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13話:レベルアップです!

 屋敷を出る時に門番さんにスコップと革長靴をお借りしました。大人用なのでスコップはわたしの背丈ほどもあり、革長靴はぶかぶかで膝までありました。ちょっと使いづらいけどこれがないとお仕事になりません。


「よいしょ!」


 排水溝の中に入ってスコップでゴミを持ち上げます。


「お・・・重いぃ~~!」


 水を吸った泥はとても重く、やっとのことで道路に落とします。これはかなりしんどいことになりそうですね・・・。それから数回持ち上げただけでへとへとになりました。


「はぁはぁ・・・このままじゃマズイですね。うまく水は捨てて泥だけ持ち上げられればいいのですけど・・・」


 スコップを傾けて水を捨てて・・・んぎぎぎぃ!腕がプルプルしますぅ!あああっ・・・全部落ちてしまいました・・・。ザルのようなものを借りた方がいいのかな?・・・いえ!これは試練です!きっと、きつい方が経験値のたまりもいい・・・はずです・・・。きついなら楽しくすればいいんです!そうです!歌でも歌いながらやってみましょう!


「ある~日♪町の中♪チュンチュンが~ドブ掃除~♪・・・」


 森のクマさんの替え歌を歌いながらスコップを持つ手を動かします。気のせいかさっきより気持ち的に楽になりました。町行く人たちもわたしが楽しそうにドブ掃除をしているのを見てクスクス笑っています。


「ところが~♪チュンチュンが~♪ドブから~拾ったよ♪あら?」


 ドブの中から銅貨が出てきました。どなたかが落としたのかな?とりあえず横に置いておきましょう。


「ひたすら~せっせっせの~せ~♪もいっちょ!せっせっせの~せ~♪」


 約1時間ほどドブ掃除をしていると、突然頭の中に声が響きました!


『熟練度が貯まりレベルが2になりました。スキルポイントを2獲得しました』


 来ました!レベルが上がりましたよ!初めてのレベルアップです!


『ステータスウィンドウが開けるようになりました。スキルポイントの使用が可能です』


 すてーたすうぃんどう?この声ってゲームを登録する時に聞いたのと同じ声ですね。神様の声なのでしょうか?開けるようになったとは言ってもどうやって開けば・・・。


「んと、開けウィンドウ!」


 ブォン!


「でた!」


 適当に言ってみたけど本当に目の前に画面が現れました。擦りガラスに文字が浮き出ている感じですね。

 えっと、なになに?


【山田すずめ】ニンゲン:12歳:メス

 レベル2:スキルポイント2

 次のレベルまで経験値50or熟練度50

(表示機能:簡易)

 肉体総合力:11+

 精神総合力:7+

 魔法総合力:0+

 魔法適正:水:土

 習得魔法:なし


 メスってなんですか?・・・普通に「女」か「女性」でいいでしょうに・・・。表示機能が簡易になってますけど詳細もあるのかな?


「表示機能変更」


 表示機能:簡易

 一覧

 詳細 


 3種類あるのね?んじゃとりあえず一覧で!


 ・・・あれ?特に変化はないようだけど・・・?


「ドブ掃除大変ね~頑張ってね」

「あ、はい!ありがとうございま・・・」


 わっ!?通りすがりに挨拶をしてくれた女性の頭の上に文字が見えます!!


【アンナ・トゥーリ】犬族:28歳:メス

 肉体総合力:18

 精神総合力:15


 左右を見回すと歩く人全ての頭の上に表示が出ています。すごいです!これなら名前を間違うことはないですね!便利です!

 これが「一覧機能」なら「詳細機能」ならどうなるのかな?


「表示機能変更!詳細!」


【山田すずめ】ニンゲン:12歳(37日):メス(月経周期26日目)

 レベル2(熟練度20):スキルポイント2

 次のレベルまで経験値50or熟練度50

(表示機能:詳細)

 肉体総合力:11+

 力:8

 体力:7

 持久力:5

 瞬発力:12

 忍耐力:26

 身長:138cm

 体重:39kg

 B:61cm

 W:52cm

 H:60cm

 肉体状態:正常

 精神総合力:7+

 思考:13

 熟考:7

 応用:10

 精神耐性:2

 判断力:6

 精神年齢:10歳~17歳

 精神状態:混乱

 魔法総合力:0+

 魔力:3

 魔法力:0

 詠唱速度:1

 魔法耐性:0

 魔法操作:0

 魔法適正:水:土

 習得魔法:なし


「目がチカチカするぅ~!情報が細かすぎます!月経周期まで出るのは便利ですけど・・・」


 数字だらけで見るのが疲れます。とりあえず一覧が使いやすそうですね。

 せっかくレベルが上がったのですからスキルポイントを何かに割り振りたいですけど、手っ取り早く熟練度を貯めるなら力か体力、もしくは持久力ですかね?レベルが上がった瞬間疲れが吹っ飛んで生まれ変わったみたいな感じがしました。それなら単純な「力」を上げましょうか!


「さてと!力もあがったことですしお仕事再開です!」


 力を2上げたら「肉体総合力」が12になりました。どうやらそれぞれ5つの能力値の平均が12になったってことみたいです。合計60ですしね。そうなると先ほどの【アンナ】さんの数値って結構高くないですか!?肉体総合力で合計30、精神総合力なんて40近くも高いですよ!他のみなさんの数値が気になりますね・・・。一体レベル幾つになったら追いつけるのでしょうか?・・・。


「数字を考えると頭痛くなっちゃいますね・・・」


 今はとにかく無心でお仕事してレベルアップを目指しましょう!

 それからさらに2時間後レベル3に、そしてお昼を過ぎた3時間後にはレベル4になりました。いい時間になりましたが、レベルが上がって体力も全快したのでさらに1時間ドブ掃除をして初日のお仕事を終了しました。あと4日でまだ2割ほどしか終わっていませんが、レベルアップをするたびに効率が良くなるのでなんとか期日までに間に合いそうです!

 お借りしたスコップと革長靴をトモエゴゼンさんのお屋敷に返しにいきましたが、門番さんが「依頼完了まで持っていていい」というのでそのままお借りしました。ギルドに途中経過の報告に行こうかと思いましたがスコップと革長靴を持ったままでしたので、パオラさんの泊っている宿に行ってお部屋を借りることにしました。


「こんにちわ!」

「おや、いらっしゃい。昨日パオラのとこに泊まった子だね?」

「昨日はご迷惑をおかけしました。それで、今日はわたしもお部屋をお借りしたいのですが?」


 パオラさんとムッカさんは一泊銅貨15枚だと言っていました。手持ちは銅貨46枚でしたので残り31枚ですね。早くお仕事を終わらせないと一文無しになってしまいます・・・。カウンターに銅貨を15枚置いて数えてもらいます。


「はい、ちょうどだね。部屋はパオラの隣でいいかい?」

「はい!ありがとうございます!」


 鍵を受け取って階段を上がります。部屋は202号室ですね。ちなみにパオラさんが203号室でムッカさんが204号室です。部屋に荷物を置くとパオラさんに声をかけてみます。


「パオラさん~?いませんか~?」


 留守のようです。もしかしたらまたギルドでお酒を飲んでるのかな?


 そう言えばドブ掃除中に大銅貨1枚と銅貨4枚を拾いました。大銅貨は銅貨10枚分らしいので銅貨14枚拾ったことになります。このお金は落とし物なのでついでにギルドに持っていくことにしましょう。

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