ステファニー・ケルトン著 「財政赤字の神話 MMT入門」 第2章ー3- コストプッシュインフレへの対応
【書名・タイトル名】「財政赤字の神話 MMT入門」
【著者・作者】ステファニー・ケルトン
【発行元・サイト】早川書房
【参考URL】
本文
第二章 インフレに注目せよ
神話② 財政赤字は過剰な支出の証拠である
現実 過剰な支出の証拠はインフレである
2020年頃からのアメリカのインフレは、デマンドプルインフレ。
コロナの時に景気喚起策として財政支出を拡大しすぎたために発生しました。
今の日本のインフレは、コストプッシュインフレ。
ロシア=ウクライナ戦争により、石油をはじめとしたエネルギーの価格が上昇した結果発生したコストプッシュインフレ。
⇒デマンドプル型インフレとコストアップ型インフレは発生の要因が違うので、その対応策も違ったものになる
⇒同じ対応策をとると、ひどいことになる
★「コストプッシュインフレの対応策」
Search Labs | AI による概要
コストプッシュインフレとは、原材料費や人件費などの生産コスト上昇が
原因で起こる物価上昇のことです。
これに対応するためには、供給能力の拡大、価格転嫁の円滑化、需要抑制
策などが考えられます。
コストプッシュインフレへの対応策
1. 供給能力の拡大:
生産性向上:
企業は、設備投資や技術革新を通じて生産性を向上させ、より少ないコス
トで多くのモノやサービスを生産できるように努める必要があります。
規制緩和:
企業活動を阻害する規制を緩和し、生産活動を活発化させることで、供給
量を増やすことができます。
資源の安定供給:
原材料の輸入依存度が高い国では、資源の安定供給体制を構築することが
重要です。
労働力不足の解消:
労働力不足はコスト上昇の一因となるため、女性や高齢者の就業促進、外
国人労働者の活用など、労働力不足を解消する対策が必要です。
2. 価格転嫁の円滑化:
価格交渉力の強化:
企業は、価格交渉力を強化し、仕入れ価格の上昇分を適切に価格に転嫁で
きるようにする必要があります。
価格転嫁を支援する制度:
価格転嫁を支援する制度や政策を設けることで、企業が価格転嫁しやすく
なるようにする必要があります。
3. 需要抑制策:
金融引き締め:
金融引き締めは、金利上昇や資金調達コストの上昇を通じて、需要を抑制
する効果があります。
財政政策:
財政支出を抑制することで、需要を抑制することができます。
インフレターゲットの変更:
インフレターゲットを高く設定することで、需要を刺激し、経済成長を促
進する効果があります。
4. その他:
家計への支援:
光熱費やガソリン代などの生活必需品の価格上昇を抑制するための支援策
を講じることで、家計の負担を軽減することができます。
賃上げ:
賃上げは、国内需要を刺激し、経済成長を促進する効果があります。
資産運用:
物価上昇に合わせて価格上昇が期待できる金融資産や実物資産に資産を振
り向けることで、インフレリスクを軽減することができます。
コストプッシュインフレの特徴
コストプッシュインフレは、需要とは関係なく、生産コストの上昇によっ
て発生するため、金融引き締めなどの需要抑制策は効果が薄い場合があり
ます。
そのため、供給能力の拡大や価格転嫁の円滑化、家計への支援など、多角
的な対策を講じる必要があります。
コストプッシュインフレとディマンドプルインフレの違い
コストプッシュインフレとは対照的に、ディマンドプルインフレは、需要
の増加によって物価が上昇する現象です。
ディマンドプルインフレには、金融引き締めなどの需要抑制策が有効です。
コストプッシュインフレとディマンドプルインフレの違いを理解し、それ
ぞれの状況に応じた適切な対策を講じることが重要です。
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