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とある王国の国立学園の学生食堂にて、昼休み中のグーフィルとラキスが話し込んでいる。
「この前珍しく俺の名前を呼んでくれましたね。まさか貴方は偽物ですか!?」
「失礼ね。そんなわけないじゃないの」
「そうですね、貴方の顔の良さを俺が間違えるはずがありません。珍し過ぎて取り乱しました」
「それを言うなら、貴方だって私の名前を呼ぶのは珍しいじゃない?」
「俺が通算二回で貴方が通算三回なので、貴方が言う通りです」
「そうね、二回と三回で合ってるわ」
「急に変な方向を見てどうしました?」
「いえ、お互い名前を呼んだり呼ばれたりした回数を律儀に数えて、似た者同士ね私達と思っただけよ」
 




