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異世界から学ぶライフスタイル 〜第ニ部 愛と破滅〜  作者: カズー
第七章

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45話 防御戦

 オレは、一旦騎兵が撤退したのを見て、防御魔法を解除する。

「ファイアシェル消えろ! サンドウォール消えろ!」


 轟音と共に、周囲を覆っていた炎の障壁と土の壁がゆっくりと消え去る。熱気が薄れ、乾いた風が肌を撫でた。


 騎兵の数は、まだ百騎ほど。

 この数に囲まれれば、ひとたまりもない。だが、敵は距離を保ち、攻めて来ない。


(……警戒しているのか。オレのユニークスキルを)


 確かに、あの魔法は威力が段違いだ。だが発動条件は厳しい。短時間に多数の敵を倒さねばならず、今は使えない。


 その時、敵が後方へと下がっていった。


(諦めたか……)


 そう思った矢先、空を裂く音が耳を打つ。

「ッ!」

 頭上から矢が降り注ぎ、オレは咄嗟に鉄の盾を掲げた。だが防ぎきれず、鋭い痛みが腕と脚を貫く。馬の悲鳴が響き、数本の矢がその体にも突き刺さっていた。


 オレは歯を食いしばり、再び防御魔法を展開する。

「ファイアシェル!」


 炎が弧を描き、半円状の障壁が立ち上がる。続けざまに放たれた矢は、炎に弾かれて黒煙となり消えた。


 脚に刺さった矢を掴み、血が滲む中で引き抜く。

「うっ……!」

 馬の矢も抜き取り、暴れる首筋を撫でながらポーションを飲ませる。

「ヒッヒーーン!」

 苦しげな声を上げるが、まだ立っていられる。


 矢の雨が止むと、敵は距離を保ったまま動きを合わせて移動してくる。まるで獲物を追い詰める狼の群れのように。


(……そういうことか。オレのMP切れを狙っているんだ!)


 メニューを確認すると、確かにMPはじわじわと減り続けていた。


 オレは防御魔法を解く。

「ファイアシェル消えろ!」


 炎が消える。

(これで《オート・リカバー》のスキルで回復できるはずだ……)


 だが、再び矢の嵐。鉄の盾では防ぎきれず、矢が肉を裂く。馬も再び傷を負う。オレは慌てて魔法を展開する。

「ファイアシェル!」


 炎の障壁が立ち上がり、矢を焼き尽くす。だが馬は息を荒げ、体力を削られていく。


 敵は射程ぎりぎりの距離を保ち、こちらの魔法は届かない。

(攻撃手段が……無い!)


 オレは焦りながらも、アイテムボックスを探る。

「そうだ……あれを買っておいたんだ!」


 取り出したのは【大盾】。鉄塊のような重さに腕が震えるが、持てないわけではない。地面に突き立て、壁のように構える。


「ファイアシェル消えろ!」


 防御魔法を解除して待っていると、矢が飛来する。大盾は全てを受け止め、オレの体を完全に隠す。

(これだ……! これでMPを回復して、全開になったら攻撃に出る!)


 だが、次の瞬間。

「ッ!」

 左右から矢が飛び、腕と脚に突き刺さる。後ろを振り返れば、馬にも矢が突き立っていた。


(敵が展開したのか……! 左右から矢を浴びせてきた!)


「ファイアシェル!」


 炎の障壁を再び展開し、矢を焼き払う。だが、体に突き刺さった矢を抜くたびに血が滴り落ちる。

「うぅ……!」


 馬の矢も抜き、ポーションを飲ませる。震える手で首筋を撫でながら、オレは呟いた。

「オレの愚策で怪我をさせてすまん……」


 大盾をアイテムボックスに仕舞う。重厚な盾は、結局ただの荷物となった。


 そしてオレは学ぶ。


〈長射程武器の強さ〉


 と言うことを。

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