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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

壁に足を向けて寝られない人【1000文字未満】

作者: 平之和移


俺は壁に救われた。足を向けて寝られない。なので不眠に苦しんでいる。


壁はテロから救ってくれた。飛び交う銃弾をその身に受けて。感謝のため物品を送っても彼は答えてくれなかった。なのでせめてもの謝辞として、足だけは向けられない。


だが、「壁」とはどの壁を指すのだろう。家の壁は多すぎる。自室の壁はいくつもある。それに、銃弾から守ってくれたのは一つだけじゃない。結局どの壁にも足は向けられなかった。


なので立って寝るしかないのだが、できぬことはやれぬ。疲れて倒れてしまう。それでも寝まいと目を開けた。逆立ちでも寝られず、さてどうしよう。


「おい簡単なこと言うなよ」


そう答えたのは友人だった。彼は続けて言った。


「足を向けられないなら、足を切っちまえばいい。ないものは向けられぬってな」


名案。路上で足を切り落とし、這って帰宅する。これでようやく横になって睡眠できる。目を閉じ、寝た。


その後。出血していることを忘れていた俺は、危うく死にかけた。それを救ってくれたのは床だった。助けられたのはいい。足はないから方向の悩みはない。けれど、床という恩人に杖を突くのは失礼ではないか。


ドローンを買った。空中で住めば何に何を向けてもいいだろう。おや、燃料切れだ。

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