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とある王国の国立学園の学生食堂にて、昼休み中のグーフィルとラキスが話し込んでいる。
「俺は語彙力が無さすぎます。貴方に顔が良いとしか言えていません。もっと貴方の顔の良さを表現する相応しい言葉があるはずです」
「そこまで深刻そうな顔をして言うことかしら?」
「顔が良いとしか言わない男は、貴方だって嫌でしょう?」
「そうね、貴方だから許してるけど、顔しか褒めてくれない男は嫌ね」
「許されました!」
「言いたいことはあるけれど、まあいいわ」
「今後貴方の顔の良さを表現するに相応しい語彙力を、身に着けていきたいと考えています。必ずや貴方を満足させてみせます」
「じゃあさっそく、何か言ってみてくれないかしら?」
「………………顔が良いです!」
「無駄な努力は諦めた方がいいわ」
「あ゛~~~」
 




