橋爪大二郎×大澤真幸対談 「ふしぎなキリスト教」 講談社現代新書 第一部 ー7- ユダヤ法、カリテート
【書名・タイトル名】「ふしぎなキリスト教」
【著者・作者】橋爪大二郎×大澤真幸対談
【発行元・サイト】講談社現代新書
【参考URL】
本文
第1部 一神教を理解する
多神教の神々は人間を超えているかのように言われているが、人間の道具にされている
⇒災害を抑えてもらったり、望みを効いてもらったりする
一神教の神は、人間中心の視点から脱している
多民族による文明、国家になると多神教ではうまくいかなくなる
⇒民族や国家を超えた普遍宗教、世界宗教が出てくる
ユダヤ教の預言者は王様にすり寄ることがなく、常に批判的・対立的であった
権力、特に国家的・帝国的な権力に対して否定的なところにユダヤ教の特徴がある
⇒権力から排斥される運命⇒反ユダヤ主義(ユダヤの権力に批判的・選民思想・排外的・偶像否定なところ)につながる
ユダヤ教の特徴
原始的な部族共同体の特徴+王を戴く発達した古代社会の特徴を併せ持つ
①寄留者
アブラハム・イサク・ヤコブの時は土地所有を許されない寄留者
部族社会と土地所有を結び付け正当化するのが旧約聖書の構成
ユダヤ社会の中心はヤハウェ
旧約聖書のメッセージ
・ヤハウェに従う義務はほかのどんな義務より重い
・部族時代の慣行を守ることは正しい
・同胞への義務を忘れるな
・ヤハウェを中心に団結せよ
社会福祉的な規定がヤハウェに対する義務としてされているのが、ユダヤ法である
社会福祉的な規定は、イエスの根底にもあり、これがなければキリスト教もなかった
★「ユダヤ法」
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ユダヤ法は、ユダヤ教の宗教法であり、ヘブライ語ではハラハー(Halakh
a)とも呼ばれます。
旧約聖書のモーセ五書を基礎とし、ラビ(学者)による解釈
や慣習法が発展した体系です。
ユダヤ法は、ユダヤ人の生活全般にわたる規律を定め、信仰と生活の両面
を規定しています。
ユダヤ法の主な特徴は以下の通りです。
モーセの律法:
ユダヤ法の中心となるもので、創世記、出エジプト記、レビ記、民数記、
申命記の5つの書から構成されています。
タルムード:
トーラーの注解書であり、ユダヤ法の解釈や実践に関する議論がまとめら
れています。
ハラハー:
トーラーとタルムードに基づいて、具体的な生活規範を定めたものです。
カシュルート:
飲食に関する規定で、ユダヤ教徒が食べて良いものと悪いものを定めてい
ます。
シャバット:
安息日のことで、金曜日の日没から土曜日の日没まで、労働を休むことが
求められます。
人道主義:
ユダヤ法には、外国人と自国民の差別をしない、奴隷制度を緩和または禁
止するなど、人道主義的な思想が含まれています。
ユダヤ法は、ユダヤ人のアイデンティティを維持するための重要な要素で
あり、現代でもユダヤ人の生活に深く関わっています
②カリテート
ヤハウェ信仰は神の前の平等を理想都市、古代の奴隷制度に異を唱える
★「カリテート」
Search Labs | AI による概要
「カリテート」は、ヘブライ語で「人道的愛」や「慈悲」を意味する言葉
です。
旧約聖書において、社会の弱者に対する配慮や、神の愛の実践として重要
な概念とされています。
具体的には、以下のような文脈で用いられます。
落ち穂拾い:
貧しい人々が、収穫後の畑で落ちた麦を拾うことを許すという規定。
ヨベルの年:
7年ごとの安息年と、50年ごとのヨベルの年では、負債の帳消しや奴隷
の解放が行われ、社会的な不平等を是正する制度。
逃れの町:
誤って人を殺してしまった者が、復讐から逃れることができる場所。
これらの規定は、カリテートの精神に基づいて、社会的に弱い立場にある
人々を保護し、公正な社会を実現しようとするものであり、現代社会にお
いても、その精神は重要視されています。
また、「カリテート」は、単なる慈善活動ではなく、神の愛を実践する行
為として、より深い意味を持つとされています。
⇒カリテートの神の愛を実践する行為がキリスト教につながる
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