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くだらないメンテナンス期間

作者: 天川裕司

初めまして、天川裕司です。

ここではシリーズでやってます『夢時代』と『思記』の原稿を投稿して居ります。

また、YouTubeドラマ用に仕上げたシナリオ等も別枠で投稿して行きます。

どうぞよろしくお願い致します。

少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。

サクッと読める幻想小説です(^^♪

お暇な時にでもぜひどうぞ♬


【アメーバブログ】

https://blog.ameba.jp/ucs/top.do


【男山教会ホームページ】

https://otokoyamakyoukai.jimdofree.com/


【YouTube】(不思議のパルプンテ)

https://www.youtube.com/@user-vh3fk4nl7i/videos


【ノート】

https://note.com/unique_panda3782


【カクヨム】

https://kakuyomu.jp/my/works


【YouTubeドラマにつきまして】

無課金でやっておりますので、これで精一杯…と言うところもあり、

お見苦しい点はすみません。 なので音声も無しです(BGMのみ)。

基本的に【ライトノベル感覚のイメージストーリー】です。

創造力・空想力・独創力を思いっきり働かせて見て頂けると嬉しいです(^^♪

出来れば心の声で聴いて頂けると幸いです♬

でもこの条件から出来るだけ面白く工夫してみようと思ってますので、

どうぞよろしくお願いします(^^♪



タイトル:くだらないメンテナンス期間


俺は人生に嫌なことがあると、

すぐにリセットする。


まぁマインドのリセット。

人生のメンテナンス。

いろいろ表現はあろうが、

言葉などどうでも良い。


とにかく嫌なことがあると

それから逃げる様にして

自分だけの居場所に駆け込み、

人と違った空間で

また新たな自分と出会うのである。


離人感とは少し違った

斜め角度から見た自分の人生。


でもある日、

いつものリセットが

できなくなったのだ。


その日も嫌なことがあり、

いつもの様に心が焦り、

俺はすぐさま自分をリセットしようと

自分の部屋のパソコン前に飛び込んだ。


そう、俺のリセットは

このパソコンで出来るのだ。

超常現象と思ってもらって良い。


いつしか俺にこの力が身に付き、

自分で作り上げたサイトの

リセットボタンを押せば、

それだけで嫌な事だけ忘れられ

また楽しみしか無い

自分の生活が戻ってくる。


でもその日リセットボタンを押すと、

「…え?…なんだよこれ」


『あなたはこのサイトにログインできません』

と返ってきた。


「ふ、ふざけんなよこの野郎!このページ俺が作ったんじゃねぇかよ!…もしかして…」


このサイトは「ドルフィン」と言う

経営母体が送信しているサイトで、

もしかしたらそのドルフィンが

いろいろ設定を又ややこしく

ゴチャゴチャ変えたのか!?

それに気づいたのだ。


「余計なことしやがって!」


なんでもそう。

ウェブ上で使っているサイトは

そのサイトの経営主・いわゆる母体が

そのサイトの設定を変えてしまえば

そのサイトを利用して居る者たちは皆

その設定・決定に従わねばならなくなる。


「ざけやがって…!!」


それでも俺はそれなりに

ウェブに精通していたので、

なんとか挽回を試み、

あの手この手でその新しく設定された

ハードルを乗り越えてやろうと努力した。


でもなかなか難しく、

ふとお問い合わせのボタンを

クリックしてみると、

その悩みが払拭される様な

新たな情報に行き当たった。


「メンテナンス…?…ああ、なるほど…」

つまりそのサイトの

メンテナンス期間中だから

サイトに入れず、

そのサイトの機能を

使うことができなかった。


つまりそれだけの事だったんだ…

少し心をほっと撫で下ろす。


「ふぅ。俺ともあろう者がこんな基本的なミスを…」


人間、焦るとろくな行動を取らないもんだ。

ろくな心境さえ持つことができず、

ただ焦りに身をまかせ、

しなくても良い苦労をしてしまう。


メンテナンスの時間はあと3時間。

とりあえず待った。


そして3時間後。

新しくログインし、

そのサイトの中で俺が作った

「リセットボタン」をクリックする。


一瞬いつもの様に心が晴れやかになり

「そうこれこれ…♪」

なんて安堵感とともに

やっと帰って来れた…

みたいな心持ちで

自分の牙城へ辿り着こうとした時、

ギュンギュンギューン!

と自分の中身と周りのステータスが

大幅に変わったのを感じた。


「ん?………」


ちょっとだけ確認の時間。

でもその確認はすぐに終えた。


「ちょ、ちょっと待て!こ、これって…」


俺はこう見えて

今まで様々なステータスを身に付け、

人間世界で

かなりレベルアップしてきたんだ。


そして自分の人生を投影するかの様に

そのサイトの中でゲームも作り上げ、

ソシャゲながら世界中の人が

そこでプレイするのを楽しみながら

自分もそこへ紛れ込ませ、

レベルアップし続けたがゆえの

密かな優越感に身を浸らせてきた。


その今までし続けてきた

レベルアップがゼロに戻されており、

自分のステータス、

身の周りの環境まで戻って居た。


「お、おい…昨日まで俺のキャラクターレベル、14万弱あったよな…俺の身の周りのもの…ステータス…あの学歴も資格も…ウソだろぉおおぉ!!!!これウソだろぉおおぉ!!!!!」


「どうしてくれんだよぉおぉおぉ!!!」


全てが無くなって居た。

まったくの無課金レベル。

レベル1。


また最初から…


ログインし直した時に、

俺はそれまで使って来なかった

まったく新しいアカウントで

ログインした事になって居たらしく、

これまでやって来た事がみんな水の泡。


あれもしなきゃならない

これもしなきゃならない

これもしなきゃならない

あれもしなきゃならない……


今までの自分史を思い出し、

気の遠くなる様な走馬灯の様な、

もう諦めが天から降って来る様な

そんなどうしようも無い

絶望しか残らなかった。


「ハハ…もうやめだ…やめだ…」


生活のリセット

自分のリセット

人生のリセット

ログイン…


いろんな言葉を聞いてはきたけれど

こんな事になるぐらいなら

少なくとも焦らず、それに気づき、

ログインし直すなんてしなきゃよかったんだ…。


もう後の祭りなのか。

いや、これから挽回できる法が

あるものなのか。


実は前にもいちど、こんな形で

メンテナンスのことに気づけず、

思わずログインし直した事がある。


でもそれから今まで

ステータス・レートを落とす事なく

続けて来れた。

だから今回も又同じく…?


でもさっき入力したアカウントと

これまで使ってきたアカウント…

あの日ログインし直した時に

入力したアカウントが

果たして同じものだったかどうか

全く記憶に無い。


昨日食べた昼ご飯の事も忘れて居る俺。

もう何ヶ月も前のメンテナンスの事を

はっきり覚えて居る筈も無い。


自分で情報管理できて居ると思ってる俺でも

実は全くできて居ない。

面倒臭い事は全て適当に終わらせ、

とにかくその日の仕事を終わらせ、

すべてを平穏に、

ただ安心を得る為だけにやって来たんだ。

オーバーワークは本当に

極力、避けて来た。


だからステータスがそのままの

あの本当のアカウントが今どこにあるのか、

どのファイルにあるのか、全くわからない状況。


その正規のアカウント情報が

保存されたファイルを

しっかり探すのも

既に面倒臭くなって居る自分。


もうどうしようもない。

どうしようもあるんだけど

どうしようもない。


「メンテナンスなんかすんなよクソが…。大して変わりもしねぇくせに…」


ただそのくだらないメンテナンス1つで

俺のステータスの全てが終わったんだ。


そして俺は別の事をし始めた。

仕方無く、本当に仕方無く…。


それから夕方。

それでもふと諦めきれず、

また前のステータスに戻れる様にと

そのサイトに入り直そうとして居た俺。


その結果がどうなったのか?


それは未来でこそわかること。

今は仕方が無い。

何もわからず、どうしようもない訳である。



動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=zSDnmhP3lq8

少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。

サクッと読める幻想小説です(^^♪

お暇な時にでもぜひどうぞ♬


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