ステファニー・ケルトン著 「財政赤字の神話 MMT入門」 第2章 ー1- 財政赤字とインフレ
【書名・タイトル名】「財政赤字の神話 MMT入門」
【著者・作者】ステファニー・ケルトン
【発行元・サイト】早川書房
【参考URL】
本文
【社会学】 ステファニー・ケルトン著 「財政赤字の神話 MMT入門」 第2章 ー1- 早川書房
第二章 インフレに注目せよ
神話② 財政赤字は過剰な支出の証拠である
現実 過剰な支出の証拠はインフレである
過剰支出はインフレという形で表れる
⇒財政赤字がインフレを引き起こしたときに、過剰な支出の証拠となる
⇒貿易赤字は需要が旺盛であり、供給が不足していることを示している
⇒需要が旺盛で国内供給で賄えないから、輸入に頼ることになり、貿易赤字となる
⇒国内供給力を向上させ、国内の需要を賄うようにするのが一番良い政策
⇒国内需要を賄うことで、失業も減らせ、さらに需要が増える好循環になる
財政赤字についても重要な論点
①通貨を独占的に発行する政府は、利用者(家計・企業・地方公共団体)と同じ制約に直面しない
②政府の財政は均衡する必要などない
⇒財政を均衡させる意味は?
⇒大事なのは国民の生活である。国民の生活を無視した財政均衡などの何の意味もない
③財政の赤字は歴史上を通じて小さすぎた
⇒失業の発生がそれを証明している
⇒過剰支出の証拠はインフレである
通貨主権を持つ国で、ハイパーインフレが発生するのは
⇒徹底的に供給力がない時
★「ハイパーインフレ」
Search Labs | AI による概要
ハイパーインフレを経験した国は、ドイツ(第一次世界大戦後)、ハンガ
リー(第二次世界大戦後)、ジンバブエ(2008年)、ベネズエラ(2
010年代~現在)、日本(戦後)などがあります。
ハイパーインフレとは、極端に高いインフレ率が継続する状態であり、通
常、月間のインフレ率が50%以上、または年間のインフレ率が数千パー
セントを超える状態を指します。
具体例:
ドイツ:
第一次世界大戦後、賠償金支払いのために大量に紙幣を発行した結果、ハ
イパーインフレが発生し、1923年には1円の価値が1000000倍
にまで暴落しました。
『供給力も大幅に棄損』
ハンガリー:
第二次世界大戦後、財政赤字を埋めるために大量の通貨を発行した結果、
ハイパーインフレが発生しました。
『ハンガリーは2度の世界大戦でどちらも敗戦しました。
場所的にドイツとロシアの間にある為、戦闘が激しい地域になります。
結果、国土が荒れ、復興に資金がひつようとなり、大量の通貨を発行。
しかし、供給は復興していないので、ハイパーインフレになった」
ジンバブエ:
2008年には、年率220万%もの物価上昇を経験し、紙幣の価値が数
ヶ月でゼロになるほどになりました。
『インフレは2000年頃から激しくなる。
政治的な不安定、経済政策の失政、国外通貨建てによる債権の発生、財政
赤字補填のための大量な通貨発行、外貨不足により発生。』
ベネズエラ:
2010年代以降、経済の混乱と政府の対応が相まってハイパーインフレ
が発生し、現在も深刻な状態が続いています。
『社会主義国、原油が唯一の資源(世界一の埋蔵量とされていた)
2010年頃から原油の価格の変動が激しくなり、原油だけの輸出に頼っ
ていたため、原油価格下落の影響は大きく、財政のために大量の通貨発行
を実施。その結果ハイパーインフレを招いた』
日本:
戦後の混乱期には、ハイパーインフレが経験されましたが、財政均衡化政
策により、1949年頃に解消されました。
ハイパーインフレがもたらす影響:
経済の混乱:
物価の急激な上昇により、経済活動が滞り、金融システムが機能しなくな
ります.
社会の不安:
貯蓄の価値が目減りし、人々は将来への不安を抱えるようになります.
貧困の拡大:
物価上昇に伴い、低所得者層の生活がますます苦しくなります.
社会不安:
経済の混乱や物価上昇は、社会的な不安や不満を招き、政治的な不安定さ
につながる可能性があります.
起きた国の例を見ると、ドイツ、ハンガリー、日本は戦後に発生していて、国内の供給力が破壊されたことにあることがわかります。
ジンバブエ、ベネズエラは経済政策の失敗により、供給力が落ちたところに通貨を大量に発行したため。
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