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ああ勇者、君の苦しむ顔が見たいんだ  作者: ユウシャ・アイウエオン
第二章 新たなる自分への転生(人間やめよう)
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24話 乱れる戦い

「ふぅ…… 大分減ったなぁ」


僕は遠くに見える、ハイドドラゴンの群れを見やりそう呟く。


僕がハイドドラゴンに攻撃を始めて、ねちねちねちねち数を削り続けて早30時間ほど経過しただろうか?


ドラゴンの数は既に大分少なくなっている。


おかげ様で僕のレベルも1000を超えた。


これで目的の半分は達成できた事になる。


「ふむ…… あと100匹ってとこかな?」


レベルの上昇に合わせて、一回に刈る量を増やして効率上げてったからな。


予定より大分早く終わりそうだ。


後は今回の目的を全て仕上げるだけ。


さぁ、じゃあ残り100匹は…………


「まとめて皆殺しにしようか」


――――


「よし、『ガヴィード草』に『ミストラの花』と『クロスコーの雫』が150個……… 全部あるな」


仕上げに必要なアイテムが揃っているのを確認すると、僕は早速作業に取り掛かる。


「よし……」


僕はまず…… ガヴィード草とミストラの花を一緒に食べた。


ガヴィード草はご存知の通り、ガヴィードメタルオーガが主食としている草で、強力な麻薬作用がある。


そしてミストラの花は、媚薬の材料にもなるとても高価な花で、これをそのまま食べると尋常じゃないほどムラムラする。


どちらも普通の人間がそのまま食べた場合、発狂して死にいたるほどの過激な作用がある。


とても怖い効果なのだ。


でも、まぁ僕はご覧の通り既に人間を捨ててるのでなんともない。


せいぜい、「ウリィィィィィィイィイイイイイイ!!! っさいっこうにハイってやつだぜぇぇぇええええええええ!!!」って思わず口ばしってしまう程度だ。


うん、全然普通だよ。


そんな自分に痺れて憧れる程度には普通だ。


まぁ、そんな訳で僕は今、普段より幾分テンションが高い。


で、そんな状態で僕がこれから何をするのかと言うと……


「くけけけけけけ………… 打ち落としてやるよ黒バエどもがぁぁぁぁ!!!!」


僕は右手に鉄鉱石を握り、そしてそれに熱い熱い火を灯し、そして……


「ほとばしるぜ○○トぉ、燃え滾るほどヒ○○ぉぉ!!『ハァァァーーートォォストッ      ライクゥゥゥフレイムゥゥッ!!!』ヒャーーーーーハアアアアアア!!」


僕はそう言って、思い切り必殺技を初っ端からぶっ放した。


必殺技の『ハートストライクフレイム』を炸裂させた。



『ハートストライクフレイム』


それは熱く滾る感情と、保有する全魔力と引き換えに放つ必殺技。


いざと言うときの、とっておきの必殺技。


相手のハートを焼き尽くす必殺技。


そして相手のハートを焼き尽くすとはどういう事か?


それはつまり…… 相手の心臓に対して命中補正がかかった必殺技であるという事(多分)。


それが『ハートストライクフレイム』



加えて今回も【力】と【命中】に昇格値を全振りした僕。


1000レベル越えの僕の【命中】はついに5000を超えた。


ちなみに【命中】が5000を超えると、ボーナスで『絶対不可視殺しインビシブルブレイカー』と言う命中の妨げになる不可視要素を排除するスキルが手に入る。



僕が何が言いたいかと言うと、それは要するに「とんでもなく命中補正が働いているよ」と言うことであり、つまりそれは……



「くけけけけけ!! もう『迷宵闇の衣まよいやみのころも』は意味ねぇって事だよぉぉぉぉぉ!!」


僕は、一回目・・・の『ハートストライクフレイム』を放ち、一匹目及びその後ろにいた2、3匹のハイドドラゴンを射殺す。


そして……


「ここでぇぇ!!『クロスコーの雫』を食べるぅゥゥ!!!」


僕は飴玉大の『クロスコーの雫』を食べる。


ちなみこれは、魔力を0.1%回復するという、きわめて微妙な魔力回復アイテムだ。


まぁ、この世界では魔力回復系のアイテムは貴重であるため、こんなちゃちな効果のアイテムでもある程度の需要はあるらしい。



さて…… ここで、もう一度『ハートストライクフレイム』の発動条件を思い出していただきたい。


それは……


1 熱い感情を抱く。

2 全魔力を代償に発動する。


そして僕の今の状態はこうだ。


1 麻薬でラリってて、ムラムラしてる、非常に熱い状態。(30分は効果持続)

2 全魔力0.1。(『クロスコーの雫』のストック×149)


………である。


つまり僕は今、30分の間で上限149発の……


「必殺技打ち放題の無双タァァーーーーーーーイム!! 僕TUEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!!」


と、言うわけなのだ。


くふふ……


さぁ…… 


レッツ!


み な ご ろ し 。



――――



「うげぇ……… 気持ちわるぅ……」


僕は今、宿屋のベットに寝転がっている。


今僕は、絶賛二日酔い中だ。


まぁ、正確にはクスリの後遺症なのだが。


「はぁ…… でもおかげで目的のスキルと称号も手に入ったし、良しとするか」


僕はそう言って、脳内のステータスウィンドウを開き閲覧する。


そこにはスキル蘭に『常闇の衣コートノワール』が新たに加わっており、そして称号の覧に『龍殺し(裏)』と言う文字も記載されていた。


くふふ…… 


常闇の衣コートノワール』と『龍殺し(裏)』。


この二つは今後の僕の計画に大いに役立つステータスだ。



常闇の衣コートノワール


これの入手条件は「ハイドドラゴンの血肉を食うこと」である。


基本的にドラゴンと言うのはその血肉を食べると、その力を得る事ができるモンスターなのだ。


僕の前の世界の神話で、龍の血を浴びて不死身になった戦士がいたように、この世界でも「ドラゴンを倒せば力が手に入る」と言うのは同じなのだ。


で、ハイドドラゴンを倒して手に入れられるのは元来『迷宵闇の衣まよいやみのころも』の劣化版なのだが……


まぁ、それはハイドドラゴンの屍を一匹だけ食べた場合の話しである。


そう…… 


つまり僕はあの後、殺したハイドドラゴン全ての死肉を全て喰らったのだ。


その結果。


僕の体内で蓄積した『迷宵闇の衣まよいやみのころも』の劣化版が合わさって昇華し、『常闇の衣コートノワール』へと進化したと言う訳だ。


屍を喰うことにかけては無敵の喰屍鬼(グール)ならではの技といえるだろう。


ちなみに、『常闇の衣コートノワール』の効果は『迷宵闇の衣まよいやみのころも』と同じの知覚阻害。


それの上位置換と言ったところだ。


ただ、『常闇の衣コートノワール』の形状は『迷宵闇の衣まよいやみのころも』の様にモヤなんてちゃちなものでは無く、名前通りのコート状の闇物質だ。


ぱっと見、マ○トリッ○スのあれと同じっぽい。


ある程度は形状変えられるみたいだけど。


まぁ、『常闇の衣コートノワール』をゲットできたのは嬉しいけど…… これはあくまでおまけ見たいなものだ。



僕が本当に今回欲しかったのはこっち…… 『龍殺し(裏)』だ。


『龍殺し(裏)』……… この称号は特殊な称号だ。


これは、『ハートストライクフレイム』を習得したときに、偶然アクセスできた「性愛の神の手記」…… その中に書かれていた内容の一つだ。


その内容はこれ……



「自分より100レベル以上格上のドラゴンを相手に、100秒以内に100匹以上殺害すること……」



と書いてある。


これが称号、龍殺し(龍耐性付与 スキル『ドラゴンブレス』習得 スキル『超再生』習得 スキル『竜眼』習得 全ステータス+500)の取得条件。


そして……


その手記には続きで、「自分より100レベル以上格上のドラゴンを相手に、100秒以内に100匹以上殺害すること………… そして、それにより入手できる称号『龍殺し』の取得を拒否することで取得できる特殊称号である

なお拒否する為の条件は〔拒否できる事を知りうるもの〕であると言うことだ」


…………と書かれていた。



ちなみに、この『龍殺し(裏)』で得られるスキルや上昇するステータスは何も無い。


そして、一度拒否した以上、普通の龍殺し系のスキルは全て取得できなくなる。


だが……


そんな龍殺しを投げ打ってでも惜しくない、とても有効な効果を持った称号であるのだ。


まぁ、計画上、これを使うのはまだ大分先だけど…… 


くふ…… 


使うのが楽しみだなぁ。



さて…… まぁとにかく今回も一応成功だ。


「あともう一回準備して、本当に仕上げだな」


ああ、本当に楽しみだなぁ。


くふふ………………… ん?


足音か……



「つかれたぁ……………」


そんな声と共に、僕の部屋のドアが開けられる。


そして、そこには泥だらけになって疲れた様子のマリアの姿があった。


「星屑…… ちゃんと頑張ってきたよ」


マリアは、少し眠そうな顔をしながら、マルスが運んできたスライムの培養ケースを見せる。


そこには色とりどりの宝石の様なスライム達が、キラキラと輝いていた。


「おぉ、ありがとうマリア、お疲れ様」


僕はマリアの頭をなでてあげ、ねぎらう。


「うん……」


マリアはそんな僕の手に、目を細めて気持ち良さそうにしてなでられる。


僕はそんなマリアを横目で見ながら、スライム達を見つめる。


ああ……


これは素晴らしいな。


これはまさしく、僕にとっては宝の山だ。


くふふ……


あと、少しで………


「ねぇ、星屑?」


マリアが、僕の手を引っ張って、僕を見上げる。


「ん? どうしたマリア?」


僕はそんなマリアを見下ろして微笑む。


マリアは……


「ごほうび……………… くれてもいいよ?」


頬を少し赤くして、そう小さく言ったのだった。


本当にコイツは可愛いなぁ…… でも… 


「どうしようかなぁ……」


「ぇえ!?」


僕はそう言ってしばらくじらして楽しんだのであった。

御宮星屑 Lv1069


【種族】 喰屍鬼(グール) スライム


【装備】 なし


〔HP〕  3050/1050(+2000HP分のスライムで構成)

〔MP〕  510/510


〔力〕 5845(『魂魄支配(オーバーソウル)』により1.5倍まで引き出し可能)

〔魔〕 0

〔速〕 500

〔命〕 5345

〔対魔〕0

〔対物〕500

〔対精〕600

〔対呪〕300


【契約魔】


マリア(サキュバス)


【使い魔】


イノセントスライム ミッドナイトスライム 内臓スライム(×2000) マッスルスライム 色とりどりスライムセット100個入り


【称号】


死線を越えし者(対精+100)  呪いを喰らいし者(対呪+300) 


悪鬼のごとく腐りきった者(グール化 HP+1000 MP+500 力+500 速+500 対物+500 対精+500 )


龍殺し(裏)


【スキル】


悦覧者アーカイブス』 『万里眼ばんりがん(直視)』 『ストーカー(Ⅹ)』


『オメガストライク』 『ハートストライクフレイム』 『バイタルコントロール』


魂魄支配(オーバーソウル)』 『味確定テイスティング』 『狂化祭(カーニヴァル)


絶対不可視殺し(インビシブルブレイカー)』 『完全体(パーフェクトバディ)』 『常闇の衣(コートノワール)

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