関真輿編著「地理と地形で読み解く世界史の疑問５５」 宝島新書 第３章 ー８－ ロシア革命
【書名・タイトル名】「地理と地形で読み解く世界史の疑問５５」
【著者・作者】関真輿編著
【発行元・サイト】宝島新書
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本文
第３章 帝国主義と世界大戦、そして戦後
世界史の流れ、ポイント
イギリスの覇権（１８１５～１９１４）
ナポレオン３世（１８５２～１８７０までフランスを統治）
クリミア戦争（１８５３～１８５６）⇒ロシアとオスマン帝国・英・仏の連合国の戦争
ドイツ帝国（１８７１）⇒ドイツの統一と大国化
アヘン戦争（１８４０～１８４２）と清朝⇒イギリスの植民地化
帝国主義と民族運動
日英同盟（１９０２～１９２３）⇒ロシアの南下政策の妨害
日露戦争（１９０４～１９０５）
第１次世界大戦（１９１４～１９１８）
ロシア革命（１９１７）
パリ講和会議（１９１９）・ヴェルサイユ条約（１９１９）
世界恐慌（１９２９）
ヒトラー（１９３３首相任命）とナチス
第２次世界大戦（１９３９～１９４５）
ロシア革命
「第２次ロシア革命」とは、第一次世界大戦中の１９１７年に勃発した、帝政ロシアのロマノフ朝から、臨時政府の時期を経て、ボリシェヴィキによる社会主義政権の成立に至った一連の革命を言う。
その前段階として、１９０５年の日露戦争のさなかに起こった第１次ロシア革命（単に第一革命ともいう）がおこり、動揺したロマノフ朝の専制政治は懸命に革命勢力を弾圧していたが、第一次世界大戦の長期化はロシア社会の矛盾をさらに先鋭化させ、１９１７年ロシア暦２月（新暦３月）のペトログラードでの民衆が蜂起してロマノフ朝が倒れ、そこから第２次ロシア革命が急展開することとなった。
★「ロシア革命」
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ロシア革命は、１９１７年にロシア帝国で発生した二度の革命、すなわち三月革命（二月革命）と十
一月革命（十月革命）を指します。
広義には１９０５年の革命も含めて、ロシアにおける一連の革命運動を指すこともあります。
三月革命（二月革命）
第一次世界大戦の敗北と社会不安を背景に、ロマノフ王朝が倒され、ケレンスキーを首班とする臨時
政府が成立しました。
この革命は、ブルジョア勢力が主体となり、戦争継続を主張する臨時政府と、労働者・兵士が組織し
たソビエトの二重権力状態を生み出しました。
十一月革命（十月革命）
レーニンの指導の下、ボリシェヴィキが臨時政府を倒し、ソビエト政権を樹立しました。
この革命は、世界初の社会主義政権の誕生につながり、ロシア革命の中でも特に重要な出来事と位置
づけられています。
その他
広義には、１９０５年の第一次革命も含めて、ロシア革命と呼ばれることがあります。
ロシア革命は、世界史に大きな影響を与え、特に社会主義運動や労働運動に影響を与えました。
日本にも、大正デモクラシーや労働運動の活発化、社会主義思想の広がりなどに影響を与えました
★「なぜロシア革命が起きたのか」
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ロシア革命は、第一次世界大戦下のロシアで、皇帝による専制政治や貧富の格差、そして戦争による
経済的困窮に対する不満が爆発したことで起きました。
特に、１９０５年の「血の日曜日事件」や、１９１７年の二月革命、十月革命（ボリシェヴィキによ
る政権奪取）が重要な出来事です。
詳細:
第一次世界大戦の影響:
長引く戦争による経済的困窮、食糧不足、戦費の増大などが国民の不満を増大させました。
皇帝専制政治への不満:
皇帝ニコライ２世の独裁的な政治に対する不満が高まり、政治的自由や代表制を求める声が大きくな
りました。
１９０５年の血の日曜日事件:
労働者が平和的に請願デモを行った際に軍隊が発砲し、多数の死傷者を出した事件は、革命運動を加
速させるきっかけとなりました。
二月革命:
１９１７年、首都ペトログラードで食糧不足や燃料不足が深刻化し、労働者のストライキや兵士の反
乱が発生。
皇帝が退位し、臨時政府が成立しました。
十月革命 (ボリシェヴィキによる政権奪取):
臨時政府の不安定さや戦争継続への不満が高まる中、レーニン率いるボリシェヴィキが武装蜂起し、
臨時政府を倒して権力を掌握しました。
これらの出来事が複合的に作用し、ロシア革命は世界初の社会主義国家であるソビエト連邦の成立に
つながりました。
★「ニコライ２世の独裁政治」
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ニコライ２世は、ロシア帝国最後の皇帝であり、１８９４年から１９１７年まで在位しました。
彼が統治した時代は、ロシア革命の勃発によって終わりを告げ、その独裁的な政治体制が批判の対象
となりました。
ニコライ２世の独裁政治の特徴は以下の通りです。
絶対君主制:
ニコライ２世は、議会や国民の意見を尊重せず、自らの意思を絶対的なものとして国を支配しました。
官僚制と警察機構の強化:
皇帝の権力を支えるため、官僚機構と秘密警察を強化し、国民の監視と弾圧を行いまし
た。
言論統制と検閲:
国民の自由な言論や情報へのアクセスを制限し、新聞や出版物を検閲しました。
民族抑圧政策:
ロシア帝国に属する様々な民族を抑圧し、ロシア化政策を推進しました。
社会的不平等:
貴族や富裕層は特権を享受する一方で、農民や労働者は貧困に苦しみ、社会的不平等が深刻化しまし
た。
これらの特徴から、ニコライ２世の政治体制は、国民の不満を募らせ、ロシア革命を招いた要因の一
つとされています。
第一次ロシア革命（１９０５年）では、ゼネスト（ゼネラル・ストライキ）が広がり、ニコライ２世
は窮地に立たされました。
その結果、彼は「十月詔書」を発布し、国会の開設や集会・結社の自由などを約束しま
したが、これは一時的な妥協であり、根本的な改革には至りませんでした。
その後、第一次世界大戦の敗北や国内の混乱が深まる中、１９１７年のロシア三月革命でニコライ２
世は退位し、ロマノフ王朝は終焉を迎えました。彼の独裁的な政治は、ロシアの歴史に大きな影を落
とすことになりました。
★「なぜニコライ２世の独裁政治を行ったのか」
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ニコライ２世が独裁政治を行ったのは、ロシア帝国の伝統的な autocratic な政治体制と、彼自身の保
守的な信念が背景にありました。
彼は、ロシア皇帝の権力を絶対的なものとみなし、議会や市民社会の要求に応えるよりも、自らの意
志を貫くことを選択しました。
また、日露戦争や第一次世界大戦での敗北、国内の経済問題、そして革命運動の高まりといった状況
下で、ニコライ２世は権力を維持するために、より強圧的な手段に訴えざるを得なかったとも言えま
す。
以下に詳細を説明します。
１. ロシア帝国の伝統的な政治体制:
ロシア帝国は、皇帝が絶対的な権力を持つ autocratic な国でした。
この体制は、長年にわたりロシアの政治文化に深く根付いており、ニコライ２世もその伝統を受け継
いでいました.
皇帝は、立法、行政、司法のすべての権力を掌握し、議会や市民社会の意見を尊重する義務はありま
せんでした.
このような体制は、ニコライ2世の個人的な信念と相まって、独裁的な政治を可能にする土壌を提供
しました.
２. ニコライ２世の保守的な信念:
ニコライ２世は、皇帝の権力を絶対的なものとみなし、議会や市民社会の要求に応えるよりも、自ら
の意志を貫くことを選択しました.
彼は、改革や民主化の動きに対して、強い警戒心を持っていました。
これは、彼が育った環境や教育、そして彼自身の性格に起因すると考えられます.
彼の保守的な信念は、ロシア社会の近代化を遅らせ、革命運動を助長する要因の一つとなりました.
３. 国内外の危機:
日露戦争（１９０４-１９０５年）の敗北は、ロシア国民の皇帝に対する不信感を高め、第１次ロシ
ア革命（１９０５年）を引き起こしました.
第一次世界大戦（１９１４-１９１８年）への参戦は、国内の経済状況をさらに悪化させ、国民の不
満を爆発させました.
これらの危機的状況下で、ニコライ２世は、革命運動を抑圧するために、より強圧的な手段に訴えざ
るを得ませんでした.
血の日曜日事件（１９０５年）や、革命運動の弾圧は、ニコライ2世の独裁政治を象徴する出来事と
して記憶されています.
４. 革命の勃発と終焉:
１９１７年の二月革命（ロシア三月革命）により、ニコライ２世は退位を余儀なくされました.
その後、ロシアは内戦状態に突入し、ニコライ２世と家族は処刑されました.
ニコライ２世の独裁政治は、ロシア革命という形で終焉を迎えました.
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