ステファニー・ケルトン著 「財政赤字の神話 MMT入門」 第4章ー2- 財政赤字は国民の黒字
【書名・タイトル名】「財政赤字の神話 MMT入門」
【著者・作者】ステファニー・ケルトン
【発行元・サイト】早川書房
【参考URL】
本文
第四章 あちらの赤字はこちらの黒字
神話④ 政府の赤字は民間投資のクラウディングアウトにつながり、国民を
貧しくする
現実 財政赤字は国民の富と貯蓄を増やす
財政に関して、日本もアメリカも同じ
財政支出と財源・税収しか説明しない
⇒民間では財政支出のために仕事(雇用)があり、収入がある
⇒乗数効果により、財政支出の5倍GDPを引き上げる効果がある
⇒市場への乗数効果は数年後
クリントン政権下では、1998年~2000年に財政が黒字になった。
その後2001年にITバブルが崩壊し、景気が後退した。
★「クリントン政権下の黒字財政」
Search Labs | AI による概要
クリントン政権下の黒字財政は、1998年に達成され、2000年には
過去最大の黒字を記録しました。
これは、冷戦終結による国防費削減、経済成長、財政改革などが要因です。
しかし、2001年以降、ITバブル崩壊による景気後退やブッシュ政権
の減税政策、対テロ戦争などにより、再び赤字に転じてしまいました.
詳細:
黒字転換の要因:
冷戦終結による国防費削減
90年代後半の経済成長
財政改革 (BEA制定など)
黒字記録:
1998年に黒字に転換
2000年に過去最大の黒字記録
黒字からの転換:
2001年のITバブル崩壊による景気後退
ブッシュ政権の減税政策
対テロ戦争による軍事費増大
2001年以降、黒字は減少、2002年以降は赤字に転換
補足:
黒字化の背景には、それまで拡大していたアメリカの財政赤字に対する、
政府の財政改革努力も影響していた.
一方で、クリントン政権下では、経常収支は引き続き赤字で、双子の赤字
(貿易赤字と財政赤字が同時に発生すること) が続いた.
その後、ブッシュ政権下で財政収支が赤字となり、再び双子の赤字が問題
になった
★「ITバブル崩壊」
Search Labs | AI による概要
ITバブル崩壊とは、1990年代後半から2000年頃にかけてアメリ
カを中心に発生した、
IT関連企業の株価が急騰し、その後急落した現象を指します.
これは、インターネットの普及や、新しいテクノロジーへの期待感が高ま
っていたことから、多くのIT関連企業が設立され、投資家たちが熱狂的に
投資したことが原因です.
しかし、その後、多くのIT関連企業が事業展開に失敗したり、不正会計が
発覚したりして、バブルは弾けました.
ITバブル崩壊の背景
インターネットの普及:
インターネットの普及が進み、IT関連企業の将来性に期待が集まりまし
た.
金融緩和政策:
米国連邦準備制度理事会(FRB)が利下げを行い、市場に資金が供給さ
れたことで、IT関連企業の株価が急騰しました.
過剰な期待と投機:
IT関連企業の株価が急騰し、投資家たちが過剰な期待感や投機的な心理
で投資を増やした結果、バブルが形成されました.
ITバブル崩壊の原因
過剰な期待と事業の失敗:
多くのIT関連企業が、インターネットの普及や新しいテクノロジーへの期
待感だけで、事業計画が不十分なままに設立され、事業展開に失敗しまし
た.
不正会計:
企業が業績を過大に報告したり、不正会計を隠したりするケースが発覚し、
投資家の信頼を失いました.
FRBの利上げ:
FRBが利上げに転じると、市場から資金が引き上げられ、IT関連企業
の株価が急落しました.
ITバブル崩壊の影響
IT関連企業の倒産:
多くのIT関連企業が倒産し、多くの雇用が失われました.
経済の混乱:
IT関連企業の業績悪化は、日本の経済にも影響を与え、長期的な経済停
滞を引き起こしました.
金融市場の不安定化:
ITバブル崩壊は、金融市場の不安定化を招き、投資家の信頼を失いまし
た.
まとめ
ITバブル崩壊は、インターネットの普及や新しいテクノロジーへの期待
感が高まっていたことから発生しましたが、過剰な期待と投機、不正会計、
FRBの利上げなどが原因で崩壊しました.
ITバブル崩壊は、IT関連企業の倒産、経済の混乱、金融市場の不安定
化など、多くの影響を世界に与えました.
政府の財政赤字は、必ず非政府部門の黒字になる。
ただし、あらゆる財政赤字が幅広い国民の利益になるわけではない。
政策によっては、富裕層をより一層富ませることもあるし、国民すべてに利益になる政策もある。
政府は、国民すべての利益になる政策を実施すべきで、それは公共部門への投資が最も手っ取り早い。
ただ、財政赤字にできないことはただ一つ、非政府部門の貯蓄を食いつぶすことだけである。
国債の発行
⇒現在の取り決めでは、政府は財政赤字を出すたびに国債を発行する
⇒これは、政府が赤字を出すことにより、国債購入のために資金を作り出していると理解できる
政府は通貨の発行者なので、借り入れをするかしないかは法律で規定されているだけ。
日本でいえば財政法になる(昭和22年制定)
通貨主権国の政府(自国通貨発行者)は、支出をするために誰かから自国通貨を借りる必要はない。
国債の金利には相当な影響を与えることが出来る。
共通通貨ユーロ利用国には通貨主権はないので、クラウディングアウトが発生することもある
共通通貨利用国(ユーロ加盟国)は日本でいうならば、国は県や市などの地方公共団体の財政と同じ
同じように金本位制を取る国や他国通貨にペッグする国も同様にクラウディングアウトが起こる可能性はある
財政赤字と金利の間には何の関係もない
経済学者 ティモシー・シャープ
「資金のクラウディングアウト説は兌換紙幣の時代(1946年~1971年)、すなわち金本位制とブレトンウッズ協定に下での固定相場制という文脈の中で提唱され、分析されてきた」
⇒前提と時代が変わっているので、時代遅れの理論であり、いまだにこれを唱える人は時代錯誤の人である。
支出は資本主義の活力源だ。支出がなければ企業の顧客も、売り上げも、存続に不可欠な利益も消える
経済学者 ウィリアム。ヴィックリー
「適切な対象に向けた財政赤字は、可処分所得を増やし、産業界の生産物に対する需要を増やし、民間投資の収益性を高める」
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