第三話 精霊が見えるもの
「私が見えるか」「うん」「驚かないのか」「オラも昔から見えていた。といってもこいつ含めて2体だけだけど」誰も考えたことがないだろうまさか自分の友達が自分と同じ力を持っていることを「精霊ってどんなの?」「クラッシュデストロイヤーの精霊さ、オラにいつも語りかけてくる。」「どんなふうに、僕みたいに従者として?」「ちがう、オラの精霊はこう語りかける。俺を使え、俺を使え、潰せ、潰せ、俺はお前の心の現れだ。って」「怖っデッキに入れてるの?」「入れてない、オラの光の戦士デッキには必要ないからな、それに何が起こるかわかったもんじゃねえからな」「そっかぁ、ねえ精霊に会いたいからさ君の家行っていい?」「かまわねぇけど、なんかあってもオラは責任取らねぇからな」そして僕は買い出しを済ませ、家に帰り支度をして向かった。「オメー、なにげにオラの家に来るの初めてだよな」「そういえばそうだね」「そういえば三年前遊びに来るって約束したのをすっぽかしてたな、あの日何してたんだ」僕はバツの悪い動きをした。「ほーん」察してくれたようだ「ま、中に入れよ」「おじゃましま~す」家に入った瞬間頭の中に響いてくる声「力が欲しいか?勝利を掴む、大いなる力が」「いらないです」「アッはい」「え?あのクラッシュデストロイヤーが引いた?!」「蟻丿助はこうやってキッチリと断っていないからだよ」そういって顔を伺ってみると顔が青い。どうやら彼は僕と同じようにキッチリと断っているようだ。でも僕とは違い、しつこく粘り強く囁いてくるようだ。彼の部屋に行こうとしたとき「あっそうだ、ちょっと行って来る。」「ああ」(えーっと、仏壇はどこかな?)彼の母親は交通事故にあって亡くなっている。父親は生きており、精神的に参ることなく元気にしている。しかし、彼の本当の意味での元気な姿を見ていない。「すんすん、線香の香り!」仏壇の前に立ち、ろうそくに火をつけて、線香に火をつけて香炉に刺す。リンをならし、手を合わせ目を閉じ、お辞儀する。(蟻丿助と遊びに来ました。)「さーて、戻ろう」彼の部屋を探す。「おーい、こっちこっち」「うーい」彼の部屋、畳の床、芳香剤のいい匂い、木製の棚に、布団の入った押入れまるで大山ドラ時代のの●太の家みたいだ。「なあ、デッキいっしょに考えてくれないか」「うん!」ペラペラペラペラ「光の戦士ペポばっかだね魔術カードが一枚も入ってない」「実はパックに入っていたカードで、おなじカテゴリーのカードをひたすら積めただけだなんだ」「パックのカード捨ててない?」「残ってるけど」「全部持ってきて」「おっ...おう。」「どれどれ〜、おっ、いいのいっぱいあるじゃーん」「オメーのカードも持ってきてくれねーか?」「僕のデッキで全部だけど...。」「そんなすげーカード、たった四パックで集めるなんて、よっぽどすげー運の持ち主のなんだな」「いや、カードは拾っただけなんだ...。」「ひえー、なんでこんなすげーカード捨てちまったんだろうな?」「いや、落ちてたパックを開封したから、こんなすごいカードが入っているとは思ってなかったんだろうね」「やっぱ運じゃねーか」「あはは...。」「よし、デッキを組もう。」そして、僕らは蟻丿助と僕のデッキを組み直した。試行錯誤とカード交換を繰り返し、ペポ、魔術、すべてがちょうどいい感じになった。光の戦士ペポは★とステータスが高く、効果がプレイヤーのサポートとコストなし召喚を主においたデッキ。初心者から上級者まで幅広い。そこに魔術や火力ペポなんかをデッキに採用しトリッキーなデッキに変わった。対して僕のドラゴンペポも★とステータスが高い。しかし効果が、バラバラでまとまりがない。そのため、魔術やドラゴン以外のカードでどうにか補う。カードを交換したりした結果、パワフルなデッキになった。しかし、僕の本当の目的は、「力がほしいのだろう」こいつ、クラッシュデストロイヤーの精霊。こいつに、僕の究極王竜を会わせにきた。「おい、クラッシュデストロイヤーの精霊よ、私の名前は究極王竜。汝は何故、蟻丿助を困らせるのだ。」「求めるときがくる。彼が我を必要とし、自らを捨てる時が来る。」「大人しくまっていろ、その時を」「...。確かに、今求める理由はないな」「蟻丿助、問題解決したよ」「うそーん」「まじまじ」「え、どうやったの?」「正論言った。」「えー」蟻丿助の悩みが二分で解決した。「なあ、せっかくだからやらねえか?」「うん!」
let’s ぺんぽこ!
「先攻は僕がもらうね」「ああ!」「僕のターン、僕はアクアピッチャンをチャージ、海底要塞 アトランティスを召喚」「はじめっからおっかねー」「ターンエンド。」「オラのターン、ドローッ。ん?今何時だ?」「今5時30分だよ」「うおー、テレビに急げー」「どうしたの?」「おめぇ知らねぇのか? アニメだよ ア・ニ・メ」「えー?」「ぺんぽこカードバトラーなら、知らんやつなんていないぞぉ」「君の世界改変はかなり影響されてるみたいだね」「これは想定外の出来事だ」「えー。」「王竜はアニメなんか生まれる前に産まれたから知らねぇんじゃねぇか。」「私が産まれたのは昆虫史で紀元前10年だからなぁ」(二人揃って)「おっふ」そういって僕らはテレビの前に着く。軽快な音楽と共にタイトルが映し出される。バベルキングー 天から使い手 ぺんぽこカードバトルのアニメとは思えないタイトルだ。およそカードゲームとはおもえない特撮番組みたいなオープニングとともに始まった。「でたな、我ら昆虫を食らう悪党、鳥め!」「クワーっ、クワックワックワーッ。貴様らは我々食物連鎖の頂点である我々に食われる運命にあるのだー」...。本当にカードゲームアニメか?「ちぇっ、今日はカードゲーム回じゃないか。」「お前にも見せてやる、立場上弱いやつが立場上強いやつに下剋上する瞬間を!」「無理を言わないほうが身のためだぜー」「俺はフィールドカード、スターダスト・ハイウェイ」「俺様は、デス・ジャングルだ」「やった、今日はハズレ回じゃなかった」「ハズレ回とかあるんだ...。」「ニヒヒッ」「フィールドカードって何?」「いまから見てろ」
let’s ぺんぽこ!
「俺の先攻、俺は天からの来訪者(HP3000/A3000/2500)を召喚!」「お前、チャージを忘れてるぜぇ、けははははは」「スターダスト・ハイウェイの効果で★4以下のペポはコストなしで召喚できるんだ」「チートかよ」「俺はこれでターンエンド」「俺様のターン、ドローッ 俺様はアクアピッチャンをチャージ、デスチキン(HP10000/A12000/D3000)を召喚! デス・ジャングルの効果でデスチキンがいる限りは、相手はチャージできない。」「なんだその程度か」いやおかしいよ。その程度で済む話じゃないんだよ。しかし、今のでわかった。フィールドカードとは永続的に発動できる唯一のカード。ゲーム開始時から効果が使え、このカードがゲームを左右してくる。「俺様は、デスチキンで攻撃!」「クッ」ベルナキング 10000→1000 いや主人公の名前バベルキングーじゃないんかい。しかもいきなりピンチだし。「俺は天からの来訪者の効果発動!戦闘で破壊されたとき天からの再来(HP3000/A3000/D2900)をコストなしで召喚できる!」「また雑魚か」「天からの再来の召喚時効果発動!」「なに?」「天からの使い(HP1/A0D0)を二体召喚する。そのとき、コストを8払う必要があるが、スターダストハイウェイの効果で、コストなし召喚が可能!」「なぬっ しかしそんな雑魚、どうするんだ?」「天からの使いは召喚時、相手フィールドのペポをコピーできる。」「ふざけるんじゃねぇ」「俺はデスチキンをコピーする」「ターンエンド」「俺のターン、ドローッ俺はスターダストハイウェイの効果で、お互いのフィールドのペポの★を統一する。」「そんなことしてなんになるんだよ」「今に見てろ。俺は、フィールドのペポの★を8にする。 フィールドの★8ペポをリリースして俺の相棒を召喚する!」「まさかっ」「こいッ、スピードの世界を支配する ハイウェイの王者!メカ・ヘッジホッグ(HP8/A18000/D0)」天ペポ関係ないのかよっ。「HP8ぃ?もう終わりだな!」「俺はメカ・ヘッジホッグでデスチキンに攻撃!」「チッ」チキンマンHP10000→8000「ターンエンド」「俺様のターンドローッ、俺様はアクアピッチャンをチャージ、俺様はデスモンキー(HP5000/A8000/D5000)を二体召喚。フィールドカードの効果でお前はドロー チャージができない。「メカ・ヘッジホッグがいるから関係ない」「さらに、フィールドに★5以上のデスと名のつくペポが二体存在するとき、このペポが召喚できる。」「なんだと!?」「大いなる自然の王,今その身を映し出せ、デスキング・キマイラ!(HP12000/A12000D8000)フィールド効果で、お前はペポが召喚できない。」「ヒー、きもいー」キモいというか、怖い。「俺様のペポ全員で総攻撃だ!」「俺はメカ・ヘッジホッグの効果発動戦闘ダメージは発生せず、さらにこのペポが受けるダメージは1だけだ。メカ・ヘッジホッグHP8→5「だが、キマイラは二回攻撃が可能!」メカ・ヘッジホッグHP5→4「ヒャッハー、半分まで削れたぜぇ」「ふっ、メカ・ヘッジホッグの効果発動。」「なに?」「二回以上の攻撃をしたペポは破壊される。」「なにぃ!」「キマイラ、粉砕!」メカ・ヘッジホッグ強すぎでしょ。「ターンエンド」「俺のターン、俺はデス・ジャングルの効果で、ドローはできない。」「ヒャッハー」「はい、対戦ありがとうございました。」「は?」「メカ・ヘッジホッグでデスモンキーを攻撃!」「そういえば、HP減ってたんだった...。」敵、すっごいアホだ。「コケーッ」チキンマンHP8000→0 「なんでこれみてんの?」「新規カードが知れるからな」「アニメ本編は?」「仮●ラ●ダーとかでよくね?」「えー。」「私は面白かったぞ」二人揃って「まじかよ」あー、こんぐらい平和な日が続いてくれないかな...。今日は反逆もない、幸せに終わった。めでたしめでたし。