第五話 狙われる究極王竜たち
「おい、聞いたか?」「ん?なにをだよ?」「王竜だよ王竜」「究極王竜のことか?」「ああ、なんでも、手に入れた虫は一つだけどんな願いでも叶えてくれんだってよ」「それは知ってるけど、もう叶えちまったんじゃねえの?」「それがさ、まだ願いを叶えてねぇらしいんだ」「ほーん、だからボスは狙ってんだな」行きつけの店でコーヒーを飲みながら妙な話を聞いたあたしいや俺、究極王竜のカードは俺の友達だったいもむしくん、いや王竜芋虫が所持している。「でもよぉ、どうやって手に入れるんだ?」「盗むなり、殺すなり好きにしろって話だ」聞き捨てならない言葉を聞いた。「おい、そこの二人」「あーん?なんだーてめぇ?」「誰だてめぇ?」「つらかせや」スッ、カードを見せた。「おう」「おう」そうして店を出て、店の裏まで来ると「てめぇが究極王竜の所持者か?」「違う、だがもし」ニヤッ「俺が在処を知っているとしたら?」「!?」「おい、案内しろ」「おいおいタダとは言わせねえぜ、俺とぺんぽこして勝ったら教えてやるよ」「いいぜぇ」「二人まとめてかかってこい、ただし俺が勝ったらお前らのボスのもとへ案内しろよ」「舐めやがって」
let’s ぺんぽこ!!
「げにゃああああああ」「ぬあああああああああ」ドサッ「やっぱつええな、俺の新しいデッキは。さあ、案内してもらおうか」「ひっひいいい」そうして俺は二人についていった。ビル街から外れ、寂れた団地と商店街のある土地へ出て昭和に建てられたような住宅街に出ると、駄菓子屋の隣りにある立派な竹林に入り、そこをくぐり抜けるとお屋敷があった。「こっ、ここです」「それじゃあ、さよならー」ヒューン逃げるようにお屋敷の中に入っていった彼ら。俺は一瞬で感じとった。このお屋敷は恐らく、近年戦力を拡大し全国各地で暴れまわってる大物ギャングの本拠地だ。とりあえず、レイに報告しなきゃ...。とうおるるるるるるるるるるるるるるるる るるん ガチャッ「もしもし、レイ?」「どした?」「芋虫くんの命が狙われてるの」「なんだって!?」「その犯人の本拠地にいるんだけど...。」「場所は?」「でんでん坂の駄菓子屋の竹林」「あれ? あそこってぼろ屋敷があった気がすんだけど」「そのボロ屋敷に住んでんの」「わかった」ピッ 俺は今、何をしようとしているのだろうか。友達でもなくなったなんでもないやつの命を助けようとしてる。そうだ。なんのために?わからない。でも、俺は思う。人助けに友達も何もないんだって。でも、なんでレイを呼んだ?安心したいから。今から起きる出来事に怯えているから...。そんな自問自答を繰り返す。「おーい」来た。行かなきゃ、ここには近づかせてはいけない。「今からこの屋敷に突撃する気だろ」「ああ」「俺も行く。」「なんでだよレイ!」「お前だけじゃ心配なんだ。」「でもっ」「行かせてくれよ。みずくさいだろ」「だめだ。もうこれ以上、自分のせいで犠牲になる虫を増やしたくないんだ」「お前...。」「たのむ、わかってくれ...。」「ははっ お前には叶わねえわ」「?」どういうことだろうか。「お前のその目を見る限りマジみたいだからな。いいぜ、俺のデッキのユニコーン、全部くてやる。」「え?」「お前に俺の命を預ける。必ず生きて帰ってこいよ。」「ああ」俺はレイの命のカード達を受け取った。伝わる。彼の命の鼓動、託した思い、全部全部伝わってくる。「また会おう」「冥界以外でな」俺は行く。やつを倒しいもむしくんとそれ以外にも救える命があると信じて。
一方そのころ...。
俺の名前はレイ、カブトムシ・レイ。俺の魂のカードがわからないがユニコーンではなさそうだ。なんだかホッとしたような。悲しいような。「まあ、俺はなんでもいいy」キキーッ「うわー!?」ドンッ。おい、そこのカブトムシの小僧。大丈夫か?おーい...。やべぇ轢いちまったよ。
アスカに戻って...。
デッキを調整し、最高の状態にする。イモムシくんに念の為別れを告げる。覚悟は決めた。俺のこの命、くれてやる。「たのもーッ」「ああん?」怖い。鬼の形相でこちらを一斉に睨んでくる。「おい、にいちゃん、俺らの組に何用だ?」「この組織を解体しにきたッ」「おうおう、そいつぁ大層なことだ...。死に晒せやぁ!!ボケェ」ドス、刀、ハジキ。一斉に構える俺にはもちろんそんなものはない。だから、「ウオーッ」ドドドドド奪いに行くまでだ。「ぐあっ俺のハジキがッ」「ハジキとドスいただきぃ 死ねええええええええええ」1234と次々に弾を撃つ。虫を殺すのはあまりいい気はしない。弾切れしたら殺したやつから奪うそんな戦い方をした。そして、幹部まで突き詰めた。幸いにも相手はハジキがヘタで一発も当たらず、ドスを軽く刺されただけで済んだ。「あんたが俺らの組織を解体しようとしてるやっちゃな」「ああ、そうだ。」「なあ、俺とゲームしようぜ。」「ゲームだと...。」「ただのゲームじゃない命のやり取りさ」そういって彼はぺんぽこの用意をした。俺もすかさず用意した。「俺のフィールドは審判下す回廊」「俺のフィールドは暗黒魔界」暗黒魔界だと!?まさかこいつもか?とりあえず...。
let’sぺんぽこ!
「デスゲームモードオン」ぺんぽこバトルシステムから発せられたその音に俺は思わず呟いた。「デス...ゲーム...。」「そうだ、これは俺たちがハッキングと魔改造によって生まれた究極のモードだ。基本的には今までと変わらない。しかし、負けるとこの機械から電流がながれ」「死ぬ...ってわけか」「そう、まさしくデス・ゲーム」イカれてやがる。「ちなみにこのゲームから逃れることはできない。逃れようとした瞬間...。ビリだ。ひゃーっ、ヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャー」。「クッ」「俺が先行だ 俺はアクアピッチャンをチャージ、メガネ二カナーウ(HP2000/A3000/D2000)を召喚、さらに俺は魔術カードくもったメガネをメガネニカナーウに装備する。(HP2000/A3000/D2000)→(HP3200/A3000/D2000)」たかがHP3200の効果なしペポを召喚した...。一体何の意味があるんだ?「ターンエンド」「俺のターン ドローっ俺はアクアピッチャンをチャージ、ハッコロンを召喚、さらにハッコロンをリリースして、ツボーンをコストなし召喚。攻撃!」(メガネニカナーウHP3200→2200)「ターンエンド」「俺のターン、ドローっ俺はメガネニカナーウをもう一体召喚。曇ったメガネを装備してターンエンド」「俺のターン、ドローっ俺はイモムシくんをチャージ、魔術カード自爆特攻、発動!ツボーンを対象に選択、ツボーンでメガネニカナーウに攻撃!」(メガネニカナーウHP3200→2200)さらに自爆特攻の効果でお互いのフィールドのぺぽをすべて破壊する。ツボーンの効果で手札からユニコーンおよびペガサスぺぽをコストなし召喚。フレアペガサス「HP10000/A12000/D7000)を召喚、このターン召喚したフレアペガサスは攻撃ができない。ターンエンド」「俺のターン、ドローっメガネニモエール(HP1000/A5000/D2000)を召喚、瓶底メガネを装備(HP1000/A5000/D2000)→(HP5000/A1000/D2000)、ターンエンド。」「俺のターン、ドローっ俺はフレアペガサスで攻撃!」「ヌッ」(セアカゴケグモのキルキナHP10000→3000)「ターンエンド」「俺のターンドローっ、ふはっはははははははは」「どうした!!自分の手札の悪さに気でも狂ったか?」「いいや逆だよ、絶好調すぎるのさ」「なにッ」「メガネと名のつく魔術カードを装備したメガネニペポが破壊されデッキに送られたとき、このカードが召喚できる。」「は?破壊されたら墓地に行くはずじゃ...。」「そこで暗黒魔界の効果を教えてやろう、一つはぺぽを置ける数が3から5に増える。もう一つはクックックッ、聞いて驚けデッキと墓地を同じ扱いにする」「なにっ」「魔術カード、古代の儀式を発動。いでよ、メガネニカナワーン(HP12000/A15000/D9000)。」「なんだこいつは」「こいつはチャージ1でコストが9というクソぺぽだ。しかし、古代の儀式によって召喚されたペポはステータスが二倍になる。」「ふざけるな」「さらに、お前のフィールドの審判を下す回廊の効果発動、コイントスを行う」ピンッ「裏だ。よってこのぺぽの召喚を無効化される」「え?」「そして、このカードの召喚が無効化されたことによってこのカードをコストなし召喚ができるんだよ。いでよ、メガネモウイラーン(HP13200/A13200/D13200)」「なんじゃこりゃーっ」
次回予告
キルキナの切り札メガネモウイラーン。俺のデッキのユニコーンとペガサスだけじゃ勝てるわけがないよ。なにーっ、イモムシくんをさしたせって?そんなこと俺が絶対にさせるもんですか!!なにっ 俺のデッキが光っている!?答えて、俺のデッキのなかのカード達!!
次回
アクアユニコーンはその先へ 来週もlet’s ぺんぽこ!!