社會部部長「あの国の本当の思惑を見抜く地政学」 第3章 中国 引用、概略、私見
【書名・タイトル名】「あの国の本当の思惑を見抜く地政学」
【著者・作者】社會部部長
【発行元・サイト】サンマーク出版
【参考URL】
本文
第3章 中国
〇地政学的には、中国とアメリカはよく似ている
北の温暖地帯に大陸、南に海、さらにその南に大陸
北に大国が出来上がり、南を内海化する
南の大陸は自然が厳しく大国化しない
大国の支配
①北の大陸で領土拡大
②地中海(内海)の制海権確保
③南の大陸の中立化
〇アメリカと中国の共通点
アメリカ・中国ともに東に人口集中
東に潜在敵国の存在(キューバ・日本・韓国)
東に平野と大河があり、西に山と砂漠がある
海上要衝がある
⇒アメリカは大国の支配を成功させているのに対し、中国にはそれぞれに大なり小なりの問題がある
⇒中国に周りには遊牧民がいて、これが強くて大きな影響を与えてきた
〇北の遊牧民への対策
万里の長城の構築
最前線としての北京
〇ロシアと中国にはぬぐえない不信感がある
陸続きの隣国、大国同士
ここ30年で大量の中国人がロシア極東に移り住んでいること⇒紛争の要因
1960年代領土問題で関係が悪化
中央アジアに対し、ロシアは自国の勢力圏とみなしている、中国も影響力を及ぼしている
ロシアと中国の貿易で、ロシアは中国の資源供給地になりつつある
〇朝鮮半島は中国にとっても問題
アメリカの大陸への上陸地である朝鮮半島は、中国にとってもアメリカが攻め込んでくる玄関口になる
韓国と北朝鮮は、アメリカ・中国にとってのそれぞれの緩衝地帯
中国から北朝鮮への支援は、中国にとって緩衝地帯維持のために強制的にしなければならないことになった
北朝鮮への西側国の経済制裁によって、北朝鮮の暴発を防ぐため、中国が支援をせざる得なくなった
北朝鮮が核開発を続けることにより、アメリカ、日本、韓国の軍備強化を招き、中国も軍備強化せざる得なくなった。
⇒軍備強化の競争⇒米ソ冷戦の再来
〇中国の海洋進出
中国の重要地域は東側に偏っている
⇒貿易に有利⇒最前線を第一列島線と設定した
この第一列島線を構築するために問題と衝突が発生
⇒尖閣問題、台湾問題、東シナ海、南シナ海
南シナ海は、ヨーロッパと中東から東アジアまで結ぶほぼすべての船、全世界の国際貿易量の30%以上が通る世界一交通量の多い海の一つ
貿易量でいえば、マラッカ海峡(マレー半島とシンガポールの間)は世界で一番重要な海峡
南シナ海において、アメリカと中国は制海権を争っている
中国の東側の海は、東シナ海、南シナ海、日本でふさがれている
太平洋に出るルートはすべて監視されている
貿易のための海上ルートもすべて監視されている
中国にとって九州から与那国島の中で特に重要な出口が、大隅海峡(九州の南)と宮古海峡(沖縄の南)
特に宮古海峡は、上海以北の港とオーストラリアを結ぶ船が通り、中国に重要な資源をもたらしている
アメリカは沖縄を「太平洋の要石」と呼び非常に重視している
世界的にみても沖縄とロンドンは最重要地点
⇒そこから大陸のほぼすべての都市にミサイル爆撃できる距離になる
アメリカにとって日米同盟とは、沖縄・九州を占拠するための道具に過ぎない
中国が宮古海峡を安全に通行するために必要なのが、尖閣諸島になる
北極海航路ができると、対馬海峡、津軽海峡、宗谷海峡が重要な海峡になる
⇒九州北部が重要な地点となり、軍備増強がされる
日韓海底トンネルは、中国に取って戦略的にもっともまずいことになる
日本からアメリカ軍が大陸に上陸する手段が、船・飛行機だけではなく、車・鉄道も使用できるようになり、大量の軍隊が上陸できるようになる
また後方物資も日本からドンドンと輸送されてくることになる
沖縄は第一列島線の中でも、中国に取って特に大きな恐怖対象
〇台湾問題
台湾は第一列島線を破る意味でも重要な地点
台湾が取れれば、米中の勢力圏は第一列島線から第二列島線まで後退する
台湾側が勝利を得るためにカギとなる条件が日本の在日米軍基地使用の許可、実質的には日本の参戦である
隣の台湾で紛争が発生すれば、日本の国益にも重大な影響を与えるので、日本は参戦せざるを得なくなる
中国も最初の一手は、沖縄への侵攻、沖縄の在日米軍の打破(ここでも沖縄が重要地域であることが示されている)
台湾紛争は、アメリカも被害を受ける
⇒その結果、アメリカの影響力が落ち、ユーラシア大陸に影響を与え、世界的に影響を与えることとなる
趣味は読書、競馬、阪神タイガース。
他のサイトでは競馬や社会学、阪神タイガースに関するブログもやっています。
良ければそちらも覗いてください。
検索は「長坂総研」「競馬原論」でお願いします。