ステファニー・ケルトン著 「財政赤字の神話 MMT入門」 第7章ー1- 不足しているのは実物資産だ
【書名・タイトル名】「財政赤字の神話 MMT入門」
【著者・作者】ステファニー・ケルトン
【発行元・サイト】早川書房
【参考URL】
本文
第七章 本当に解決すべき「赤字」
人はみな使い捨てであるという意識の蔓延は、雇用や賃金にとどまらず、様々な形で人々に影響を与えている
1999年以降に中年の白人アメリカ人の死亡率が急上昇した背景を調査した結果、自殺、薬物、飲酒によるいわゆる「絶望死」が大きな原因であることを突き止めた。
それはまさに経済不安が引き起こしたことである。
本当に重要なのは、安定雇用の安心感とかつて平均的収入で得られた満ち足りた暮らしを取り戻すことだ。
まっとうな雇用の不安は、経済のお金の流れにある。
社会に様々な波及的影響を及ぼしている。
誰もが必要とする医療を受けられるシステムを作るには、そのための実物資産を確保する必要がある。
制約は資金ではなく実物資産だ。
新たに医師や看護師になろうとする世代が、学生ローンに苦しまなくていいような経済を作らなければならない。
教育格差の問題は就学前に始まり、高校、さらにはそれ以降も続く。
教育の不足は、貯蓄不足の原因でもある。
全体として国の教育への支出不足は、4500万人が学生ローンに苦しみ、自由を縛られ、社会や経済で持てる力を存分に発揮できなくなっている。
⇒教育に関しても財源ではなく、いかに資源を供給できるかを考えなければならない。
⇒財源から考えると、何もできなくなるが、供給しなければならないものを財源に関係なく検討すれば、できることは沢山ある。
⇒そしてそれらの教育を受けた人は次の世代の人材になり、国力を増やしていくことになる。
インフラも不足している
⇒日本でもインフラに関しては様々な意見が出ているが、問題は投資が少ないことだ。
⇒インフラへの投資は、古くなったインフラの作り替えやメンテナンスを先延ばしにし、重大事故を起こしたり、災害時の障害になったりもする
⇒今の技術を継承することもできなくなった時、日本国内だけでは供給が出来なくなり、海外の力を頼ることになれば、大きな損失となる。
⇒資金の流れ=国内循環→輸入
⇒国内インフラは生活を支える重要なものである、
⇒国内で作り替えやメンテナンスができるようにしなければならないし、不足するようなことがあってはならない
⇒そのための投資は将来世代への贈り物であるし、財源問題で供給が出来なくなってしまってはいけない
⇒インフラ整備に無駄はない
⇒インフラ整備の予算削減で、災害被害が大きくなったり、犠牲者が出たりするのは国力の損害である
⇒災害による被害が出たときの損失を関上げれば、予算の額など大したことはない
インフラの構築は、国民の利便性を高め、命を守り、長期的生産性を高め、機会の公平性を高める
またまっとうな報酬の得られる雇用を大量に生み出し、雇用の不足を埋めることもできる
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