、良く馴染んでるな」


そしてそれは、この多種多様な属性が……


「僕の中で全てが一つになってる……」


反発せずに交じり合うと言う……


「くふふ、神の手記の…… 『カオススライムのレシピ』の通りだな」


神のごとき奇跡を実現したのだ。


「これが………」


さあ、完成だ。


これが今回の終着点。


「これが『完全元属性カオス・エレメント』」



さぁ、準備は整った。


さて、そろそろ遊ぼうかな?


まっててね? シルビアたん……


くふふ……

※ イノスたんは永遠に生き続ける…… 星屑の体内で。


御宮星屑 Lv1280


【種族】 カオススライム 上位悪魔ベルゼバブ


【装備】 なし


〔HP〕  7050/7050

〔MP〕  3010/3010


〔力〕 7400

〔魔〕 1000

〔速〕 1000

〔命〕 7400

〔対魔〕1000

〔対物〕1000

〔対精〕1100

〔対呪〕1300


【契約魔】


マリア(サキュバス)


【スライムコマンド】


『分裂』 『ジェル化』 『硬化』 


【称号】


死線を越えし者(対精+100)  呪いを喰らいし者(対呪+300) 


暴食の王(ベルゼバブ化 HP+5000 MP+3000 全ステータス+1000)


龍殺し(裏)


【スキル】


悦覧者アーカイブス』 『万里眼ばんりがん(直視)』 『ストーカー(Ⅹ)』


『オメガストライク』 『ハートストライクフレイム』


味確定テイスティング』 『狂化祭(カーニヴァル)』 『絶対不可視殺し(インビシブルブレイカー)


常闇の衣(コートノワール)』 『魔喰合(まぐあい)』 『とこやみのあそび』 


喰暗い(シャドークライ)』 『気高き悪魔の矜持ノブレス・オブリージュ』 『束縛無き体躯(フリーダム)』 


完全元属性(カオス・エレメント)

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