56/329
56
とある王国にあるロックローヴィ伯爵邸で、お茶会中のグーフィルとラキスが話し込んでいる。
「泣いてもらえませんか?」
「急に何を言い出すのよ。絶対に嫌」
「顔が良い貴方なら、泣き顔も良いのは明白です。ぜひ貴方の泣き顔を俺に見せてください」
「嫌よ。泣き顔を人に見せたくないわ。仮に見せて良かったとしても、急に泣けるわけないじゃないの」
「そんなことまで考えて、玉ねぎと包丁とまな板の準備は万全です」
「もう、玉ねぎまで準備したなら仕方ないわね。今回は特別よ」
「ありがとうございます!」




