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新たな物語

僕の名前は王竜芋虫。家族なんてものはおらず、誰もいない家にひとりと一匹住んでいる。そろそろ新学期というタイミングで、僕はとんでもない記事を発見した。


「んえーっ! ペンポコカードバトルのサービスが終了!?新企画ファイアーカードズにするー!?」


僕は珍しく大声で独り言を言った。しかし、これは死活問題なのだ。僕はぺんぽこカードバトルのカードに出ているペポと呼ばれる種族だ。市役所的には芋虫族だが。ぺんぽこカードバトルが終了するというのは僕の人生が終了するということだ。僕はぺんぽこカードバトルがあったからいじめっ子たちに反撃できたし、友達も増えていった。しかし、それを失うということはあの生活に戻ってしまうのだ。


「いや待て。よく見てみろ、ぺんぽこカードバトルのカードはすべて回収し、ファイアーカードズ化させるらしい。しかも無料で」


と、僕の相棒の究極王竜が言った。彼は僕とは異なり精霊であり、実体を持たず物体に触れることは不可能で常に浮いている。そして、特定の人物には見えないというものだ。把握してる限りだと僕と蟻ノ助とレイしか見えなかったが、あの日を境になぜかアスカも見えるようになった。帝王の証?を失ったかららしい。


「そっかぁ。よかった…。いつからなの?」


「来月だ。」


「へー。ルールとか変わる感じ?」


「チャージとコストが統一されて星になるらしいぞ。それとペポがスターモに、魔術がアイテムっていう名前に変わるらしい。あと、ボス?っていうのが追加されるらしいな」


「ゲームの展開スピードがすごい上がりそうだね…。」


「他にも、HPが10000だったのが10倍の100000に上がるらしい」


「まあ、少ないとは思っていたからねー。」


などと盛り上がっていると、僕の机の引き出しからカタカタと音を立てている。まだ暴れているのか…。


「Wryyyyyyyyyy!」


「おい、静かにしろクソッタレ!」


僕はあまり怒号などはあげないし、口調はおとなしいがこいつだけは存在そのものが嫌いで口調すら変わってしまう程だ。何があったかは思い出すだけで嫌なほどで、ハサミで切ってカードをゴミ捨てておきたいところだがいかんせん何が起こるのか何一つわからないのであえて放置している。代わりと言ってはなんだが、包帯とセロテープやガーゼでぐるぐる巻きにした後、箱にしまい、その上にお札をペタペタと隙間なく貼り付け机の中に封印してある。これでもう身動きはとれまいと思っていたのだが、思った以上にタフな野郎だった。


「やっぱ燃やそうよこいつ」


「…。やめておこう。絶対後悔する結果になるから。」


なぜか究極王竜はやめておけと言っている。なぜなのだろう…。



一ヶ月後


「おーい、起きろ!新学期始まってからまだ全然だぞー!」


究極王竜の声で目が覚める。時計を見ると遅刻間際だった。僕は急いで身支度をし、家の鍵を閉め、大急ぎで移動する。体を丸め、とある青いハリネズミのごとく回転しながら移動する。というかこれが1番はやい移動方法だ。しかしこれはとても目が回るのであまり使いたくはない。



学校 教室…。


なんとかギリギリでついた。朝のホームルームに間に合った。


「今日は転校生を紹介する。」


などと先生。クラスが騒々とする。


「クールくん入りたまえ。」


「どうもこんにちは蛾蝶クールです。趣味はぺんぽこカードバトル…いや、ファイアーカードズです。対戦希望中です。よろしく。」


「席はあそこね。」


僕の後ろかー。それしても気だるそうなやつが来たな。種族は蛾の幼虫で、まあイケメンだ。あれだ、モテるなこいつ。てかモテた。クラスの雌がキャーキャー騒いでる。そして朝の休み時間。雌達から質問攻めにあっていた。


盗み聞きはあまり感心は持てないが聞こえてきた限りだと…。


・性別は見た目どうり雄。僕は雌の顔と身体をしているが雄だから少し羨ましい。


・可愛い妹がいて未知のウィルスにかかっており、現在治療中。


・母親が蝶、父親が蛾らしく、どちらも美形のため彼もそのまま美形に生まれたといことだ。羨ましいやつめ。


・デッキは戦ってからのお楽しみ。どうせ変なデッキなのだろう。


・好きな女性のタイプは自分にぺんぽこで勝てるやつらしい。一体どういう生きたをしたらそんな自信家になれるんだか…。


「なあ、そこの芋虫はなんであそこで突っ伏してるんだ?俺の方へこいよ。」


「ホストかッ!」


しまった!いつもの悪いツッコミ癖が!


「ふっ、お前面白いやつだな。ぺんぽこで勝てたら俺の女になってもいいぜ」


なんてギザな野郎だ。


「僕男だけどね。」


辛い現実を叩きつけてやったらどんな反応するかな?


「照れ隠しか?可愛いやつめ」


信じてないようなので僕の生徒手帳を見せた。しっかり男と明記されている


「うおっ、まじだ。まあいいや。ちょうど最近ファイアーカードズ化したからさ、最初の相手をしてくれよ。」


僕を実験台にしようってか…。ますますムカつくやつだ。


「いいよ、その挑戦受けて立つ!」


「ふっ。昼休み、チャイムと同時にこの教室で勝負だッ!」


ちなみに休み時間中もずっと雌に質問攻めにあっていた。



そして昼休み…。


「僕のフィールドは光の聖域」


「俺のフィールドは楽譜 喜びの序曲」


『let’s ファイアー!!』


「僕が先行ね! 僕は星8の光の竜(HP5000/A5000/D5000)をチャージゾーンにセット。星3のAAA-111(HP2000/A4000D/1500)と星3BBB-222(HP4000/A2000/D1500)を召喚!」


「効果なしの機械スターモでゴリ押すタイプか。」


「さらに僕はAAA-111とBBB-222をリリースすることで、ガトリングガイを超進化召喚!(HP8000/A8000/D5000) ターンエンド。」


「俺のターン、ドローッ! 俺は星3のドレミン(HP2800/A1300/D500)をチャージゾーンにセット。星3ファソラン(HP3200/A2500/D1300)を召喚!さらにドレミンの効果発動! チャージゾーンから墓地に送られた時、ドレミンはコストなし召喚される!さらにファソランの効果発動!ドレミスターモがコストなし召喚された時、ドレミカードを手札に加える。俺はシドを手札に加える。」


「なるほど…これによりドレミファソラシドが揃うわけだ」


いきなり究極王竜が現れた。てか、よく気づいたな…。


「それが君の精霊か?」


見えてるのかよクールくん。


「そう。そしてこいつの名前は究極王竜。僕の相棒兼切り札さ。」


「切り札はあんまり見せない方がいいと思うよ。そして、シドの効果で、ドレミンとファソランがいる時、星3のシド(HP2300/A2000/D1500)はコストなし召喚できる!そのままコストなし召喚!さらにファソランの効果発動!ドレミスターモがコストなし召喚された時、ドレミカードを手札に加える。俺はドレミファソラシールドを手札に加える。」


「揃ったな。さあ!汝は何を見せてくれる?!」


なんで楽しそうにしてんだよ。僕の味方しろよ。まあ、一昔前は命とか体とかお金をかけた戦いばかりだったからたまにはこういう純粋にゲームするのもいいかもしれない。てかぶっちゃけると僕も楽しい。


「俺はドレミン、ファソラン、シドをリリース。奏ろミュージック。魂のワルツ。超進化召喚!ドレミファソラシドワーフ(HP10000/A5000/D3500)!」


「君も超進化召喚使うんだね!」


「まだここからだよ! ドレミファソラシドワーフの効果発動!、召喚したターンは、もう一度だけチャージができる!」


「なんだって!?」


ゲームのルールを捻じ曲げてくるタイプのデッキか!なんて雄だクールくん!


「そして俺はシドを墓地からデッキに戻すことでCOCOAZAC人の記憶(HP5000/A3200/D3200)をコストなし召喚!COCOAZACの効果で、アイテムカードを一枚手札に加える!俺は星2のスーパースターステーキステッキを手札に加える。俺は星10のアクアピッチャン(HP1000/A1000/D1000)をチャージゾーンにセット。スーパースターステーキステッキを発動!チャージを2倍にする!」


「なんだってーッッ!」


「これにより俺のチャージは16となる!」


「…20じゃなくて?」


「スーパースターステーキステッキのカードのコストを払った後のチャージが2倍になるんだ。」


「そうなんだ…」


「ドレミファソラシドワーフでガトリングガイに攻撃! 音ッ怪ッ! (ガトリングガイHP8000→ 3000) ターンエンド」


「僕のターン、ドローっ! 星10の究極王竜をチャージゾーンにセット!そして、星10の極限虎王(HP15000/A14000/D10000)を召喚! 極限虎王の効果で召喚時、墓地のカードを一枚コストなし召喚できる!僕は墓地の究極王竜(HP12000/A15000/D8000)をコストなし召喚!」


「奇跡としか言いようがない展開力だ! すごいよ、芋虫くん!」


「僕は究極王竜の効果発動!召喚時相手フィールドのカードを一枚破壊する!僕はドレミファソラシドワーフを破壊する!」


「くっ」


「そして!ガトリングガイでCOCOAZACに攻撃!」


「いだだっ(クールHP100000→97000)」


「さらにっ! 究極王竜と極限虎王で攻撃! 王者の双撃!」


「なんてパワーだっ!」


「へへっ。ターンエンド!」


「俺のターン、ドローっ!俺は生贄の蘇生儀式を発動! その効果で墓地からドレミンとファソランをコストなし召喚!さらにファソランの効果発動!ドレミスターモがコストなし召喚された時、ドレミカードを手札に加える。俺はシドを手札に加える。」


「さっきとおんなじ展開だ!」


「そしてシドをコストなし召喚し、さらにファソランの効果発動しドレミカードを手札に加える。俺はドレミファソラシドールを手札に加える。そして俺はドレミン、ファソラン、シド、この三体をまたリリースし、星を6払うことで超進化召喚! 踊れ人形、演奏とともに舞え。ドレミファソラシドール!(HP30000/A0/D0)」


「AとDが0ということは恐ろしい効果があるんだね?!」


「ああ! ドレミファソラシドールの効果は、このカードが存在する限りドレミアイテムカードはコストなしで使用できる! 僕はドレミファソードとドレミファソラシールドを装備する!(HP30000/A0/D0→HP30000/A2000/D2000)」


「いや装備つけても弱いままじゃん!」


「やれやれ、甘いねその考え」


ムカつくねえ!


「ドレミファソラシドールこのカードは装備したアイテムのカードの数×5000A・Dがアップする!! つまり10000だ!(HP30000/A2000/D2000→HP30000/A12000/D12000)ついでに言うと、装備カードの数だけ攻撃回数も増える!。」


「なにーっ!」


「俺はガトリングガイと究極王竜を攻撃する! ドール・サウンド・ダンス!」


「ちっ(究極王竜HP12000→0)(ガトリングガイHP3000→ -9000)(王竜芋虫HP10000→91000)」


「ターンエンド。早速切り札壊されてるけど?」


「へへっ、HPは全然あるんだ。お気に入りをドローするまでまつだけさ!それに、極限虎王もまだ残っているんだ! 僕のターン! ドローっ」


「お気に入りは引けたかい?」


「引けませんでしたけど! とりあえず、極限虎王で攻撃っ!極限の筋肉圧縮!」


「(ドレミファソラシドールHP30000→16000)倒し切れてないみたいだけど?」


「でも極限虎王の方がDは上だよ?攻撃できないよ?ターンエンド。」


「俺のターン、ドロー…。俺は手札からドロー魂を発動。ドレミファソラシドールをリリースし、このカードの星だけドローする。このカードは星6、つまり6枚ドローする。さらに星7のドレミファソラシドラゴンをチャージゾーンにセット。星7、ベルガ(HP11000/A8000/D3000)を召喚!これで全ては揃った。」


「すべてが揃ったぁ?」


「フィールドカード、喜びの序曲の効果発動! 墓地にドレミファソラシドスターモが墓地に3体以上存在する時、俺はこのゲームに勝利する!」


まさかの特殊勝利系のテーマだったかッ!!僕の初めてのファイアーカードズは敗北に終わった。…でも!


「楽しかったよ! ありがとう」


「ああ。俺もだ。またやろうな。」


と、話しているとまもなく昼休みが終わろうとしていた。各々次の授業の準備を行い、それぞれの席につき授業を受けた。


放課後…


「ねえ、芋虫くん。」


「あっ、クールくん! どう? この学校。慣れた?」


「ん? ああ。前の学校と大差ないな。それより….」


「どうしたの?」


「俺の妹のいる病院まで来てくれないか…?」


「いいけど…」


気付いたら僕は、イケメンな転校生と二人ぶらり電車で揺られている。はたから見たら美雄美雌のお似合いカップルなのだが、両方ともノンケの雄同士なのだ。


「もうじき着く。」


「う…うん。」


僕は田舎のどこかわからない駅に来た。看板を見ると風窓と書かれている。駅を出ると、駅前はやはり賑やかでカラオケや居酒屋などが立ち並んでいた。


「この先にある病院だ。ついてきて。」


「うん」


まだ5時なのに人が少なく夕日が綺麗な場所で、落ち着く。体も自然と大きくなった気がする。酸素濃度が僕の住んでるところよりほんの少しだけ濃いのだろうか…。大きな橋を渡って川を横断し、狭い歩道を歩いて数十分。大きな病院に着いた。


「ここだ。」


僕は受付になんとか許可をとり、妹さんのいる部屋へと向かった。


「襲うなよ」


誰がするかよ。こちとら彼女いんだぞゴラ。そう思いながら病室へ入ると、管を刺され、息を荒くしながら痛い苦しいとつぶやく少女の姿と、メガネをかけた白衣姿の男性の姿があった。


「黒木さん。連れてきました。」


黒木さんは妹さんの担当医でムカデの成虫。どうやら僕は黒木さんに頼まれて僕は連れられたらしい。


「究極王竜のカードの持ち主かい?」


「はい。僕が究極王竜のカードの持ち主の芋虫です。」


「そうか。まあ、座りなさい。」


僕は言われるがままに椅子に座った。


「なぜ究極王竜のことを知ってるんですか?」


「ギャングの話を聞いていたからな。願いを一度だけ叶える竜と聞いている。」


「あっ、もう能力は使ってしまって…」


「そうか、まあいいんだ。そっちの方が早いんだがね。それで、この究極王竜のカードみたいに精霊の力を使いたい。精霊の入ったカードをひたすら回収してくれないか。」


「は、はあ…。しかしなんで精霊の力が。」


「この妹さんのかかっているウィルスのは強いマイナスの力が働いている。呪いとでも言っておこう。かかったものを蝕み、死ぬまで喰らい尽くす。それで、これを見てくれ。」


そういうと彼は己を世界に捧げた竜のカードを彼女の胸にかざした。そうすると、カードが少し発光し、妹ちゃんの容態が少しよくなった。それと同時に光が徐々に弱まっていった。


「ごめんなさい先生…少し…楽になったよ….」


息は荒いが喋れるようにまでなった。


「しまった。使い果たしてしまった…。とまあ、精霊には不思議な力が宿っている。その力がこのウィルスの唯一の対抗策だ。ちなみに、この希望を込めた瓶を使えば精霊の力は元どうりになるからな。」


「わっ…わかりました…。」


「協力してくれるかい?」


「はあ…。」


「究極王竜…。渡してくれないか?」


「ちょっと、究極王竜と話し合ってきます…。また明日」


「…わかった。」


僕は病室を後にした。正直な話、信じがたい。そもそも今日知り合ったやつのためにそんな苦労をする理由なんてない。


(ねえ王竜)


(どうした?)


僕らはテレパシーで会話することもできる。こうすれば誰かに話を聞化れることはない。


(さっきの話、どう思う…?)


(あのウィルスの正体を掴んだ…と言ったら…?)


(どういうこと?)


(あのウィルスはおそらく黒木が分泌している。そしてそれを操っている.


..。確かに精霊の力を使って治しているように見せているだけだ。)


(なるほどね…。でも、君の言ってることも本当かどうかわからないよ。)


(ああ…それなら、二人がいなくなったらもう一度病室に戻れ。さすればわかる。)


(…。うん。)


(ライオンバナのカードも持ってこいよ。)


(はぁ? なんであいつが必要なんだよ!?)


(私もいやだが証明に必要なのだ。)


(…くっ)


結局持ってきた。病院に戻る頃にはちょうど真夜中になっていた。


「でも、どうやって病室に行くの?」


「Wryyyyyyy」


「こいつずっとうるさいな…」


「私の足をあげよう。」


そういうと僕の体に足が生えた。王竜の足を使うことなんてあまりないが動かし方はなんとなくでわかっている。


「ジャンプしろ。」


とりあえずそのばで助走をつけ、思いっきり跳んでみた。病室の窓まで跳べた。そしてなぜか窓は開けてあった。


「なんで窓開けっぱなのさ」


「夜風に当たると気持ちがいいからな、とりあえず入れるなら入ってしまおう。」


どうせ王竜の仕業なのだが気にしないで入った。


クールくんの妹はスヤスヤと眠っている。あの時とは違い、呼吸は乱れておらず安定している。寝ている時だけ症状が出ない…とでも言いたげな病気だ。いい顔して眠っている。安らかな気持ちになる…。


「Wryyyyyyyyyyyyyyyy…。」


こいつさえいなければな。うるせえ。うりうりうりうりうるせえ。


「やはりか…。」


「やはりって?王竜どう言うこと?このクソッタレが常にうるさい理由がわかるのか?」


「ライオンバナがうるさいのは知らん。ウィルスだ。おそらく黒木が寝ていると同時にウィルスもねむる。反対に、黒木が起きていればウィルスも起きると言うわけだ。そしてもう一つ、ライオンバナのカードだ。」


「それで、このライオンバナのカード、どうすんの?」


「かざせ。」


僕は不服そうな顔を向けながらも妹さんの胸にカードをかざした。しかし、なんの反応もない。と言うかずっとうりーって言い続けている。


「Wryyyyyyy!!」


「これでわかったか?やはりッ演技していたッ!!カードは光らないし、エネルギーを消耗していると言うならうりーなんて声は徐々に弱まっているはずッ!」


「まさかッ!」


「そうだッ! 犯人は黒木! やつを追い詰め、尋問しなければッ!!」


「その必要はない」


「「!?」」


黒木さんの…声…。そんな、家にいるはず。なんでいるんだ…こいつは!?


「やれやれ、そこまで突き止めたなら教えてやろう。」


メガネが怪しく光る。


「黒木は私の操り人形にすぎない。」


「どういうことだ!?」


「黒木は操られているのだ。こいつはただの医者だ。ウィルスとはなんの関連性もない。そしてもう一つ、妹も私が操っている。」


「!?」


「なっ、なんだってーーーッ!!」


「自由にだ。自由に操れる。こんな風にな…」


そう黒木さんが言うと妹さんの毛が僕の背中を貫いた。


「その子は普段、ベッドにいる時は毛を格納しているからわからないがその子は毛虫だ。そして私が操っている今、毛の硬さも上げている。」


「なっ …何をッ…」


「お前には死んでもらおう。”これから”の世界のための犠牲者となれ。私は究極王竜を殺し私の人生を壊した復讐と世界の秩序を保つという偉大な目標があるのだ。お前はそのための生贄となれ…。」


どうやら内臓を全部貫かれているようだ。もうだめだ。死んでしまう…。こんなところで死ぬわけには…。


「究極王竜…なんとか…しろっ…」


「ライオンバナを解き放て。」


「は…?」


こんな時にふざけてる場合か…。


「いいからだせ」


僕はぐるぐる巻きにしていた包帯を全部ひっぺがした。


「Wryyyyyyy!!」


ライオンバナがカードから飛び出した。それと同時に僕の体が一瞬で回復した。


「ライオンバナの効果は召喚時、手札のイモムシくんをコストなし召喚する効果だ。」


「じゃあ、この回復は…」


「召喚されたことにより、HPが回復した…と言うわけかな? ただまあ召喚されたなら」


「黒木さんと戦わないといけないのね…こいつと共闘する日が来るとは…」


「いいじゃあないですかぁ?友達なんですからッ!」


何が友達だよちくしょう。


「私の正体を知られてはならない。それに、黒木を殺すという覚悟ができているのかな?」


「くっ」


「私はねぇ、できてますよォ。私は目的遂行のためならどんな犠牲も厭わない。誰かを殺そうが関係ない。所詮は一話限りにモブ風情に関わっている暇なんぞ。無駄無駄無駄無駄無駄ッ!」


ライオンバナ…。


「そうか。ふふっ。だがそれはイモムシも同じかな?」


「僕には…できない…。無関係な虫を巻き込んで。殺すことなんてできないよ…。」


「そうか…。私はできているぞ。覚悟があれば割となんとでもなるのだ。」


割となんとでもって言い方よ…。


「究極王竜を渡せ、そして降参しろ。命が惜しいならな。」


「くっ…。」


「ちょ〜っとぉ?あなた?さっきから聞いていれば偉そうに…。なんなんだキサマ…イモムシくんに偉そ〜な口聞いてぇ?ムカつくわぁ〜!!」


どうした?久しぶりに出てきてキャラ崩壊したか?


「だからなんだ」


「私の攻撃を喰らいなさーいッ!」


葉っぱをカッターのように飛ばし、黒木さんに当てようとする。


「忘れたのか?後ろもいるんだぞ。」


僕は背後にいる妹さんを自分の体を丸めて毛の生えていない腹へと急いで回り、攻撃した。妹さんを吹っ飛ばし黒木さんへあてた。


「これでッ駒はッ完封できたぞーッ!」


「さぁ姿を表せ!」


廊下から足音が遠のく音がする。


「逃すかッ!」


僕らは足音のする方へと走った。まあ、僕の場合は転がると言う表現の方が正しいのだが。


「ところでぇ、結局私、あなたの仲間になりましたね予言通りに」


「神様っているんだね…」


「またッ頼ってくださいねぇ。私植物なんで植木鉢から動けないんですーッ」


そうして彼はカードに戻った。まあいいや。


僕は必死になって病院内を駆け回った。暗い光一つない病院内を探すのはととても大変である。しかし、たった一つだけ見える動く青色の光。僕はそれを見逃さなかった。青色の懐中電灯なんてあるんだなと少し感心していると”ヤツ”は外に出てしまった。追いかけようにも見失った。夜の外の田舎は灯りはない。あたり一面田んぼや山に囲まれている。電柱に電灯は付いておらず、聞こえてくるのは不良のバイクと騒ぎ声だけだった。


「どうしよう王竜…」


「またいつか襲いかかってくるさ。その時を待とう」


「…うん。」


しかし僕は終電を逃したため帰ることができず、家の場所もわからないため野宿するほかなかった。と思っていたが


「ねえ王竜?」


「なんだ?」


「僕の腕は王竜の腕だけどさ。翼って生やせるの?」


「できるが…。まさか!?空を飛んでいくつもりか!?」


「その通り。お願い!!」


「うーん…えー…いいけどぉ、まさかタダとは言わせないわよぉ」


「急にオカマになるな。わかったよ、今度外食するから!」


「決まりだな。」


こうして僕は背中に究極王竜の翼を生やし大空へ飛ぶ…いや、確かに飛んだ。真上に飛び、そして凄まじい勢いで降下し地面に近づくにつれ減速し、綺麗に着地をした。実に一瞬の出来事であった。思ってたのと違った。蝶のように羽ばたかせ、優雅に宙を舞うそんな自分を想定していた。まさか空を飛ぶことを楽しむ暇もなく移動するとは思わなかった。まあ、早く帰りたかったので文句は出なかったが、とりあえずベッドに向かい、横たわった。


そして、ライオンバナをカードから出した。


「ねえ、ライオンバナ…僕のことを狙ってるんじゃないの?」


「私は、いや、俺はお前と友達としていたいんだ。海に行って釣りをしたり、公園で遊んだりゲームしたり、ファイアーカードズしたり、共闘したり、そんな当たり前を過ごしたいんだ。」


「ふーん」


「俺は玩具箱に長年封印されていた。お前ばかり注目されてて、俺の友達として生まれたはずのお前がどんどん上へ行って友達作って、成長して、羨ましかった。俺は玩具箱の中で妄想した。お前と俺が友達で、一緒にゲームしたり、バトルしたりする。子供みたいでばかばかしいけど、こうでもしなきゃ俺の精神は…いや、もう壊れてるのか…。」


「そうだね。友達になりたい奴とは思えなかったよ」


「あははっ。そんなある日、俺は選ばれた。イモムシくんもいるよと伝えられた。そして気づいたら俺は」


「悪に染まってた…と…」


「こう言っちゃあ悪いが、俺は悲劇のヒロインなんだ。」


「そうかな?ラスボスが悪に落ちるには十分な理由にしか聞こえないよ。救おうにも救えない悪みたいな。ヒロインとは程遠いよ」


「そうか? ふふふっそうだな。それじゃあ俺さ、外で寝たいんだ。ボスをやってた時はずっと屋敷の中だったからな。お願い! 庭に俺を置いてくれない?」


「わかった。」


僕は家の庭の1番日のあたるところにおいてあげた。


「おやすみなさい…。」


「ああ、お休み。いい夢みろよ。俺みたいになりたくないならな」


なんだか普通に喋れた。ライオンバナも精神的に来ていたんだな。虫を狂わせるのも十分か。ところで玩具箱ってなんだろう…。急に喋り方変わったな。謎を残したまま僕はベッドに戻りそのまま眠りについた。



翌日…



「ふわぁああよく寝たぁ」なんて朝から呟く。昨日の出来事なんかより疲れの方が優先され、よく眠れてしまった。学校には遅刻せず済みそうだ。朝ごはんを用意し、ライオンバナの様子を見ると


「おはよう、イモムシくん。いやあ、日光浴はいいねー!」


「ライオンバナ…おはよう。一応君植物だからね、日光を浴びて栄養作るんだろう。便利な体だよね」


「いやご飯は食べるよ。今日なに?」


「図々しいな。冷蔵庫使っていいから自分で飯作んなよ」


「はーい。ところで俺学校行っていい?手続きとかは自分でするから」


「種族考えろ、無理に決まってるだろ。」


「(;∆;)うえーんひどいよお…。」


「それじゃ僕はご飯食べて学校行ってくる。くれぐれも外に出るなよ」


「日光浴気持ち良すぎだろ! それに植物だし、植木鉢だから動けないー。」


「…まあいいや。行ってきまーす」


ちょっぴり不安だがそれを押し殺して僕は学校に行く。


「おはよ。イモムシくん。」


「おはよう。」


最近できた友達が僕に話しかけてきた。


「クールくんすごい人気だったね」


「うん、そうだね…。」


「そういえば2人で放課後、どこ行ってたの?」


「あの子の妹の病院」


「ふーん…なんで君だけを誘ったの?」


「究極王竜の力を狙ってる医者がいてね…断ってきたよ」


「ふーん…まあ究極王竜強いもんね。」


「やれやれって感じだよ。」


「ふふっ。そういえばさー」


などと他愛のない会話をしていると学校についた。クラスではもうすでにクールくんが席に付いていた。相変わらずモテている


「あっ、クールくんおはよう。」


「おはよう。芋虫くん。決めた?」


「うん? ああ、協力?いや、しないことにしたよ。」


「そうか…。それとひとつ…。俺はカード狩りをすることにした。」


「!?」


「止めたいなら止めろ。まあ、また負けるだけだがな。」


「…。」


「俺は妹を救うためならなんだってやる。殺しにでも手を染めてやる、覚悟は決まった。」


「わかった…。僕は止めないよ。君が後悔しないならいいよ。好きにしたらいいさ。」


(いいのか芋虫!?)


(いいんだ王竜、元々僕らには関係のない話だ。)


(それもそうだな…しばらくは放っておこう。)


「狩ったカードを献上すれば特効薬が作れるらしい…。」


(なんだと!?)


「献上…!? 献上するってことは」


(おそらく私を殺すためにデッキを強化するつもりなのだろう)


「ごめん気が変わった。僕は君を全力で止めさせてもらうよ。」


「そうか。だがお前は俺の居場所を特定するのは不可能だ。」


「ふっ、やるだけやってみるよ」


(一体どうする気だ?)


(ライオンバナをクールくんのデッキに仕込む。クールくんが戦闘を仕掛けるタイミングでライオンバナには召喚してもらう。その後ライオンバナと戦闘。ライオンバナには戦闘中に僕に連絡を入れてライオンバナの元へと向かう。そしてクールくんにとってのターゲットを先に倒してクールくんが狙っているカードを先に奪う。)


(なるほど。しかしどうやって仕込むんだ?)


(ライオンバナのカードそのものにも意識があるんだ。そしてカードの状態でも少しだけなら動けるらしいから)


(つまりライオンバナが協力してくれるかどうかだな…。)


「おい。何をぼーっとしている。電柱にぶつかるぞ」


「へ?」


思いっきり僕は電柱に頭をぶつけた。僕はその場にしゃがみ込んだ。


「痛ーっ!」


「はあーあっ、やれやれだ。」


僕はヒリヒリするおでこと恥を感じながらも学校に向かった。


教室にある廊下に向かう途中、蟻ノ助にあった。


「おっす、おい芋虫。おめぇどうしちまったんだ。」


「うん…ああ…ちょっとぼーっとしててね。頭ぶつけちゃったんだ。ははっ…。」


「そっか、まあおめえに何かあるわけじゃねえならでーじょうぶだな。またなんかあったらいってくれよ」


「うん。まあ、最近は蟻ノ助に頼る機会が減ったけどね。」


「へへっ。つまりそれはオメーが強くなったってことだ。いいこった。」


などと言いながらくしゃくしゃに頭を撫でた。


「じゃっオラ教室にもどっから。」


「じゃーねー。」


僕も教室に行った。転校二日目でも相変わらずクールくんはモテていた。どうやら転校の噂を聞きつけた女子たちがわざわざ見にきたようだ。僕はそれを無視して…僕の席が雌にすわられてるー!!どうしようかなー。えー…話しかけるのもなんか怖いし…えーっどどどっどーしよう…。などと立ち尽くしていると始業のチャイムが鳴り、僕の席は開いた。やっと座れる…。


「ごめんね。いやーモテる雄は辛いね。ふっ」


「ムカつくなぁ…。」


特に何かあるわけでもなく授業は進み、そのまま放課後へと向かった。


「ねーねークールくん!アタシもーファイアーカードズやってるんだけどー、対戦しない?」


「ああ、構わないよ。君みたいな可愛い女の子とならいくらでも。それに、君とは戦ってみたかったんだ。」


「ええっ!?あっありがとー!」


「勝ったら僕が好きなカード一枚もらっていい?」


「いいわよー!でもその代わり、私が勝ったら私の彼氏になってもらうよー!」


「いいよ。まっ僕が勝つけどね」


「ふふっ」


どうやら他クラスの雌がターゲットだなんて予想外だった。こうなったら!!


「ライオンバナ召喚!! クールくんに攻撃!!」


「ガオーっ!! 嬢ちゃん!この顔のいい兄ちゃんと戦いたいならイモムシくんを倒してからにすんだな!!」


「なんだこいつ!?」


「というわけで、君が勝ったら君の好きなカードあげるよ。代わりに僕が勝ったら君のカード一枚もらうからね!!」


「えっいっいいけど…。」


「僕のフィールドは邪悪魔の樹!」


「アタシのフィールドはスターダスト・ハイウェイ!」


Let’s ファイアー!!


「僕のターン!僕は手札からi:1無神論のサタンの効果発動!!手札から墓地に送る。墓地の無神論のサタンの効果発動!!このカードを墓地から召喚する!!降臨せよ、始まりの悪魔!!無神論のサタン(⭐︎0/HP0/A100000/D0)!!ターンエンド!!」


「あっ、アタシのターン!!アタシは⭐︎4メカポリス(HP5000/A8000/D3000)を二体フィールドの効果でコストなし召喚!! メカポリスの効果発動!!召喚時、相手に500のダメージを与えるわ。つまり合計1000ダメージよ(王竜芋虫HP100000→99000)さらに私はメカポリス二体で攻撃!まずわ!無神論のサタンを破壊!!」


「くっ…。(王竜芋虫HP99000→91000)」


「もう一体で直接攻撃!!」


「いててっ(王竜芋虫HP(91000→83000)」


「ターンエンドよ。」


「僕のターン。ドローっ!!僕は手札から⭐︎10究極王竜をチャージ。そして⭐︎10極限虎王(HP15000/A14000/D10000)を召喚!!さらに極限虎王の効果でチャージゾーンから墓地に送られた究極王竜(HP12000/A15000/D8000)をコストなし召喚!!さらに究極王竜の効果で召喚時相手フィールドのスターモ一体を破壊する。僕はメカポリスを一体破壊する!!」


「あんた女の子相手にしてるのに少しは手加減しなさいよ!!」


「勝負の世界に男も女も関係なーい!さらに僕は墓地から無神論のサタンを召喚!まずは無神論のサタンでメカポリスに攻撃!!」


「きゃあああああ(他クラスの雌HP100000→5000)」


「さらに究極王竜でメカポリスを攻撃してとどめだーッ!究極の火炎放射(アルティメット・フレイム)


「いやアアアアアア(他クラスの雌HP5000→0)」


「よしっ!それじゃあ君のデッキのカードを見せてもらうよ…」


「くっ」


(ねえ王竜、どれが精霊の入ったカードなの?)


(屍を喰らう竜、このカードだな。)


「それじゃあ僕は屍を喰らう竜をもらうよ」


「キーッ!!」


こうして僕はクールくんの狙いを一つ阻止した。


ところで…ライオンバナとクールくんはどうなのだろうか…。



※ライオンバナと蛾蝶クールの一人称は俺のためにごっちゃになるのを防ぐためここからは名前を書いていきます。


クール「俺のフィールドは祝福のハレルヤ!!」


ライオンバナ「俺のフィールドは均衡の神殿!!」


Let’s ファイアー!!


クール「俺が先行だ。俺は⭐︎10アクアピッチャンをチャージゾーンにセット。俺は⭐︎7ドレミファソラシドラグーン(HP7500/A10000/D5000)を召喚。ドレミファソラシドラグーンの効果発動、デッキから調律の儀式を手札に加える。⭐︎0調律の儀式発動、自分の場のドレミファソラシドスターモを一体デッキに戻し、ドレミン(HP2800/A1300/D500)、ファソラン(HP3200/A2500/D1300)、シド(HP2300/A2000/D1500)をそれぞれ召喚する。ただしこの調律の儀式の効果でこいつらは効果を発動できない。まあ、リリースすればなんの問題もないわけで…」


ライオンバナ「超進化召喚でもするのか?」


クール「俺はドレミン、ファソラン、シドをリリース。奏ろミュージック。魂のワルツ。超進化召喚!ドレミファソラシドワーフ(HP10000/A5000/D3500)!こいつの効果により、俺はもう一度だけチャージを行える。俺はドレミファソラシドラグーンを墓地からデッキに戻し、俺はCOCOAZAC人の記憶をコストなし召喚。俺はCOCOAZAC人の記憶の効果発動、手札にアイテムカードを一枚手札に加える。俺はドロー魂を手札に加える。俺はドロー魂を発動。星8のCOCOAZACをリリースすることでカードを8枚ドローする。さらに俺は生贄の蘇生儀式を発動。お互いの墓地に存在するリリースされたスターモをコストなし召喚する。これによりファソラン(HP3200/A2500/D1300)とシド(HP2300/A2000/D1500)をそれぞれ召喚する。」


ライオンバナ「同じモンスターをこねくり回して使うデッキか。」


クール「俺は星8のマグマピッチャンをチャージゾーンにセット。さらにマグマピッチャンの効果で相手に1000のダメージを与える」


ライオンバナ「あちちっ(ライオンバナHP120000→119000)へへっ、均衡の神殿の効果で俺のHPは20000+されてんだ!」


クール「だからなんだ、俺はドレミファソラシドワーフとファソランとシドをリリースすることでこの三体をまたリリースし、星を6払うことで超進化召喚! 踊れ人形、演奏とともに舞え。ドレミファソラシドール!(HP30000/A0/D0) ドレミファソラシドールの効果は、このカードが存在する限りドレミアイテムカードはコストなしで使用できる。僕はドレミファソードとドレミファソラシールドを2枚装備する。ドレミファソラシドールこのカードは装備したアイテムのカードの数×5000A・Dがアップする。(HP30000/A0/D0→HP30000/A24000/D24000)ついでに言うと、装備カードの数だけ攻撃回数も増える。つまり4回攻撃が可能というわけだ。ターンエンド。」


ライオンバナ「その程度で勝った気になってるとはまだまだだぜぇ!」


クール「ほーう?」


ライオンバナ「俺のターン、ドローッ!! 俺はアクア・ピッチャンをチャージゾーンにセット。俺は星10ライオンバナ&イモムシくん(HP6500/A3000/D3500)を召喚!!ライオンバナ&イモムシくんの召喚時効果発動!究極王竜カード、またはイモムシくんカードを一枚手札に加えれるぜ。俺はアイテムカード、奇妙な友情を手札に加えるぜ。さらにライオンバナ&イモムシくんの効果発動!このカードをリリースすることで手札・デッキからイモムシくん(HP3000/A2000/D1000)とライオンバナ(HP3500/A1000/D2500)をコストなし召喚するぜ。ほんじゃよー兄ちゃん!てめえのその勝ち誇った態度、打ち砕いてやるぜ!」


クール「やってみろ」


ライオンバナ「俺はイモムシくんとライオンバナをリリースすることで超進化召喚!! とこしえからの絆の力は、奇跡を起こす!! ライオワーム(HP10000/A5000/D3500)!!ライオワームの効果発動!!デッキのカードを5枚めくり、星3以下のカードがあればルールと召喚条件を無視して全て召喚し、召喚したカードのそれぞれAをこのカードに加えるッ!!ただし召喚したカードは攻撃も効果発動もできず、次のターン墓地に全て送られる。」


クール「素のステータスが低すぎてとてもだが俺のドレミファソラシドールには勝てるとは思わないがな。」


ライオンバナ「まずは、一枚目ぇ!星3シン・ピラミーの腕!!(HP3000/A2000/D3000)2枚目ぇ!星3シン・ピラミーの体(HP3000/A2000/D3000)!3枚目ぇ!星3シン・ピラミーの頭(HP3000/A2000/D3000)!4枚目ぇ!星0煌めく彗星龍(HP27000/A27000/D27000)!5枚目ぇ!星0無神論のサタン(HP0/A100000/D0)!」


クール「なんてドロー力!!恐ろしい!」


ライオンバナ「これにより合計Aは148000となるゥーッ!(ライオワームHP10000/A5000/D3500→HP10000/A148000/D3500)」


クール「なんて攻撃力だ…。」


ライオンバナ「俺はライオワームで攻撃!! 弱き絆の回転疾走(ローテッドスプリンド)!!」


クール「ふっ…アイテムカード発動!!ミーガワリン!!」


ライオンバナ「相手がアイテムカードを発動した時、このスターモの効果が手札から発動するぜ。偽物の助(HP10/A0/D0)!! こいつの効果はアイテムカードの発動を無効にし、破壊する。その後、このカードを相手フィールドに召喚する。」


クール「ナニーッ!?」


ライオンバナ「くたばりやがれぇーーッ!」


クール「うわああああああああ(クールHP100000→0)」


ライオンバナ「ファイアーハートシステムを使うか…ここで潔く負けるか…。」


クール「覚悟はできてる…。俺はファイアーハートを使い、俺はドレミファソラシドールとなる!!」


ファイアーハートシステム。それはプレイヤーのHPが0になった時、自分フィールドにスターモがいる時、フィールドに存在するスターモを一体だけ選択し、そのカードが破壊されぬ限り自分はまだゲームに負けないというもの。しかし、ドローを行うことだけはできないというものだ。


ライオンバナ「ターンエンド。」


クール「今ので俺を始末できなかったことを後悔させてやるよ。」


ライオンバナ「ふっ、やってみろ。」


クール「俺は新システム、ボスを召喚する。」


ボス、それはデッキとは別でボスゾーンと呼ばれるところから召喚されるカード。しかし、呼び出すには召喚条件があり、いくつかターンを待ったり特定のスターモをリリースしたり、自身のHPを削ったりなどさまざまある。また、こいつはフィールドからボスゾーンへ戻ることもあり、かなり扱いづらいカードである。しかし、効果やステータスは強力であり、使いこなせばかなり強力である。


クール「降臨せよ、召喚条件は自分のターンが2回目を迎えること。来いッ! 滅びの道を歩む者(HP12000/A23000/D10000)!こいつは一ターンの間だけ俺のスターモとして扱う。そしてこいつの効果は相手フィールドのスターモを一体選択し、そのカードとAをこのカードのAに加える。」


ライオンバナ「なん…だと…」


クール「俺はライオワームを選択する(A23000→171000)。勝った!!一気にとどめをさしてやる! 俺は滅びの道を歩む者でライオワームを攻撃!」


ライオンバナ「Uryyyyyyyyyyyyy!(HP119000→0)」


クール「敗因はスターモをそいつ一体だけしか出さなかったことだな。」


ライオンバナ「敗因?勝負はこれからだろ?」


クール「はぁ?今のでHP0 お前のフィールドにはスターモ0でファイアーハートシステムは使えず…。」


ライオンバナ「俺は手札からアイテムカード血肉の壁を発動しておいた。これにより俺のHPは(ライオンバナHP0→100)100だけ残る!それだけじゃないぜ、お前のターンを強制的に終了だ。」


クール「なんて恐ろしいやつ…。そして俺の滅びの道を歩む者はボスゾーンに戻る…。」


ライオンバナ「俺のターンッ!ドローッ! 俺は星21暗黒魔界の王 トッド・モーテをチャージ、さらに星渡しの儀式を発動!自分のチャージを全て相手のチャージにし、俺は自分の手札に煌めきの彗星龍を手札に加える!」


クール「お前が不利になっただけだな…」


ライオンバナ「それはどうかな?」


クール「なんだと?」


ライオンバナ「俺は煌めきの彗星龍の効果を手札から発動する。相手のチャージの数が俺より20以上多い場合、このカードを召喚する! 堕ちろ、煌めきの彗星龍(HP27000/A27000/D27000)!! そしてこのカードにはとんでもない召喚時効果がある! !」


クール「とんでもない効果ぁ?」


ライオンバナ「煌めきの彗星龍の効果はお互いのチャージを0にする効果がある!!」


クール「なんだってーッ!」


ライオンバナ「俺はこいつで、ドレミファソラシドールに攻撃ーッ!落下星(ラッカセイ)!!」


クール「畜生! 畜生! 畜生! (HP240000→0)」


ライオンバナ「ふっ」


クール「まっまあ、今からあの子と戦って」



※ここから元に戻ります。


「もう遅いよ。」


どうやら僕の方が早く終わってしまったようだ。


「なんだと?! まさか君がゲットしたのか?」


「そうだよ。君が狙ってたこのカード、”屍を喰らう竜”。もう僕のものになったから。」


嫌味ったらしい物言いでニタニタ笑いながら言ってやった。そんな彼の反応はというと


「くっ…」


まるで苦虫でも潰したような酷い顔をしていた。いい顔だ…。


「どうする?僕と戦うかい?」


「いやいい…連戦するほど頭が回らない。」


「そう。」


まああのライオンバナを対戦した後だ。すごい疲れているに決まっている。


「だが次だ! 次こそは俺の目的を遂行させる。それに、もし仮に君と戦っても俺が勝てるに決まってるからな。」


一体その自信はどこからやってくるのだろうかいつも気になる。僕は一度の勝利や敗北には引きずられないタイプの虫のためわからない。だからせめてその自信をかき消すためにこう言った


「一応言っとくけど、僕は君が今負けたライオンバナに勝ってるからね」


「何ッ!?」


面白いくらいにいい反応だ。


「それじゃあまた明日学校で。じゃあねクールくん。」

To be continued...

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