第六話 アクアユニコーン その先へ
間に合わせました。勘弁してください。(何を?)
「おい芋虫、テレビをみるぞ」「王竜、僕は興味ないから自分ひとりで見て。」「わかった。」すっかりバベルキングーにハマってしまった究極王竜。僕はあまり面白いとは思わない。なぜそこまで気に入るのだろうか。「そういえば、フィールドカードって」「ああ、私がおすすめした光の聖域だな。」「でも僕のデッキには光と聖と名のつくカードはこの4枚、聖なる竜、光の竜、聖なる壁、そして光の弓だけだよ」「もう少しカードを増やそう。」「だからいったのに」「しかしもう一つの効果、自分または相手のデッキをシャッフルする効果も強力だ」「とりあえず、買いに行くよ」「えー」「スマホ貸すから。」「生で見たかった」
「リアタイで見えるよう電波いじってあるから」「やったー」ルンルンだ。究極王竜の名が廃る。およそ出逢った頃の彼(?)とは大違いだ。あの偉そうな口調、威厳のある動き、何もかもが嘘のようだ。\ピコンッ/
僕の携帯からだ。「アスカからだな。」「絶縁したこと忘れたのかな?」「見てやれ」「はいは...。」
さようなら 後ろを振り返る。よかった、刺されるのかと思った。「画像も付いてるぞ」「アソコとかじゃないだろうな...。」ここは、おんぼろ屋敷だ。近年、勢力を拡大しているギャングが本拠地として買収した場所だ。まさか...。そんなまさかだよね...。
そのまさかであった。
「メガネモウイラーンで、フレアユニコーンを攻撃!」「ぬあああああッ」(アスカHP10000→6800)ドサッ。
ズサーッ。なんてパワーだ。フレアペガサスを出してなきゃ殺されるところだったぜ。「さらにペポ効果発動、破壊したペポのA半分のダメージを与える。」「ふざけんな。うわああああああああああああ」(アスカHP6800→800)「ふへへへ、死が近づいて来てるぜぇ」「はぁ...はぁ...」死神がこっちに手招きをしている幻覚が見える。どうやら、マジに死が近いらしい。「おい、取引しようぜ」「?」「王竜芋虫を差し出せばお前の命を救い出してやるぜ。それにボスに話して幹部までとはいかないがいい立場に立たせてやるぜ。」
「...。」「それに、友達でもなんでもないやつの命を救う理由なんてないだろう?」「...。ッ」ふざけるなっ「ふざけるなっ」「それで、絶縁までしてるんだろぉ そんなやつ助ける義理なんかないんじゃあないかあ?」俺の体が虹色の炎に包まれた。「例え絶縁されても、例え嫌われていようとも、俺は大好きなイモムシくんに触れさせないッ」「なんだこの炎!?まさか、聞いたことがある。世の中には帝王と呼ばれる神にも悪魔にもなれるおぞましい力がある。しかし、その力を持つ事ができるのは帝王の器を持つもののみ!!まさかこいつがその、帝王の証を持つ者なのかぁあああ。」「俺のターン、ドローっ俺はイモムシくんをチャージそして、アクアユニコーンを召喚、さらに魔術カードザブーン!!を発動する。」「ザブーン?」「ザブーンは相手フィールドのぺぽをすべて破壊する、しかしそのコスト8ととても重い。しかし、アクアユニコーンがフィールドに存在する場合、コストなしで発動できる!!」「なんだと!」ドドドドドドッ「なーんちゃって★」
「は?」「魔術カードただより高いものはないを発動する。こいつの効果は、相手がコスト無しで魔術カードを使用したとき、使用した魔術カードのコスト×100のダメージを相手プレイヤーに与える。」「まさかっ
うわあああああああああああああ」(アスカHP800→0)「運命の罰ゲーム!!」「くッ」バリバリバリバリ
病院にて...。
レイの心電図 ピッ ピッ つーーーーーーー
「ふはははは、はぁ?」「帝王は死なない。」
病院にて
レイの心電図 つーーーーぴっ ぴっ ぴっ
「なら、もう一度ぺんぽこだっ」
let'sぺんぽこ!!
ジリリリリリリリリ「もしもし?」「蟻ノ助?」「ああ、オラだけど」「大変なんだ、アスカがウワサのオンボロ屋敷に...。」「なんだって!? いま、どこにいるんだ?」「今、向かうとこ。」「ちょっと待ってろ」
ギャングの本拠地、はっきり言ってオラはアスカとはなんの接点もない。アスカの友達であるレイとは仲がいい(付き合ってはいない)。しかし、イモムシのため、オラは行く。ウワサによるとギャングはぺんぽこカードバトルで決めることがあるらしい。オラはデッキを見直した。フィールドカード、アクの呪い。このカードは相手プレイヤーに1000のダメージを与え自分は1000回復する。代わりに、自分はHPが5000の状態からスタートする。デッキ、光の戦士でペポとプレイヤーをサポートし、相手に大ダメージを...。与えるカードがない。ちょうど一枚空き枠がある。しかし、どうすれば...。「我を使え」そういえばいたなこんなやつ。
クラッシュデストロイヤー「わかった。でも、あくまであまり枠、お守りみたいなものだ」「それでいいんだよ、変わったね...。」???まあいいか。いくぜ、俺の相棒、ロード・オブ・フューチャー(未来卿)と言うなのスケボー。なんだか、心臓の鼓動が早く感じる。背中が冷たい。怖いんだ。何が起こるかわからない。
殺されるんじゃないかと言う思いで溢れかえっている。「着いたーッ」もうすでにいもむしくんはいた。
「きたんだな」「うん」「なあ、バカなこたぁ言わねえ。やめろ」「なんでだよ」「その志は立派だ。おめーが強くなったこたぁよーくわかった。だけど、命を懸けるようなことじゃない」「でも...。」
「俺の先行! アクアピッチャンをチャージ、ツボーンを2対召喚。ターンエンド。」「俺のターン、俺はアクアピッチャンをチャージそして手札から魔術カード現代の闇 その1を発動。」「現代の闇...?」「手札を任意の数だけ捨てる。捨てた数だけドローする。俺は4枚すべて捨てる。」「もったいないな。」「それこそが現代の闇だよ。大量生産、大量消費。資源の無駄遣い。これを表現したようなカードさ」「ギャングの幹部の自覚ある?」「フッフッフッ、俺はメガネガオンネン(HP?/A?/D?)を召喚する。こいつは墓地にあるメガネニぺぽを下に重ねる。重ねた数×5000がこいつのステータスになる。」「重ねた数は?」「4枚、つまりこいつのステータスは20000になる!!」(HP?/A?/D?)→(HP20000/A20000/D20000)「は?」「さらにこいつには特殊効果がある。このカードは戦闘で破壊されそうになったときメガネにぺぽを墓地に送ることで破壊を免れる。さらにHPが全回復する!!まあ、ステータスはさがるがな。」「勝てるわけねえだろうが」「やれっメガネガオンネン!!ツボーンを攻撃。ただし、ペポとの戦闘時プレイヤーへのダメージは0になる。」「九死に一生を得たぞ。破壊されたことにより、手札からフレアユニコーンを召喚。」「ターンエンド、ステータスが足りないねぇ」「うるせぇ、俺のターンドローっ」どうする。フレアユニコーンのAは12000。対してメガネガオンネンのDは20000。これでどうやって戦えばいんだ。「俺はアクアピッチャンをチャージ、魔術カード、ドロー魂を発動。フィールドのペポをリリースする。そして、リリースしたぺぽのコストの数だけドローする。」「最強の手札増強カードだ。」これで手札は8枚。「俺はこれでターンエンド」「俺のターン、ドローっ、俺はツボーンを攻撃!」「ツボーンが破壊されたから、フレアペガサスを手札からコストなし召喚する」「ターンエンド」「俺のターン、ドローっ俺は魔術カード、山火事を発動。このカードは自分フィールドにフレアペガサスがいるときコストなしで発動できる。相手フィールドのぺぽの元々の攻撃力分のダメージを相手フィールドのペポ一体に与える。」「ふーん」「俺はメガネガオンネンを選択、メガネガオンネンに20000のダメージ」(メガネガオンネンHP20000→0)「俺はメガネガオンネンの効果発動、このカードに重ねているカードを一枚墓地に送ることで破壊を免れる。ただしステータスは下がる」(HP0/A20000/D20000)
→(HP15000/A15000/D15000)「俺はフレアペガサスで攻撃、更にコイントスを行う」俺はこのコイントスに賭ける。ピンッ「表だ...。よって攻撃力は1.5倍になる」(フレアペガサスA120000→18000)「攻撃!」(メガネガオンネンHP15000→0)「チッ」(キルキアHP10000→7000)「俺はメガネガオンネンの効果発動、このカードに重ねているカードを一枚墓地に送ることで破壊を免れる。ただしステータスは下がる」(HP0/A15000/D15000)→(HP10000/A10000/D10000)「ターンエンド」「俺のターンドローっ、フッフッフッハーッハハハッ」「なっ、なにがおかしいんだ」「俺は魔術カード、現代の闇 その2を発動!!」「なんだそれ!?」「お前、気づかないフリをされたことはないか?」「...?」「本当は見聞きしたことなのに、自分にとって都合の悪いことは{なかったことにする}まあ、そんなことをしたやつは報いを受けるがな。」「!!」「思い当たる節があるみたいだな。気づかないふりをした自分の罪悪感。気づかないふりをされた奴らへの憎しみをもって死ぬがいい!! このカードの効果は自分フィールドに存在するぺぽは直接攻撃ができる。ただし、相手ターンになったとき、こいつは破壊される。」「報いは死か...。」「しかし、お前のHPはこいつの攻撃力と同じ1万だぜ」「まさかっ!!」「ああ、そのとおりよ。こいつは報いを受けることなくのうのうと生きているんだ。虫を殺しておきながらな」「くっ」「理不尽だよな 世の中ってのは。俺も味わったことあるぜ。俺の生まれはひでえもんだったよ 母親は沢山の子を産んだ。優秀なやつだけ育てられ、俺らみたいなやつは戸籍も消され勘当。ひでえ話だろ。だが、俺はボスに拾われてここまで這い上がってきた。部下はゲスだがそれでも恩を返したい。長話が過ぎたな。メガネガオンネンで攻撃!」「そんな話を聞いても俺は引き下がらない!魔術カードビッグミーガワリンを発動!俺のHPを半分にすることでプレイヤーへの戦闘ダメージを0にする」(アスカHP10000→5000)「チッ ターンエンド。メガネガオンネンはこのターン破壊される。しかし俺はメガネガオンネンの効果発動、このカードに重ねているカードを一枚墓地に送ることで破壊を免れる。ただしステータスは下がる」(HP10000/A10000/D10000)→(HP5000/A5000/D5000)」「俺のターン」答えてくれ俺のデッキ。いまここで、このターンで決めなきゃいけない気がするんだ。「ドローっ」
「カードが光っている...。」「俺はツボーンをリリースする。」「バカなっユニコーン・ペガサスペポは破壊で手札から召喚出来るはず...。」「水の一角獣。今その姿、封印を自ら解き、原始の姿とならん。
帝王獣 究極水一角獣(HP24000/A18000/D27000)「まさかっ奇跡を起こしたと言うのか」「俺は究極水一角獣で攻撃」「ぬああああああああああああああああああああああ」(HP10000→0)「電流がっ...。電流がーーッ」強い電流が彼を襲った。彼は泣いていた。それもそのはずだろう。自分で仕掛けたゲームに負けて、死んだからだ。「もし生まれ変わったら、幸せに生きてほしいな。」ドドドドドドッ 背後から虫が...。「死に晒せやぁ」パンッ「え?」撃たれた。俺が...。
ピッ ピッ ピッ つーーーー...。
僕は戸を開けた。中は...誰もいない。無残な死体だけがそこらじゅうに転がっていた。恐らく、アスカがやったのだろう。「酷いな」「生きるためだ仕方のない」パンッ 銃声が上の方から聞こえた。「今の音は?」
「アスカだ!」急がなきゃ、嫌な考えが頭を巡る。死という考えが。「アスカッ!!」「イモムシくんか...。」「なんでっ...どうしてっ」「虫助けに変わりはないからな」「だからってこんな無茶を...。」
「あと実は」唐突に脱ぎ始めた「俺...いやアタシは女なんだ。」「!?」「ははっ。ああもうダメだ。最期にキスぐらい欲しかったな」「いいさ、してやるよ」二人は幸せなキスをして終了(虫生が)。「アスカ...。」「イモムシくん。行こう。屍を踏み越えて...。」「うん」
次回予告
オッス オラ 蟻ノ助
アスカが死んだ(切実)。だが、歩みを進めた以上進まないといけねえ。アスカの思いを大切にするよ。
次回 ヤミゲーム