ステファニー・ケルトン著 「財政赤字の神話 MMT入門」 第5章ー1- 貿易と雇用
【書名・タイトル名】「財政赤字の神話 MMT入門」
【著者・作者】ステファニー・ケルトン
【発行元・サイト】早川書房
【参考URL】
本文
第五章 貿易の「勝者」
神話⑤ 貿易赤字は国家の収支を意味する
現実 貿易赤字は「モノ」の黒字を意味する
アメリカ人の多くは貿易で負けていると感じている
⇒雇用が減少する
貿易赤字自体は恐ろしいものではないし、また恐れる必要もない
アメリカは雇用を守り、コミュニティを再建するために、貿易赤字をゼロにする必要はない
政府に完全雇用を維持するために、持てる財政権力を存分に活用する意志さえあれば良い
三部門の会計等式
政府の収支+民間部門の収支+海外部門の収支=0
民間部門はできるだけ黒字にしようとする
赤字にできないわけではないが赤字になると、債務過剰になるり、最後には経済が縮小する
政府と海外部門が赤字なら、民間部門は黒字(経済拡大)になる
ただし、その黒字が公平に分配されないと不満が募る
通貨は確かに大事だが、それ以上に大事なのは物(食料、エネルギー、技術、兵器など)
通貨は政府が発行できるものだが、政府に物は作れない
人間が生活する上にもっとも大切なものは、物である
通貨はその物を購入するために必要なだけ
政府が物を購入できる通貨を発行しないと、民間は誰も物を購入できない
政府は民間から、物。サービス、労働力を得るために通貨を発行する。
政府は、民間が通貨入手の動機を与えるために税を徴収する。
税金は、通貨入手のための動機誘因に過ぎない。
またはたばこの使用などを減少させるために課税している。
通貨の信認
⇒国内では、法定通貨による徴税
国外では、物、サービスを輸出できるだけの国力
対外的に通貨切り下げという選択肢がない国は、貿易に勝つために国内的切り下げを模索する
⇒労働者コストの切り下げ
⇒賃上げをしない、安い労働者の輸入、安い労働者の導入、サービス残業、ブラック企業
関税について
⇒MMTでは経済全体として健全な収支を維持することの重要性を認めているものの、関税の多くは非生産的であると考えている
貿易赤字についての国民の不安
⇒国内工場を閉め、労働コストの安い国外へ移転することによって、国内での雇用が失われること
⇒失業は、国内経済にとって最大の敵である
⇒現役世代のみならず将来世代の未来をも奪い取る
⇒民間による労働者の失業は、政府が雇用の場を創出することである
⇒政府が通貨発行して、労働者の雇用を創出または支援することにより国力の低下(供給力の低下)を防止できる
⇒政府が通貨発行権を持っていることを理解しないと、貿易赤字に関して不要な危機感を持つことになる
所得を与え、さらに貿易ショックによって失業した人には必要な再教育を実施する
貿易政策において重要なのは、実物資源、社会の本当のニーズ、環境への本質的効果
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