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ああ勇者、君の苦しむ顔が見たいんだ  作者: ユウシャ・アイウエオン
第一章 夢と希望の始まり(勇者マジ殺す)
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10話 戦いの前夜に絆を確かめる

「よし…… まぁ、こんなものだろう」


もう夕暮れだ…………


「さて、帰ろうか……」


展望台を降りて、宿屋に帰ろう。


――――


『ストーカー(Ⅹ)』を取得してから夕暮れまで、僕は展望台でしばらく特訓を続けた。


特訓の仕上げ…… 「アレ」を完成させるための秘密特訓を展望台で続けた。


命中の補正効果を意識して、僕のもつ怪力を意識して、そしてそれらが上手く組み合わさるように意識して、「アレ」の特訓を続けた。


そして特訓は終了した。


「アレ」は完成した。


後は……


明日、この技を本気で使ってレベル上げをするだけだ。


そして……


このレベル上げが終わった時。


僕のレベルは凄い事になっているだろう。


つまり……


鳳崎に僕が復讐する時は…… 近い。


「くふふ…… ぐふ…… けふ」


ああ…… やばい…… ドキドキする。


凄くときめくなぁ。


ああ…… 涎がでてきそうだ。


「じゅる…… くふふ…… 落ち着け…… 落ち着け僕」


まだ…… まだだ。


焦るな…… とりあえずはレベル上げが先だ。


そう…… レベル上げ……


奴を殺すのは…… その後。



「おっと…… そうだった」


明日のレベル上げに必要な者があるんだった。


帰りに錬金工房によっていかないとな。


――――


「こんばんは」


「やあ君か…… いらっしゃい」


僕はいつものお姉さんの工房に行く。


そして工房ではいつも通り、お姉さんが僕を迎えてくれた。


長い銀色の髪の隙間から除く金色の瞳が、今日も不気味で可愛い。


ああ、やっぱりこのお姉さんはいい。


普通じゃないところがいい。


あ…… そうだ。


アレを使ってみようか?


『ストーカー(Ⅹ)』をお姉さんに使ってみようかな。



『ストーカー(Ⅹ)』は普通に使えば、ただの対象捕捉スキルだ。


しかし……


それを興味ある異性に対して使えば…… 少し変わった効果を得る事ができる。


それは……


「……………………………どうした?」


お姉さんが僕の事を不思議そうに見つめる。


僕はそんなお姉さんを真剣なまなざしで見つめる。


すると……


じわぁっ……とお姉さんの情報が僕の脳内に流れこんでくる。



名前:シルビア・テストルカ


年齢:22歳


性癖:弩M(殴られるくらいの方が好き)


下着の色:穿いてない



そう…… これが『ストーカー(Ⅹ)』もう一つの効果。


興味のある異性を対象として捕捉すると、その対象の知りたい情報を盗み見ることができるのだ。(ただし性的な情報に限る)


……………………………………って、穿いてないの!?


「……どうしたのだ? 気分でも悪いのか?」


お姉さんが心配そうに僕を見てくる。


「いや、気分は最高です……」


しかし僕はそんなお姉さんの顔を見ずに、その下半身を凝視してしまう。


あ、あの下は…… ごくり。


「……え? 最高?」


…………いや、違う違う。


違うだろう、落ち着け…… 落ち着けよ僕。


これだから童貞は困る。


「あ、すみません、違くて…… お姉さんのパンツを…… あ、違う…… まだ大分違う」


「…………どうしたのだ? 本当に大丈夫か?」


いかんちょっとテンパッった。


く、くそ…… 『ストーカー(Ⅹ)』…… なんて恐ろしい能力だ。


コイツは危険だぜ…… ごくり。


と、ともかく……


「あ、大丈夫です…… えっと、それより鉄くずってありますか?」


「鉄くず? あるにはあるが?」


「どのくらい?」


「どのくらいかといわれれば…… まぁ腐るほどはあるな?」


僕はその言葉を聴くなり、懐から金貨袋を取り出す。


「それじゃあ金貨九枚分(九十万相当)、鉄くずを売ってください」


そして金貨を並べてニコリとお姉さんに微笑んだのだった。


――――


「よし、これで準備は万端だな」


がちゃがちゃと音を鳴らしながら、僕は大きな袋を引きずって歩く。


袋の中は沢山の鉄くずでいっぱいだ。


「これだけあれば、まぁ一匹くらいは倒せるだろう」


明日はとりあえず、一匹を確実に殺す。


一匹さえ殺せれば、後は何とかなるはずだ。


明日はついに戦闘だ。


頑張ろう。


「………………………ん?」


僕がそんな事を考えていると、僕の肩に乗っているイノスが僕の頬にすりすりと擦り寄ってきていた。


僕はそんなイノスに「ついにデレ期か!?」っと一瞬思いかけたが、まぁ、違う。


残念ながらこれは、イノスがただ餌を所望しているだけなのだ。


「わかったよ」


僕はそう言ってポケットから小袋を取り出し、そしてそこから角砂糖を一つ取り出す。


そう、なぜかイノスは砂糖を食べるのだ。


「ほら……」


僕がイノスに角砂糖を触れさせると、イノスはそれをとぷんと飲み込み、ぷるぷると震える。


なんとなく嬉しそうだ。


「明日はメタルオーガ狩り…… 頑張ろうな?」


僕はそんなイノス見ながらそう語りかけてみる。


「……………………………」


しかしイノスはぷるぷると震えるだけで何も答えない。


やはり…… 


昼に聞いた声は幻聴だったのだろうか?


「イノス……」


僕は肩に乗っているイノスを取り上げ、手のひらに乗せてみる。


「イノスは僕の事好きかい?」


そして僕は、気まぐれにそんな事を聞いてみたのだった。


「……………………………」


しかし、当然イノスは何も答えない。


ただ、ぷるぷるとしているだけだった。


そりゃそうか…… 


何をやってるんだ僕は……


「……………………………きゅ?」


え?











疑問系………… だと……?



御宮星屑 Lv153


【種族】 人間


【装備】 なし


〔HP〕 45/50

〔MP〕 10/10


〔力〕 765

〔魔〕 0

〔速〕 0

〔命〕 765

〔対魔〕0

〔対物〕0

〔対精〕0

〔対呪〕0


【使い魔】


イノセントスライム ミッドナイトスライム


【称号】


なし


【スキル】


悦覧者アーカイブス』 『万里眼ばんりがん(直視)』  『ストーカー(Ⅹ)』

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